新しい仲間は喋る本でした。
どうもっ!
貰い物の本が突然喋りだしてビックリしたダークエルフのロアです!
『おいどうした?契約しねぇのか?』
喋る本は暇なのか、器用にクルクル回っている。
てかどうやって動いてるの?
「お前と契約したら、なにか良いことがあるのか?」
『ほう?流石に怪しいと思うぐらいの知力はあるのか。』
失敬な。
『利点といやぁ、このオレサマが読めるようになるってのが1番だろうな。オレサマはこう見えてスゴい魔導書でな、普通の魔法とは違った魔法が扱えるようになる。』
「違った魔法?」
『ああ、この世界の魔法は基本的に自分では確認出来ない魔法スキルの有無で使えるかが分かる。オレサマの居たグリムではどの魔法が使えるのか鑑定する魔法ってのが使えるやつがいてな、唯一魔法スキルを誰でも知ることのできる方法がそれだ。』
ほう?そんな人がいたのか。
俺はもう自分で見れるけど。
『でだ、そんな魔法とオレサマに記されている魔法がどう違うのか。簡単だ、スキルには無い魔法が載っているんだ。』
「スキルには無い魔法?」
『そう、この世界が始まってから存在する忘れられた魔法、黒魔法だ。オレサマには黒魔法が載っている。』
おおー、黒魔法!
RPGとかなら良く聞く名前だ。
攻撃魔法とかがそういう類いだと思ってたけど、実際はそうじゃないんだな。
『まぁ、それ以外にも自分が知りたいことが載っているページってのもあるがな。』
そっちのがスゴくね?
『まぁ、オレサマについて簡単に言ったらこんなところになるかな。正直読んだ方が早えぇよ。特にデメリットも無いしな。あ、オレサマか五月蝿いとかそう言うのはデメリットじゃねぇぞ?喋る本ってのがオレサマのアイデンティティーだからな!ギャハハハハハ!』
ふむ、別に契約しても良いんじゃないかな。
別にこいつの言うこと全部を信じたわけじゃないけど、中身は気になる。
好奇心猫を殺すとは言うけれど、旅の仲間が増えるのは良いことだしね。
………黒魔法も興味あるし。
「契約って、どうすれぱ良いんじゃ?」
『お?やる気になったか、まぁ難しいことじゃねぇ。オレサマに名前を付けて、お前さんの名前を教えてくれりゃあいい。』
「名前かぁ…。」
どんなのにしようか、ディーナに付けた以来だからなぁ。
本だよなぁ、まぁ安直だけどこれにするか。
「ディブロはどうじゃ?」
『ディブロ?なんだそりゃあ、聞き覚えの無い響きだな。』
そりゃあ元の世界の言葉だもん、無いわな。
『ディブロか、まぁ悪くないな。今日からオレサマはディブロだ。で、お前の名前は?』
「ロアじゃ、ロア・フェラガイ。」
『ロアか、これで契約は終了だ。』
「なら、もうディブロの中を見れるのか?」
『おう、契約したから閲覧は可能だぜ?』
俺は本を、ディブロを手に取る。
中を開いてみると、確かに文字が浮かんでいた。
確かに読めるようになっているみたいだ、ただ…。
「石でゴーレムを造る方法?」
『いい忘れてたが、最初から強力な魔法は使わせないぞ?まずは初級からだ、精々頑張れよ?ギャハハハハハ!』
思わず地面に叩きつけてやった、このやろう。




