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暴食魔王の食べ歩き  作者: 因幡之黒兎
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閑話 僕が勇者になった訳 その2

ここはどこだ?


僕は確かアリアに押し倒されて後頭部を……。


「オスカー起きた?」


目を覚ますと横にアリアが居た、というかここはどこ?

なんでガタガタ揺れてるの?。


「ねぇアリア、僕は自分の部屋で気絶したと思うんだ。」


「そうね、オスカーは床で頭を打ってそんなことも忘れたの?」


そうか、自分の部屋で気絶したのはあってるのか。


「ならここは何処なのさ。」


「馬車よ?」


「なんで僕たちは馬車に乗ってるの?」


「そりゃあ勇者の洞窟へお参りするためじゃない」


さも当然だろうという表情で見られた。


「僕が聞きたかったのは、なんで気絶してる僕がここに居たのかとかなんだけど?」


「私が乗せたのよ、一緒に村から出るんだから当然でしょ?」


「当然って…。」


「私も本当はすぐに街に行きたかったのよ?でもしきたりだから行ってこいって言われたのよ。」


そういってそっぽを向いた。

あー、確か村の子が旅に出るときは勇者の洞窟へお参り出来ないと行かせて貰えないんだっけ?


「勇者の洞窟って、魔物もいるんだよね?」


「当然でしょ?だから基本的に立ち入り禁止なんだから。」


「危なくない?」


「大丈夫よ。」


そう言うと自信満々な顔をしてこちらを見てきた。


「オスカーは私が守るもの!」


それはそれは、男として情けない限りでありました。













勇者の洞窟へついてからは、本当に守られっぱなしだった。


というか、出てきた魔物をアリアが見つけ次第倒していただけで、僕には気付くことも出来なかっただけなんじゃないかな。


「やっぱり大したこと無いわね、数ばっかり多いだけのただの案山子ね。」


アリアは退屈そうにそう言うと、また歩きだした。

それができるのはアリアだけなんじゃないかな。


「この角を曲がれば勇者の墓標があるはずね。」


「え?どうして分かるの?」


「昔忍び込んだのよ。」


「えぇ………。」


もはや呆れて物も言えなかった。

ただまぁ、アリアなら大丈夫か。


「着いたわよ。」


そう言われて前を向くと、今までと違い広い空間が広がっていた。

その広間の奥に立派な墓石が立っていた。


「あれが勇者の墓標?」


「らしいわよ?」


近付いてみると、やっぱり立派な墓石だなぁ。

なにか書いてあるけど全く読めなかった、どこの文字だろう。


「全く、バカな事書いてるわよねぇ。」


「え!?アリア読めるの?」


「え、えぇ。読めないの?」


「まったく。なんて書いてあるの?」


「えっ、えーっと、この石に触れたら勇者になれるよって?」


「ずいぶん軽いなぁ。」


「と、とにかく!とっととお参りして帰るわよ、確かこれに触って祈るんでしょ?」


「触ると勇者になるんじゃないの?」


「そんなの冗談に決まってるじゃない、ってあっつ!?!?」


突然墓石に触ったアリアが半泣きで飛び退いた。


「この石熱い!」


「え?全然熱く無いんだけど。」


僕も触ってみたけど、ひんやりして気持ちいいぐらいだった。


「そんなわけ無いでしょ!ほら、手に跡ついてるじゃない。」


向けられた手のひらを見ると、確かに不思議な形をした火傷の跡がついていた。


「…この石壊してやろうか。」


「やめてあげてよぅ!?」


このままここに留まっていたら、本気で墓石を壊しかねない。


「ほら、一応お参りは出来たんだから戻ろう?」


「……オスカーがそう言うならしょうがないなぁ。」


アリアは渋々といった感じで従ってくれた。

危なかった、これで墓石の平穏は守られたな。


僕もアリアに続いて戻ろうとした、そのときだ。


『お待ちください。』


突如後ろから声が聞こえた、さっきまで誰もいなかったはずだよね?

アリアと僕が同時に振り向くと……。



そこには白い女性がふわふわと浮いていた。





勇者編の終わらせ方が思い付かない、ヤバい


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