VSドラン ~その2~
どうもっ!
平原へミミズをぶん投げて全力攻撃と考えていたらチノリを取られて毒撒かれたダークエルフのロアです!
うーん、空気が苦いッ!
何だか少し目に染みるし、正直辛いっす……。
あ、ディーナは大丈夫か!?
肩を見てみると水の玉で頭を覆ったディーナと目があった。
え、それで大丈夫なの?
ディーナは返答変わりと言わんばかりに尻尾を振った。
……まぁ大丈夫なら良いんだけど。
俺はミミズに向き直った。
勝ち誇っているのか、状況的にそう見えるのか分からんが、ミミズが嬉しそうに笑ってるように見える。
なんかスゲェムカツク、ミミズ風情がなに笑ってんのよ。
そりゃあ畑だったりにはなくてはならない存在かもしれんが、毒撒くミミズなんてどこにも重宝されんぞ!
ミミズは俺が毒で苦しんでるように見えたらしく、好機とばかりに牙を剥いて襲って来やがった。
はっ!残念だったな、俺は何故か毒や病気は効かないぞー!
………多分、スキルのお陰だよね?
俺は襲いかかるミミズの懐に入って思いっきりアッパーをかましてやった。
「グギャウッ!?」
そんな声なのかなんなのか分からない音を出しながら(そもそもこいつに発声気管があったことに驚きだが)スゴい勢いで地中に潜った。
今まで一回も悲鳴?をあげなかったのに……、やっぱりこの籠手のお陰?
ありがとうメイリ!そしてありがとう!
これなら何回か殴ってればそのうち致命傷になるよな?
なんだアースドラゴンっていっても所詮ミミズ、警戒して損したぜ。
まぁ?俺に毒が効かないのも大きいだろうけど?
え?フラグ?
まさかまさか、そんなそんな。
……念のために気合いを入れ直しておこうかな、フンヌッ!
俺が気合いを入れると、体からふたたび青い迸りを立ち上らせた。
ふむ、これでよし。
この技に名前無いんだよなぁ、なんかつけるか。
よし、魔人モードとしよう。
なんか思い付いたからそうしよう。
そんな風にのんきにしていると、地面が揺れだした。
心なしかさっきまでよりも大きいな?
俺の真下からでもないし、なんだ?
答えはすぐに出た。
大きな地響きと共に大地が割れ、そこから大きな影が現れた。
そいつは岩盤の鱗を全身に纏い、四本の足で大地を踏みしめ、六対の翼を天に掲げ、重々しくその首を上げた。
頭には二対の角、そいつにふさわしい双眸は見当たらず、代わりに眉間の辺りに鋭くこちらを見抜く一つ目があった。
これは、あれだ。
まさしくファンタジーの王道。
もとの世界で言うところの西洋の竜そのものだった。
さっきまでのミミズとのお遊びとは違う威圧感のある眼光。
常人が目にすればそれだけで死にそうな化物。
それが俺の目の前にいた。
俺は何も言えなかった。
目も離せなかった。
でも、それは突如現れたのがこの竜だからじゃない。
それだけならもう少しリアクションできた。
でも、この衝撃はリアクションするよりもまず唖然となる。
その理由はこいつのステータスだ。
俺はこいつが出てきたときに看破を発動させていた。
それで出てきたものがこれだ。
ドラン
レベル901
種族:アースドラゴン(魔王)
スキル:魔王の覇気EX、逆鱗EX、大地の加護EX、看破10
味:好みが分かれる
状態:逆鱗、大地の加護
うん、こいつ、さっきのミミズなんだよ。




