魔剣ガイツと魔獣フェラガイ
ロアのレベルをサイレント修正しました。
どうも!
見事なカウンターで形勢逆転したと思ったら、ヤバそうな剣を出されたダークエルフのロアです!
何がヤバイって気持ち悪い、脈動してるとことか笑ったように見えたとことかマジでキモい。
「驚いたか、これこそが俺様が強欲の王たる由縁。魔剣ガイツだ。」
やっぱり魔剣だったのか、強欲の由縁?絶対になんかあるな。
てか自分の名前をつけるとか、よっぽどお気に入りなんだね。
ま、警戒するに越したことないな、こんな世界だ、魔剣だってヤバイものだろう。
どうする?先手を打つのはヤバそうだよな、何してくるのか分からないし、とりあえずアクセル5倍しておこう。
これの利点は見た目が変わらないことだよな、どっかの誰かみたいに赤くならないし。
グリードが突っ込んできた。
瞬神を使った最高速の状態で剣を振ろうとしている。
だがまぁ、見えてるんだから避けてくれっていってるようなもんだよな。
「ロアさん避けて!」
オスカーの叫びと同時にグリードのスピードが上がった。
なんだよ、まだあがんのかよ!
腹を切られかけるが、コートが切られるだけでなんとかなっ!?
俺は唐突に襲ってきた吐き気に膝を折っていた。
なんだ、これ?
「如何かな?自分の力が奪われた気分は?」
力を奪われた?そういえば急激に腹が減ってる、さらに吐き気とか勘弁してくれよ。
「な、何をした?」
「奪ったのだよ、それこそがガイツの力。切り付けた相手から奪う能力。」
「避けたはずじゃが?」
「貴様は魔力を帯びてるじゃないか、それを奪ったに過ぎない。直接切られれば身動きとれんぞ?」
うわぁ、厄介だな。
アクセル使ってたら的がでかくなってるのか。
魔力を奪えるなら遠距離戦も無しかな?
近接攻撃は徐々に不利そうだし、流石にヤバイ。
「そらそら、休んでる暇はないぞ!」
グリードの奴は容赦なく斬りかかってくる、避けても魔力を少しずつ削られて、段々効果が薄くなってきた。
本気でヤバイ、斬られる度に吐き気に襲われるし!
腹は減るし、勘弁してよ!
あー、くそフラフラしてきた。
そろそろ限界、腹減ってるってことはレベルもだいぶ下がったんだろうなぁ。
何か食ったら少しぐらい回復するんだけどなぁ。
この状況で食いもんなんてないよ、クソ!
俺は悪態つきながらグリードの剣を避ける。
そろそろ直撃する頃だ、なんて恐ろしいもん使いやがるんだこいつ。
腹も減り、吐き気も限界になってきた時、俺は思い出した。
そういえば、魔王って美味いんだよなぁ。
アイツを少しでも喰えれば逆転の一手になるんじゃないか?
どうやって?
噛みつきにいっても斬られれば終わりだ。
この口は届かない。
タベタイ?
なんだ、なにかきこえるぞ?
とうとうおかしくなったか?
グリードの野郎は距離を取り、最高速で斬りかかるつもりだ。
くそ、それは避けられない。
タベタイ?
なんなんだよ、いきなり食べたい?とか俺の幻聴の癖にキャラ可笑しいぞ。
タベタイ?
あぁ、食えるもんなら食いたいな、相討ち覚悟でかぶり付いてやろうか。
ナラタベヨウ。
え?
その声を聞いた途端、吐き気が治まった。
グリードは力をためている。
俺は膝をついていた、終わりかな?
足元に目を落とすと…………。
俺の影から何かが見ていた。
その影はグリードの方へ伸びていき、グリードの左腕を食いちぎった。
「な、なんだと!?」
突然の奇襲に下がるグリード。
左腕を食いちぎった化け物は美味そうにその腕を咀嚼する。
その姿はおぞましかった。
その化け物には目と口と腕が無数に存在していたのだ。
たくさんある口がニクを咀嚼する。
ほどよく鍛えられた筋肉、コリコリとした軟骨、歯応えのある骨。
その感覚は俺に伝わっていた。
美味しい。
腹が満たされてく。
なんで?
その問いにはとっくに答えがあった。
あの化け物は俺だ。
【魔獣フェラガイとの契約が完了しました】
なにそれ、そんなのした覚えないんだけど!?
驚いて俺は自分のステータスを確認した。
名前:ロア・フェラガイ
種族:ダークエルフ (魔王)
レベル:620
性別:女
従者:アクアリス(ディーナ)
魔獣フェラガイ
スキル:看破6、家事10、投擲7、暴食の王EX、断絶の牙EX、短刀術10、解体術6、絶影10、格闘術10、魔王の覇気EX、
称号:格上殺し、捕食者、おかあさん、森の暗殺者、熊殺し、精霊と歩むもの、魔導師、災いをもたらすもの、魔王、王を喰らう者、暴食の魔王
従者増えてるしスキル増えてるし称号増えてるしフルネーム出来てるし!?
なんなのよこれ!フェラガイってなんだよ!
しかも名前に入ったし、これじゃグリグリと同じやん!
てか、魔王の覇気が出たってことは……。
「貴様、魔王だったのか!」
ほーらバレた。
勢いぷっぱ!




