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暴食魔王の食べ歩き  作者: 因幡之黒兎
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暴食魔王の弱点

仕事の関係上、朝の投稿ができなくなりました。


これからは晩の投稿になりますのでよろしくお願いいたします。

どうもー!

なんとかプリシラを懐柔?することに成功したダークエルフのロアでーす。


現在抱き合う我々を中心に同じ武装した人たちが囲んでいる。

か、カゴメカゴメかな?そんなわけないよね。


「お、お前たち!お前たちが、エルドラドに攻撃を仕掛けてきた魔王か!」


ぬ?青ざめた顔をした兵士が声を震わせながらのエントリーだ。

てか違うし、俺は攻撃してないし。


「いや、私はどちらかと言うと止めた側じゃなかろうか」


『お前さん町を攻撃してないかもしれないが、この辺り一帯は吹っ飛ばしたよな。見ようによれば国土を攻撃したようなもんじゃないか?』


え、マジ?


「ん、なんだ騒々しい。というかいつまで抱きついてる気だ!」


弾かれたように俺の抱擁から抜け出すプリシラ、心なしか顔が赤い。あれ、可愛い?もっかい抱き締める?


「い、いらんぞ。もう抱擁はいらんぞ!?抜け出せなくなる………」


「ん、最後何か言ったか?」


「何も言ってない!」


そんなに拒否んなくても………。


「で、なんだこの人間どもは。妾を許可なくじろじろと、殺すぞ?」


「やめい、わざわざ問題を起こすでないわ!」


一般兵士に殺気立つプリシラを諫めながら周りを確認する。

兵士たちは武器を持っているが戦うといった雰囲気ではない。

むしろなにか待っているような……………。


「ぬ"ぅ"ぅ"ぅ"ぅ"う"ぉ"ぉ"ぉ"ぉ"お"おおおおおお!!!!」


どこからともなく声が聞こえたと思ったら、空から黒い影が落ちてきた(・・・・・)


「ぬぅふっふっふ、いかんいかん俺としたことが。国の一大事に遅れてしまうとは」


盛大に舞う土ぼこりの中からひどく重低音な声が聞こえた。

徐々に晴れていくその中から見えたのは全長二メートルの鎧を着た大男だった。

その体は鍛え上げられており実用性に特化しているようだ。髪型は角刈り、頬には傷が大きく残っているのが印象的で背中には身の丈ほどの大剣を背負っていた。


「た、隊長ぉぉぉお!!」


他の兵士たちが安堵の表情でその男を見る、隊長だったのか。

プリシラは突然空から降ってきた男に目を丸くしていた、それは俺もなのだが。なんだろう、それだけでなく俺は奴から目が離せなかった。少しずつだが体の血が引いていく、俺の本能が告げている。こいつはヤバイ。


「遅いっすよ隊長ー」


「すまんすまん、これでも全速力で向かったのだぞ?」


「まぁ、なにか起こる前に隊長が来てくれて良かったですよ」


俺たちそっちのけで話し込む兵士たち、その中心にいた大男がこちらを向いた。


「して、君たちが噂の魔王かな?出来れば名前を教えてほしい」


あら、この大男脳筋かと思えば対話を仕掛けてきた。問答無用で殴りかかってくるのかと思ってたのに。

けど彼が俺たちを見る目、やたらとキラキラしていておぞけが走る。


「ふん、妾から名を名乗らせようとは不敬な奴だな。普通はそっちから名乗るものだろうが」


「おっと、それは失礼した」


さも普通に謝罪して頭を下げた大男、そして頭をあげてニカッと笑いながらこう言った。


「俺の名はギャランド・H・アンダーヘヤー、このエルドラドで切り込み隊長をしているものだ」


「ぶふぉ!?!?!?」


「ぬお!?なんだ!?」


吹いた、吹いてしまった。

我慢できなかった、だって、だって、ギャランドだよ?アンダーヘヤーだよ?なんだよその名前!狙ってんのかってぐらいだよ!!


「おい貴様、大丈夫か?」


「げほっ、貴様じゃなくてロアじゃげほっ」


「お、おう、ロア…な。大丈夫か?」


「大丈夫じゃ、ちょっと咳き込んでしもうただけじゃ」


油断した、本能が告げていたのはこういうことか。

恐ろしい、気を抜けば大爆笑してしまいそうだ。


「名乗られたからには名乗り返そう。妾はプリシラだ、こっちが聞いた通りロア。」


咳き込む俺の代わりに紹介してくれた。感謝。


「ありがとう、早速で悪いのだが君たちは独り身かい?彼氏はいるか?」


「は?」


突然何を言い出すのかこの男は。


「妾に釣り合う男などいない」


「考えたこともないのぅ」


なんとか咳が収まった俺も答えておく。

答えとかなきゃ嫌な予感がしたからだ。


「そうかそうか、それはそれは」


そういって俺の方をねっとりとみる、悪寒が走る、なんだこの感覚は、覚えがあるぞ。


「まぁ今はいい、君たちには我らが城に来てほしいのだ。そこで王が待っている」


「馬鹿か貴様らは、妾たちは魔王だぞ?しかも妾はこの国を攻撃していた、そんなやつを城に招くなどと…」


「王は気まぐれな方でな、魔王に会ってみたくなったそうだ」


気まぐれにもほどがあるだろう、魔王を招くとかカエルのいる井戸に蛇を投げ込むようなもんだろ。

まぁ、俺としては会ってもいいんだが……。


「ロア、どうする?」


「私は行ってもいいんじゃが?」


「なら妾もいこう」


え、そんな簡単に?

まさかそんなに効いたのか、あの抱擁が。


「勘違いするな、今は貴様と同盟関係にある。さすがに魔王二人を相手にどうすることも出来ないと思ったまでだ」


それもそうだな。


「話はまとまったか?」


「うむ、連れていけ」


「あい分かった、では向かおうか」


そうして俺たちは兵士たちに囲まれながら、エルドラドへ向かうことになった。

なったのだが………。


「おいロア、あのギャランドとか言う人間、何故執拗に仲間の尻をなで回しているのだ?」


「しっ!見てはいかんぞプリシラ!」


なんと言うことでしょう、あのギャランドとか言う隊長。

あいつホモだった!

今ようやく分かったぞ、何故あいつに悪寒が走ったのか。


前世でホモに襲われた経験のせいだな!


くっそ、意識したら近づきたくなくなったぞ。

やっぱり行くんじゃ無かったなぁ…………。


そうして俺たちは背後から聞こえる声を聞かないようにしながら歩くのだった。




ロアたちを囲んでいる兵士たちのリーダーは、エルドラド騎士団切り込み隊長ギャランド・H(腹毛)アンダーヘヤー

筋骨隆々、角刈り、伸長二メートルの大男にして、エルドラド騎士団最強。そして両刀使いでドM。

前世でホモに襲われた経験のある主人公はそんな男に今生でも狙われてしまう。


はたして、ロアは貞操を守りきることが出来るのか?

ロアの新たなトラウマが今始まる!

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