続、ある日森のなか
特に森では出会わない
どうも!
自分の影との対話を試みて、いい感じになったダークエルフのロアです!
いやぁ、バカでよかったよ。
単純じゃなきゃどうしようかと思ったよ。
流石は俺!
だから目から出てるのは汗だもん。
涙じゃないもん、グスン。
さ、さてっ!とっとと下山して人を見てみよう。
あの対話が無駄かどうか、検証だ!
下山して、現在街道横の木陰に隠れて覗いているダークエルフが一人。
俺だよ!
てか、まさか街道で人が通らないとは思わなかった。
結構待ってるのに人っこ一人通らねぇ。
行商の馬車とかが通るかと思ってたのになぁ、やっぱり街に行くしかないのか。
でもなぁ、身に付けてるもの以外置いてきちゃったんだよなぁ。
絶賛無一文、アマゾネス生活に逆戻りだもん。
腹の破れたコートとハーフパンツに腹の出る服、涼しいけどね、お腹の紋章丸見えなんだよなぁ。
さらに言えば、現在どの辺りにいるのか全く分からないんだよなぁ。
アーシェからだいぶ離れた森に入ってウロウロしたし、地図も置いてきたし……、あれ?迷子?
「人、来ないのぅ。」
「キュ。」
チラッと肩に乗るディーナを見るとシャボン玉作って遊んでいた。
キミ従者なんだよね、なんか扱い雑になったよね。
まぁ、確かに暇だし。
草でも食うか。
草を食いながらシャボン玉で遊んでいたら、待ちに待った馬車が来た。
待っていたぜこの時を!
早速木陰に隠れて覗いてみる。
二頭の馬に引かれて走る馬車、それを操るおっさん、流石に中に誰がいるかは分からんな。
どうだ?変化あるかな?
……
………
……………
よし!特に沸いてこない、どうにかなったか?
フェラガイも特に反応なし、よしよし、これでまた街に行けるか。
そういえば、この馬車どこいくんだろうか。
街に行くのかな?
なら、この道を歩けば街に着くかもしれんな。
馬車が通りすぎたら、ついてってみよう。
ふんふんふーん♪ふふん♪ふふーん♪
なんて鼻歌歌いつつ馬車の通った方へ街道を進む。
んー、街にに入ったらまたギルドへ登録してお金稼いで美味しい物食べたいなぁ、次の町はどんなとこだろうか。
そんなことを考えていた、その時だ。
「いたぞー!いたぞー!」
林からチェーンガンとかぶっぱなして来そうな台詞を吐きながら、甲冑を纏った兵士が100人ほど俺に突撃してきた。
って何事!?
驚いてる間に、瞬く間に囲まれてしまった。
「貴様が魔王か、ようやく見つけたぞ!」
代表っぽい兵士が俺を指差しそう言った。
なんだよぉ、なんもしてないだろぉ。
「おい!あれを使え!」
命令されたしたっぱが泥団子みたいなのを投げてきた。
なんだよ、精神攻撃か?
それは俺に効くぞ?
と、思ったら、その団子は形を変え、俺の手にくくりついたじゃないか。
「それは対魔王用の手錠だ、これでお前は魔法を使えない。」
なん…だと?
こんなボロいのが?
パキンッて壊せそうだけどなぁ、壊したら敵に見られそう。
「抵抗はするな、悪いようにはしない。連れていけ!」
それだけ言うと、兵士たちは俺を囲んだ状態で歩きだした。
いったいなんなんだよぉ。




