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暴食魔王の食べ歩き  作者: 因幡之黒兎
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閑話 僕が勇者になった訳 その3

結構長い話になっていく勇者のお話


困ったなぁ




僕たちが振り返ると白くて半透明な女性がふわふわと浮いていた。


「アリア、何あれ。」


「………。」


アリアが反応しない、どうしたんだろう。

アリアの方を見てみると、何故か目を反らしていた。


「アリア?」


「なによ。」


「なんで目をそらしてるの?」


「反らしてなんか無いわよ?で、なにか聞こえたの?私はなにも聞こえなかったわ。」


「え、いやいや、あの白いのアリアの事すごい見てるんだけど?」


「知らないわ、そんなの見えないし、白い女性がふわふわと浮いているなんて見てないし?」


見えてるよねそれ。


『あのー?』


「なによ?ひっ!」


とっさに反応してしまったのか、小さな悲鳴を上げて、また目を反らしていた。

もしかして、こういうの苦手だったのか。

知らなかった。


「アリア、これはアンデット系のモンスターって考えるんだ。そしたらいくらかマシにならないかい?」


「アンデット…。」


それを聞くとアリアはスゴく深く深呼吸をしていた、そんなに怖かったのか。


「よし!それで、私たちに何のようなのアンデットさん?」


『アンデット……。』


ショックを受けていた。

悪いことをしたかもしれない。


『ま、まずは自己紹介を致します。私はモイラ、あなた方から言うところの先代の勇者です。』


「先代の?」


「勇者?」


先代の勇者の亡霊?それともやっぱりモンスターで僕らを騙すつもりなのか?

何はともあれ警戒した方がいいんじゃないのかな。


「で、先代の勇者が何のようなのよ。」


え、そんなにあっさり受け入れるの?

その答えは予想外だったのか、白いの、先代の勇者とやらも驚いていた。


『あ、えーと、先程この石に触れたとき、手に跡がついたと思います。』


「ついたわね、すっごい熱かったわ。」


アリアは先程跡のついた手を見せてきた、うわぁ、結構はっきり跡がついてるなぁ。

何となくハートっぽく見えるのは気のせいかな?


『すみません、それは勇者の証です。』


「「へ?」」

















「つまり、私たちがやってたのは勇者選別の儀式ってことね?」


『はい。』


先代の勇者からの話を聞いてみると、僕らがやってたのは勇者選別の儀式ってことらしい。


「で、私が当代の勇者って事?」


『そうなります、貴女にはそれだけの素質がありました。』


確かにアリアは強いし、基本的には優しい。

まさか勇者の素質があるとは思わなかったけど、ずいぶん遠くになったなぁ。


「勇者になるとなにか良いことがあるの?」


『えぇと、その勇者の証は受け継いで行くものでして、今までの勇者の力がこもっています。そして貴女が真の勇者に近付く度に過去の勇者たちの力が使えるようになります。』


「へぇ?それは凄そうね。それで、なんで今さら新しい勇者が必要なのよ。勇者が居なくなってだいぶ経つんだけど?」


『はい、実は邪神を縛っていた封印が解けそうなのです。』


邪神?

邪神っておとぎ話に出てくるあの邪神?


「なんで邪神が出てくるのよ。」


『勇者とは、代々邪神を打倒する為に選ばれる救世主なのです。』


そうだったのか、だとすると今までの勇者はそれを失敗してきたってことじゃ……。


「つまりはこう言いたいのね?邪神が復活しそうだから何とかしてほしいって。」


『まぁ、そうですね………。』


先代の勇者は物凄く申し訳なさそうだった。

いきなり邪神を倒してくれれなんて、普通いえないよね。


「よし、分かったわ!」


『はい、無理は承知の上ですが、これも世界の…って、え?』


え、またそんなにあっさり。


「面白そうじゃない、ファンタジーの王道よね勇者って!」


ふ、ふぁんたじー?

王道?

時々アリアはわからない言葉を使うなぁ。


「本気なの?死んじゃうかもしれないじゃないか!」


「大丈夫、何とかするわ。私が何とかするって言って何とかならなかったことあった?」


「うっ…。」


そりゃあ無かったけど、心配なものは心配じゃないか。


「それに、オスカーが危なくなったら止めてくれるんでしょ?いつもみたいに。」


「え、僕もいくの?」


「当然じゃない、私たちの旅の目標が決まっただけで、旅自体はこれからなのよ?」


「えぇ…。」


「大丈夫!私が守るから!」


ドンッと無い胸を叩いて自信満々にそう言った。


「ん?今失礼なこと考えなかった?」


「そ、そんな事無いよ?」


「ふーん?で、どうするの?」


「本当は嫌だけど、アリアを一人で行かせると絶対問題を起こすから、行くよ。」


伝えたいことも、伝えたいしね。


「よし!決定ね!それで先代?その邪神とやらは何処にいるの?」


『えぇ、それは、その……。』


ん?突然先代の勇者の歯切れが悪くなったぞ?


「なに?分からないの?封印が解けそう何でしょ?だったら早く行って倒した方が良くない?」


『その通りなのですが……そのぉ。』


「なにか不都合があるんですか?」


「邪神の居場所分からないの?覚えてないの?ボケが始まったの?怒らないから言ってみなさい?」


アリア……、それは言い過ぎだろう。


『本当に怒らないでくださいね?』


「さっさと言わないと怒るわよ?」


覚悟を決めたのか、先代の勇者はゆっくりと口を開いた。



『邪神の封印されている場所は……………、ここです。』


そういって先代の勇者は、今この場所を指差した。






「「はぁ!?」」






次ぐらいで勇者の話が終わる……はず。

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