俺の名を言ってみろ………
「人間さん、いらっしゃーい」に「念のためにフードも被ってっと」というのを追加しました。
顔を見られるのが恥ずかしかったんですね（汗）
どうも！
いつもニコニコあなたの背後に這い寄るアマゾネス、坂月鉄平です！
人間の坊っちゃんを助けたら話しかけられてしまいました。
これはファーストコンタクトのチャンス！
初めての第一村人だ、行くぞ！
「………………………………………………………………………」
「あ、あの？」
やっべ、なに話せば良いかわかんない！！！
あっれー？おかしいなぁ、こんな短期間で人と話せなくなるの俺？
やばいな、沈黙ががが……
「せめて、名前を…」
名前無いです…
本格的に話す内容がない気がする。
ウゴゴ、こうなれば最後の手段だ！
この手だけは使いたくなかった、だが致し方ない。
一時撤退！！！
「え、ちょっと待って！」
誰が待つか！逃げるんだよー！！
完全なコミュ症に片足突っ込んでるからな、逃げるしか思い付かなかったぜ！
これがアマゾネス初めての敗走である。
ま、負けてねーし！
「しくしくしく」
膝を抱えてさめざめとしているのは俺、坂月鉄平。
なぜかと言えば、さっきのファーストコンタクトのことだ。
もうちょっとなんかあったろ、大丈夫か？とか何とかあったでしょ？
なぜ抜けていたのかと！
一人反省している次第ですよ。
「キューキュ！」
ポンポンと小さなおててで俺の頬を叩いてくる肩乗りリス君、なんだい？慰めてくれるのかい？可愛い子だねぇ、撫でてあげよう。
そう思ってそのブルーのおめめを覗いたとき………
【アクアリス 精霊 レベル30 状態:従者】
こんなの見えた、なんぞ？
レベル上がってるのはまぁわかるけど、従者？誰の？
………俺？
確認のために自分を見てみることに。
名前:無し
種族:ダークエルフ
レベル:125
性別:女
従者:アクアリス（名前なし）
スキル:鑑定10、家事10、投擲7、暴食の王EX、断絶の牙EX、格闘術8、短刀術10、解体術6、隠密9、
称号:格上殺しビッグイーター、捕食者、おかあさん、森の暗殺者、熊殺し、精霊と歩むもの
おおー、リス君が従者になってる。
「お前、私と一緒で良いのか？」
「キュッ！」
これは肯定かな？心強い相棒が出来たぜ。
うへへっ、これは嬉しい、この子が居れば百人力だぜ！
だって、こんな小動物がずっと一緒だよ？ニヤケ顔が止まらないウヘヘ。
「おっと、そういえばお互いに名がないのじゃったな」
ニヤケ顔が収まらず口調が崩れてしまった、感情の制御が出来ないのか俺は。
「まぁ、二人だけじゃし良いか。のう？ここでひとつ、我々の名を決めんか？」
「キュッ！」
肯定か、なんかいいのを考えてやろう。
「んー、ディーナというのはどうじゃ？」
「キュッ！」
肯定か、よしなら今日から君はディーナだ！
【従者の名前が設定されました】
そんなアナウンスもするんですね、お疲れっす。
さて、ディーナは決めたけど、問題は俺なんだよなぁ…
自分で自分の名前を決めるのはなんか抵抗あるしなぁ。
「キュッ！」
「ん？なんじゃディーナ？」
ディーナは俺の肩から降りて目の前の木を叩いた。
「その木に何かあるのか？」
「キュッキュッ！」
んー、なんだろ？
とりあえずなんかあるっぽいし、鑑定してみる？
【ロアの木】
ロアの木か、へぇ。
「ディーナはこの名前を私にくれるのか？」
「キュッ！」
そうか、よしわかった！
今日から俺は、ロアだ！
ディーナがせっかく決めてくれたんだ、名乗らないわけがない！
「ありがとうな、ディーナ」
「キュー！」
【名前が設定されました】
これで名無しのダークエルフは卒業だな。
心機一転、始めますかね、ディーナと一緒に！
……………………さしあたってはコミュ症を何とかしたいな(笑)
名前:ロア
種族:ダークエルフ
レベル:125
性別:女
従者:アクアリス（ディーナ）
スキル:鑑定10、家事10、投擲7、暴食の王EX、断絶の牙EX、格闘術8、短刀術10、解体術6、隠密9、
称号:格上殺しビッグイーター、捕食者、おかあさん、森の暗殺者、熊殺し、精霊と歩むもの
