暴食VS傲慢 其の三
まいどどうもっ!
今回もよろしくお願いします(´・ω・`)
ブレス攻撃を織り込み攻撃してきたことにより少々押されてきた。
理由は簡単、こちらは近接攻撃しかできないが相手は遠近両方出来るしブレス攻撃はノータイムかつ広範囲攻撃。そのせいでこの辺一帯焼け野原だよ。
威力を喰いきれずに少なくないダメージを確実に受けている。
きついよぅ……。
『おい、何とかできねぇのか。お前より先にオレサマが燃え尽きるじゃねぇか』
「確かに本だし燃えやすそうじゃな」
『呑気にしてんな、何とかしろよ』
何とかと言われてもなぁ、詠唱の時間もないしどうしろと。
『お前さんはアレ撃てねぇのか、今は同じような格好してんじゃねぇか』
おおう?
その発想は無かったなぁ。
確かに似たような感じになってるし、竜の力があるならそのぐらい出来るだろう。
ただ、やり方が分からない。
元人間で現ダークエルフ、口から吐く物に炎とかは無い。
どんな感じで出来るのか検討もつかない。
『んなもんやってみなきゃどのみちわかんねぇだろ、何でもいいからあんな感じのイメージで試してみろ』
イメージって………。
ええと、ドラゴンブレスって体内にある何かしらの器官から出してそうだよなぁ。
………人間にそんな器官ないだろ。
あ、肺とかからの空気砲ってのはどうだろう、それなら出来そうじゃね?
大きく息を吸って………、吐いて!
「■■■■■■■■■■■■■ーッ!!!」
キィィィィインという音と共に俺の口からなにか出た。
後々に聞いてみたところ、俺が放ったのは破壊の咆哮というドラゴンの咆哮を攻撃用にしたものらしい。
広範囲を無差別で破壊する攻撃でブレスとはまた別種なのだとか。
「けほっ!ごほっ!」
分かったこと、今俺のやったやつは肺とかじゃなくて声帯から出してる。
クッソ喉痛い!
『おいおい、出来るじゃねぇかよ!なんつう威力だよ完全に更地になってるじゃねぇか』
「げほっ、ごほっ!ち、ちょっと待てごほっ!きついげほっ!」
『お、おう。大丈夫か?』
大丈夫なわけあるか、うー喉痛い。
『ん?お前さん姿が戻ってるぞ?』
ん?
よく見りゃ鱗がないな、角もない。至ってノーマルな俺だ。
「単なる時間切れじゃろう、危なかったな」
本当にセーフだった、あと少し遅かったら竜化が切れて瞬殺されてたな。
周りを見るとあれだけいた魔物たちも消えていた、巻き込まれたのかな?
プリシラの姿も見えない、ぶっ飛ばしたか消し飛んだか。敵だとしてもなんとも言えないなぁ。
「…………だだ」
ん?
今なにか聞こえたか?
『おい、マジかよ』
まさかと振り返ってみると、そこには斧を杖代わりにして立っているプリシラの姿があった。
その姿はボロボロで、目に見えてダメージを負っていた。
まさかそこまでの威力があるとは。
「まだ、おわって、ない!」
ボロボロの体で立ち上がりキッと俺を睨む、何故か持っている斧が小さくなっている。
「我が権能を破ったところで妾に勝ったと思うなよ、権能が無くても、妾は強い!」
なんなんだ?
俺そんなにムカつく?
「何故そうまでして立つのじゃ?」
「それ、は………」
興味本意で聞いてみた、そしたら何故かプリシラは更に辛そうに、何かにすがっているような目をしてこう言った。
「それ以外に、妾に価値がないからだ………」
その瞳に涙を溜めて、プリシラはそういった。
次の更新は10/20の予定です。
少々リアルが込み合ってきたので予定より遅れるかもしれません。




