ハーレム系の主人公って普通に考えたら精神が病むと思うの・・・
半年ぶり!
続きますのでよろしく!
「ああぁぁぁあぁぁああああぁぁぁぁぁぁぁぁあ!!!」
テスタメントがオスカーに切り落とされた肩を押さえて地面を転がり回っている。
対してオスカーは振り下ろした剣を再び掲げ狙いをつけようとしている。
少し見ない間に立派になった、なんてものじゃない。
俺の攻撃に耐えた奴にしっかりとダメージを与えられている。
しかもちょっと非情?
………てかオスカー君、マジギレですか!?
久しぶりにあった弱勇者が強勇者になっていることに驚いている本来討伐対象なワタクシ、どうもロアです。
肩ごと切り落とされ未だに地面を転がり回るテスタメント、まあ格下だと思った相手が以外にも強かったって衝撃もあるかもしれんが………、あるのか?
「なんてひどいことを!?ワタクシの腕がぁぁぁぁあ!!
あぁ……、なんて……………、素晴らしいのでしょうかぁあ!?」
顔を上げたテスタメントの表情は満面の笑み、まるで天にでも上るような、どこか薄気味悪い笑顔だった。
よく見れば気づけたのだが、奴の腕からは血の一滴も溢れていない。
まるで血の通わない人形のようにケタケタと笑い狂っている。
「誰かに痛みを与えるということはその相手に少なからず関心があるということ、関心があるならそれは何かしらの感情が働いているということデス!あぁ、しかし悲しいですねぇえ、勇者サマに憎しみの念を向けられるというのはッ!なんともッ!悲しすぎて実に愛しいッ!!」
テスタメントの動きが止まる、オスカーを見つめて気持ちの悪い笑顔で興奮を隠せない様子で語る。
「本当に、勇者が憎しみを持って悪を斬る。なんとも勇者らしいじゃないですか、なんとも人間らしいじゃないですか?」
「何が言いたいんですか?」
耐えかねたのか、オスカーが問いを飛ばす。
丁寧な口調だが、どこか苛立っているようだ。
「貴方の目的は邪神を倒すことでしょう?なら、なぜ邪神の眷族たる魔王を倒さないのですか?」
……………はい?
「……邪神の眷族?」
「おんやぁぁあ?ご存じでない?魔王が暴れ、人々が恐怖することで邪神に恐怖というエネルギーが注がれ、そして邪神が復活する。そう言う仕組みじゃないですかぁあ」
「そ、そんな話聞いたこともない!そもそも世界を滅ぼそうとしているのは貴方なのでしょう!?」
「はい?世界を滅ぼそうとしているのは邪神でしょう?そう言う仕組みでしょ?、なにをいってるんですかね??
ワタシたちは世界を救済しようとしてるんですよ?滅ぼすのは邪神と魔王、なぜ魔王を庇うのです?」
笑う、嗤う、道化が嗤う。
愚かだ愚かだと勇者を嗤う。
今の在り方は間違いだと、責務を果たせと道化が嗤う。
「例え無害に見えてもその存在は大きく世界を揺るがせるッ!
何故ならばッ!!
魔王とはそういうものだからですッ‼‼‼‼」
道化は言った、魔王とは居てはいけないのだと。
道化は言った、お前は魔王を殺さねばならないと。
「勇者の責務ですものねぇえ?世界を救わねばなりませんよねぇえ?邪神を倒し魔王を倒し世界を救い人々を救わねば!?アナタにその証があるのですから、その責任がありますよねええぇえ?」
「いや…そんな……勇者………責任……」
まるでなにかを思い出すかのようにオスカーは固まってしまった。
ってんん?オスカー君、一応戦闘中だと思うのですが、固まるのはダメじゃないかな?
「悩みますか?そうですか?そうですよね?アナタは悩んでしまいますよねぇぇえ?
ですがそれでいいんですよ?人間悩みはあるものです。存分に悩みなさい、まあ…」
テスタメントがそう言いつつオスカーの横を通り抜けた。
そして
「その間に終わっちゃいますけどね♪」
目の前に道化顔があった。
そしてどこぞの宇宙の帝王よろしく人差し指からビームを撃ってきた……え?
「うおおおう!?」
当たる寸前で何とか体をずらして避けることに成功した…。
アブねえ、身体能力が高くて助かった……。
少し離れて拳を握る、多分ほかの魔王連中と同じぐらい強いんだろうなあ。
「おうや?不意打ちだったと思いますが避けますか」
「まあ、普通避けるじゃろ…」
「ふうむ、まぁ多少運動したほうがいい頃でしたし?汗臭い殴り合い何かも?わたくし嫌いではないですからねぇぇえ?」
「なら、妾が手伝ってやろう」
綺麗な音が聞こえた。そして次の瞬間には目の前に何かが飛来し、爆発していました。
え?何事?
目の前に道化師がいたと思っていたら突然爆発とか!?えまじで何よ!?
『おいコラ小娘ェェエ!いきなりオレサマをぶん投げるとはどう了見だぁぁあ!!物はもっと大事に扱え‼‼‼‼』
土煙が晴れると、そこには半分ほど埋まった本、ディブロが叫んでいた。
さっき飛来したのお前かよ。
「妾のせいではないぞ、そこの阿呆がいつまでも様子見しているのが悪いのだ」
そして俺の背後から金色の髪を揺らして不機嫌そうな顔をしながらプリシラがやってきた。
え、なにいつから居たの?
「貴様もなにをさっきから呑気にしているんだ、とっとと片づければいいものを呑気に…」
「プリシラ…、お前さんいつから?」
「最初からだが?」
最初からかよ、声かけてくれればいいのに。
「いやいや、いきなりの不意打ちとは卑怯ですねぇぇぇえ?魔王というのは礼儀がないのでしょうか?」
道化は土埃を払いながら、また薄気味悪い笑みを浮かべていた。
お前が言うなよ…。
「ですが好都合ですねぇぇえ?傲慢と暴食、お掃除というのは一気にやってしまったほうが気持ちいいですからねええぇぇぇえ?ヒヒヒィイ?アヒャヒャヒャヒャ!」
「ほう?」
あ、プリシラがすごく機嫌が悪そうな顔してる。
てかこのピエロ、プリシラも狙ってんのかよ。
「のう暴食の、あの目障りな奴を叩き出せ」
「何じゃ、手伝ってくれんのか?」
「バカ者が、貴様のせいで妾は本気が出せんのだ、貴様がやるのは当然であろうが」
ええ~、手伝ってくれればいいのに。
「………まあ、多少は妾も手伝ってやらんこともないが」
何だよツンデレかよこの野郎、抱きしめたくなるだろうが。
「どうぞどうぞ二人がかりでもなんでも?そのほうが面白そうですし!」
相も変わらず笑うピエロ。
流石に魔王が二人でかかれば倒せると思うんだけど、俺には一つ不安があった…。
俺は連携して戦ったことがない。
大体一人だったし、ディーナやディブロとは…まあいけたけど、人とは皆無だ。
上手くいけばいいんだが…………。
『なんでもいいからオレサマを助けろよ!』
あ、忘れてた。




