先人の教え、激流に身を任せどうにかする
私は佇んでいた。
特に何でもなく、何かしていた訳でもなく、ただぼうっと立っていた。
不意に後ろが気になった。
理由なんてない、何故か気になったんだ。
そして私は振り向いた。
何でもない、普通に、自然体で、何の感情もなく。
その時だ。
パキッ
どこからか音がした。
何処だろうと探した、けど探せなかった。
不意に激痛が走った。
私は突然力を失い、その場に倒れた。
何が起きたのか分からない、私は振り向いただけなのに……。
その後、病院に行ったらぎっくり腰と言われた。
※昨日の本当にあった出来事です。
皆さん、腰を大切に………。
どうもっ!
ロアです!
いつもより短い?
仕方ないじゃんか、だってさぁ……。
「なんでこのミミズは私を追いかけてくるんじゃぁ!?」
絶賛一つ目のオバケミミズに追いかけられてるんだもん。
てか、なんなのよ!
ドランとか言う名前の癖にミミズって!
しかもキモいし!
全身から鳥肌がたちまくりだよ!
最初はそうでもなかったんだよ?
でも、初撃で城に突進してきたから蹴り飛ばしたのよ。
うん、その時点でおかしいんだけどさ。
蹴り飛ばしたらターゲットが俺に変わったみたいでね、絶賛追いかけっこって訳さ。
ん?
蹴ったらそうなるだろって?
蹴らなきゃ城が壊れるじゃん、ミミズの突撃で。
まぁ、逃げてる間に街も壊れてるんだけどさぁ。
不味いよなぁ、避難が出来てそうな場所を走ったけど。
どうにか街の外にミミズ畜生を出したいなぁ。
そういえばこいつ魔王だよな、ステータスどうなってるんだろ。
看破してみるか。
ちらっと後ろを見ながらキモいミミズを看破してみた。
ドラン
レベル901
種族:アースドラゴン(魔王)
スキル:魔王の覇気EX、逆鱗EX、大地の加護EX、看破10
味:好みが分かれる
……ちょっと待って、色々言わせてほしい。
先ずは上からね、レベルが高い。
なんなの901って、俺625だよ?
くっそ高いじゃんか!インフレおかしいですよ!
次に種族、お前ドラゴンかよ!?
その見た目でドラゴンかよ!?
嫌だ、ミミズをドラゴンなんて認めたくない!
そしてスキル!!
なんなのそのEXオンパレード!?
しかも看破までもってて俺よりも高いじゃんか!
見た目に反して強くない貴方?
ついでに味……。
なんだよ、好みが分かれるって。
そんな曖昧な表現まで網羅してんのか看破スキル……。
さて、ちょっとマジで行こうか。
ここまで相手が格上なのは正直意外だった、ミミズと侮ってたしね。
ここからは油断なく、全力で何とかする!
相手が看破を持っているということは俺のステータスが見られてると考えた方か良い。
スキルだよりは危険かな?
そもそもこいつが意思を持ってるのか全く分からんけどね。
喋らないし。
蹴っ飛ばせたってことは身体能力では多少張れるってことかな?
竜王の籠手はどうだろうか?
メイリにもらったこいつはドラゴンによく効くってあったはず。
あ、あと街から離す方法を考えないとな。
うーん、被害ありでなら苦労はないんだが……。
どうせならカッコよく行きたいよね!
俺は逃げるのをやめて巨大なミミズに向き直る。
普通に蹴り飛ばせたんだ、行けるはず!
俺は全身に力を込めた、魔力ではなく、元々体に宿っている力を全身に流した。
ふふっ、魔法が効かない相手が来たら詰んでしまうからな。
山暮らしをしているときに特訓して魔力以外の力を得たのさ!
いうなれば『気』だ。
魔力を操るなら想像力が豊かであれば、ある程度出来る。
しかし、これは自分の体から練り出している気合い的なもの。
結局のところなんなのか分かってない!
『そう言うものなんだ』と思っとけば良いのさ!
でだ、それで何をするのか。
気で全身を覆い、自分の身体能力を倍にするのさ!
言ってみれば界○拳、何故だか赤じゃなくて青いけど。
まぁ、格好いいから良しとする!
さて、俺が止まったので当然ミミズとの距離が縮む。
ミミズは構わず俺に向かって全速力でやって来る、まだだ。
もう少し引き寄せて……。
ミミズがもう目と鼻の先まで近づいたときだ、ミミズの先端が裂けて大きな口が現れた。
お前口あるのかよ、しかも俺を喰う気かよ。
一応、俺も魔王なのよ?
しかも食べる専門の。
そんな俺が喰われてやるわけねぇだろ!
俺はミミズの突撃を紙一重で交わした、正直ちょっと怖かった。
俺はすかさずミミズの頭を掴んだ。
なんかグニィって感触がとっても気持ち悪かったけど我慢した。
あとはこの流れに乗って全力で…。
「飛んでけッ!!」
全力でぶん投げるッ!
これぞ秘技怪獣一本背負い!
憐れミミズは自分の力と俺の全力投球を止められず、思ってたよりも良い感じに弧を描きながら街の外の方へ飛んだ。
………魔王を空に飛ばすのって2度目だなぁ。
おっと、呆けてる場合じゃなかった。
本来なら撃退したからサヨナラなんだけど、今回はそうもいかんよな。
しっかりと倒してみますか。
らしくないなぁ、とか思いながらも俺はミミズの方へと跳躍した。
たまには良いじゃない?
魔王が何かを守ってもさ。




