捕まる魔王は借りた猫のように大人しくするのか?
どうも!
突如兵士に囲まれて下手に抵抗すると攻撃されるかも知れなかったので、大人しくドナドナされることにしたダークエルフのロアです!
現在は兵士さんたちと馬車で相乗りでございます。
いったい何処に連れていかれるんだろうか、聞いたら教えてくれる?
「あのー、いったいどこr「喋るな、黙って乗っていろ!」……。」
怒鳴られた、兵士恐い。
黙ってって言っても暇なんだし、状況説明とかしてくれたらいいのに。
ちなみにディーナは透明になって肩に乗ってる。
そんなこと出来たんだね、ついでに俺も透明にしてくれたらいいのに。
ドナドナされてからしばらくすると、外の景色が変わった。
どうやら街に入ったようだ。
ここが目的地か?
てか窓狭すぎんよ、もっとよく見せてー。
ギロッ
ソワソワしてたら睨まれた、兵士恐い。
突然馬車が止まった。
「出ろ。」
兵士に言われるがまま馬車を出ると、そこはお城の前だった。
え、マジでここどこよ?
「歩け。」
背中を小突かれて仕方なく前を歩く兵士に付いていく。
俺一応女の子ですよ?もう少し優しくできませんか?
そのまま連れられるままにお城へ入る。
中へ入るとすぐに階段を降りた、おや?なんかやな予感。
石造りの階段をしばらく降りると、そこには牢屋っぽい鉄格子のはめられた牢屋っぽい鉄の扉のある牢屋っぽい部屋がいくつかあった。
てかこれもう牢屋だよね!?
その中の一番奥、扉が黒い部屋へと案内された。
「入れ。」
兵士がとっても恐い目をしていたので渋々そこへ入る、やっぱり牢屋だよね。
だって鎖はあるし汚いしベッドが付いてるだけマシなのかなって考えるほど何もないし。
なんてことを考えてたら、扉を閉められた。
「ここでしばらく大人しく待っていろ。」
そう言うと兵士たちは去っていった。
客の扱いじゃないよなぁ、俺そんな悪いことしてないぞ。
「ディーナ?」
とりあえずディーナを実体化させてベッドに座る。
だって基本的にベッド以外汚いんだもん。
「これからどうしようかのぅ?」
「キュー?」
ディーナが首をかしげる、可愛い。
ま、ディーナが居るから寂しくはないもんね。
ディーナの耳をクリクリしてやった、ちょっとくすぐったそう。
はぁ、ディーナ可愛いよディーナ。小動物万歳!
大人しく待ってからどのくらいたっただろう、なかなか兵士が戻ってこない。
まぁ、ヤバそうだったらどうにかして逃げよう。
「キュー。」
不意にディーナが辺りを見渡した、どうしたの?
不思議に思ってディーナを見ていると、突然水の玉が現れた。
ディーナの魔法か?
ディーナはその水球を床に下ろして動かし始めた。
どういう仕掛けかわからないが、水球の通ったあとがピカピカになっていた。
おお!なんかルンバみたいだな。
ディーナもこの汚さに我慢できなかったのか、仕方無いね。
水のルンバにより瞬く間に牢屋が綺麗になった、ルンバに溜まった汚水は牢屋の隙間から出ていった。
素晴らしい、流石ディーナ。
ピカピカになった牢屋は、なかなか良いものだ。
掃除されるだけでここまで違うのか。
これならまだここで待てるな。
そして俺は兵士たちが帰ってくるまで、ベッドの上で体育座りをしてゴロゴロと遊ぶのだ。
早くかえって来ないかなぁ。
とうとう45話まで書いてしまった。
まさかこんなに続くとは……。




