暴食VS龍姫 其の二
あいもかわらず短いですよ?
まぁ、暇を見て書けるしすぐ読めるのお気軽に読んでもらえるんじゃないかなって…ね?
「何故だ、直撃のはずだっ!」
完全な不意討ち攻撃をあっさり避けてるアンタの方が驚きだよ!
「なに、ちょっとばかり特別製の服なだけじゃ」
そう、あの時は結構ヤバかったけどフェラガイが機転を効かせてくれてね。影で全身を包み込んで襲いかかる炎を丸呑みにしてくれたんだよ。
いやー助かった、流石フェラガイ!家の子偉い!
ちょっと言いにくいから今後はフィーちゃんと呼ぼう、ほら名前だけは可愛くね?
「たかが服程度で妾の炎を防ぐだと?いや、待て、………そういうことか?」
なんだ?なんか勝手に考え出して勝手に答え出した的な独り言か?
『おい!さっきはヒヤヒヤしたじゃねぇか、あんなことが出来るんなら最初からやれ!』
「仕方なかろう、忘れとったんじゃ」
『魔王の権能何てものをどうやって忘れるんだよ!』
ん、魔王の権能?
「まて、魔王の権能ってなんじゃ?」
『あ?お前さんそんなことも知らなかったのか、魔王の権能ってのは其の名の通り魔王の使う能力のことだ。お前さんの持つそれは、そのなかでも強い力を持つ大罪の権能。並の力じゃ対抗にすらなんねぇ代物だ』
……そうなの?
「なるほど、妾の予想は当たっていたと言うわけか」
おっと、詳しく聞いていたらあちらさんの準備が完了してたか。
ただ、さっきよりも嬉しそうなのは何なのかな?
「いやはや愉快愉快、本当に加減の必要が無いとは。貴様は面白いなぁ?」
ん?
「ユバーヘープリヒ…」
プリシラがそう呟くと、彼女の右手が歪んだ。
いや、歪んだのは回りの空間らしい。現に歪みのなか何とも無さそうにソレを取り出したから。
ソレはその身を越えるほどの大斧だった。
柄だけで俺ぐらいあり、本体は俺よりデカイ。
三枚の刃が歪にくっついており、本体には不気味に笑っているような口がついていた。
全体的に黒く、全体に張り巡らされた血管のようなものが時々脈打っている。
ソレを見た瞬間、全身を寒気が襲った。
「驚くことはないだろう?妾も咎人だったということだ」
その巨大な斧を片手で軽々と構え、プリシラは邪悪な笑みを浮かべた。
「改めて名乗ろうか、妾は誇り高き赤龍人の姫にして傲慢の咎を持つ魔王、それで、貴様は?」
「………ロア・フェラガイ、暴食の魔王」
「ほう、暴食か。まあどうでもいいか、どうせここで貴様は妾に潰される。精々退屈させるなよ?」
そうして邪悪な笑みを崩すことなく、プリシラは巨大な斧を降り下ろした。
次の更新は10/5の予定です
今後はよろしくお願いします。




