傲慢を喰らう
まだセーフ
ただまぁ、はい
いつも通りのつたない物語です。
ゆっくりしていってね!
「価値がない?」
はて、価値がないとはどういうことなのか。
俺から見れば価値の塊のように思えるのだが、魔王で龍人で美少女で咎持ち、希少価値の塊じゃね?
「……ディブロ、プリシラのような者はそんなに珍しくないのか?」
『は?そんなわけねぇだろ、どこの世界に龍のハーフで魔王で咎持ちなんて希少価値のフルコースがいる。龍人ってだけで珍しすぎるぜ』
良かった、俺の思ったことは普通だったみたいだ。
「あー、プリシラ?お前みたいなのは早々いないらしいぞ?」
「そ、そんなわけあるか。だったら妾は何故捨てられたのだ!」
「捨てられた?」
「そうだ、忘れもしない妾が8才の時に母様とニブルヘイムへ移り住む移動の途中、休憩をするといって草原に馬車を止めた。日の光が温かく、妾はつい眠ってしまった。そして妾が目を覚ましたとき母様も馬車もどこにもいなかった。きっと妾のことが嫌いだったんだ、妾にはなんの価値も無かったから捨てられたんだ!」
んー?
それで価値の話となんで繋がるの?
「それと価値の話と何か関係があるのか?」
「……最初は置いていかれたのだと思って次の町へ歩いて向かったけど、そこには母様は居なかった。いろいろな人に話を聞いてみたけど誰も知らなかった。話を聞いた人の一人に「お前に価値がないから捨てられたんだ」って言われたんだ。そんなことはないって思った、けどどんなに待っても母様は迎えに来てくれなかった。どの町に行っても母様は居なかった。あぁ本当に捨てられたんだって思った」
とても辛そうに泣きそうな顔で語るプリシラ、ただちょっと人のことをすんなり信じすぎじゃないか?
「家には行ってみたのか?」
「怖くて行けるわけないだろ!」
捨てられたと思ってたら帰れないか、俺だったら絶対に帰らないな。
「どうやって他の町に向かったんじゃ?」
「事情を説明したら親切な商人が連れていってくれた」
怪しくない?
「その人ってプリシラに価値がないといった人じゃ無いか?」
「何故わかる」
「はぁー、プリシラお前それ騙されてるじゃろ」
「な、なんだと!?」
いや、だって怪しいじゃん。
価値がないって話までならそういう心無いことを言う人もいるのかなって思ったけど、馬車乗っけてくれた人と同じ人って事ならソイツ怪しすぎじゃないかな。
「だったらプリシラは母が自分を捨てると、今でも思っておるのか?」
「当然だ………、でなければ…この2年………こんな思いは…………」
信じたくないーって顔してなにいってんだか、あぁもう。
「じゃったら、こういうのはどうじゃ?」
俺はさも当然のようにプリシラを優しく抱き締める。
あまりに自然だったからか、プリシラは特に抵抗なく俺の胸のなかにすっぽりはまる。
「私はニブルヘイムへ向かうつもりじゃ、プリシラも来い。ニブルヘイムで母を探して真意を確かめるのじゃ」
「な、そんなこと出来るわけないだろう」
「出来る、私も一緒じゃ。こういうのはちゃんと会って話した方が良いじゃろう」
「でも、しかし……」
「本当は会いたいんじゃろ?」
「…………」
それっきり黙りこんでしまった。
なんかほっとけないんだよなぁ。
「………く」
「ん?」
「………ニブルヘイム、行く。連れてけ。」
「分かった、一緒にいこう」
「勘違いするな、貴様にほだされたわけじゃない。たまたま妾も目的地が一緒だから同行を許可しただけだ」
「はいはい」
「なんだその適当な返事は。…………まぁ、今回は特別だ。なぜか落ち着く貴様の匂いに免じて、許してやる」
そう言うと俺の胸に顔を埋めた。
匂いって、俺はそんなに匂うのか?
まぁ、とりあえずなんとか穏便にすんだな。
言うなれば、暴食は傲慢を懐柔した、みたいな?
『おい、おめぇら落ち着いてるところ悪いけどよ。お前ら囲まれてるぞ』
「え?」
辺りを見渡すと、そこには段々と包囲を狭めてくる人間たちが迫っていた。
次の更新は10/25の予定です
本当かな?
大丈夫かな?(´・ω・`)




