さぁ行くぞ司会者よ、食料の貯蔵は十分か?
どうも!
お昼ぐらいまでオスカーをボコボコにしちゃった怪力系ダークエルフ魔王のロアです!
……なんか属性増えてきたな。
ま、まぁそんなこんなでオスカーとの訓練は一段落ついた。
結構ボコボコしちゃったけど大丈夫かな?
まぁ、殴ってたのは剣だけだけどさ。
そんなこんなでお昼になったのさ!
なんでわかったかって?そりゃあ…。
「ぐぅ~。」
「あぅ…。」
どこからともなく腹の虫、そして顔を赤らめるエルザ…。
この音で気付いたわけさ、お昼だなって。
「そろそろお昼にしますか。」
「そうじゃな。」
「あぅぅうー。」
「キュ。」
恥ずかしそうなエルザ可愛い、早くお昼にせねば。
はい、現在はアーシェの広場にいるよ。
宿屋の人が、今日は食べ放題のお祭りがあるって教えてもらったからみんなで行こうってなってね。
「食べ放題というか…。」
「ど、どちらかと言うと、お、大食い大会ですよね。」
だよねー。
エルザが少し怯えてるから側に寄せとこう。完全に男性恐怖症って感じだな。
屈強な男たちが列をなしてるのは確かに怖いけど。
「どうやら、優勝者への景品がエリクサーみたいですね。これなら誰だって欲しがりますよ。」
エリクサー?
エリクサーってあのMPやHP回復するやつ?
「あ、エリクサーというのは万病に効く薬です。とても高価なので、なかなか手に入らないんですよ。」
「へぇ、そうなのか。」
記憶喪失設定が生きてオスカーが説明してくれた。
ふーん?薬かぁ、あったらもしもの時に便利かもなぁ。
最悪俺が出れば貰えそうだよな、未だに限界があるのか分かってないし。
「のぅ?みんなで出てみるのはどうじゃ?」
「みんなで、ですか?」
「あ、あのなかに入るの、怖いです。」
「エルザは私と一緒じゃ、今日のお昼ってことで参加してみんか?」
こんな感じでダメかい?
「ロ、ロアお姉さんが一緒なら、いいですよ?」
エルザが上目遣いで了承してくれた、やめろ!その目は俺に効く!
「面白そうですね、僕も参加します。」
オスカーも参加してくれるようだ、ただお前そんなキャラだっけ?
受付を済ませて三人でテーブルについた、受付の時男たちに頑張れよーって笑いながら言われたが。
ふふふ、頑張るのは君たちの方さ!
受付で聞いたルールによると、制限時間は無しで、最後まで食べていた人が勝ちらしい。
ちなみに何が出るのかは始まるまで分からないから匂いで当てるしか無いそうなんだが、さっきからなんか覚えのある匂いなんだよなぁ。
「さぁ皆さん!お待たせしましたぁ!これよりアーシェ大食い大会を開会します!」
司会者が進行を始めた、ちなみに俺のパーティは俺にオスカー、エルザ&ディーナだ。
ディーナも参加の形が取れるらしい、精霊の参加者は初めてらしいが。
「今回の料理はなんと新作!どこの国にもない完全新作だ!思う存分食いまくれ!」
へぇ?新作なのか。こりゃ誰も当てれないだろ。
ゲテモノでなければ良いんだけどなぁ。
「今回の料理は、これだ!」
料理の蓋が開けられる。
そこには二枚のパンで野菜とハンバーグを挟んだかぶり付きたくなるフォルムの料理があった。
ってこれは!?
「なんだこりゃ?」
他の参加者は初めて見る料理に驚いていた。
「初めて見ますね。」
「うん、ロアお姉さん?どうしたんですか?」
「え、あ、いや、何でもないぞ?」
いや、何でもなくないんだけどね?
心底驚いてるけどね?
なんでこんなところにハンバーガーが!?
ジャンクフードなんてこの世界で食うなんて考えてもなかった、しかもこの匂いは照り焼き、俺照り焼き好きなんだよなぁ。
「これの他に、後二種類ございます。」
司会者の合図で他の皿も開けられる。
中にはハンバーグを鶏肉を揚げたものに変えてものや、ベーコンのものもあった。
素晴らしい、こんなところで食えるなんて感激だよ。
これは、食うしかない。
「では、アーシェ大食い大会、スタートです!」
司会者の合図でみんな一斉にナイフを持つ。
違うよみんな!これはかぶり付くものなんだよ!
まぁいいや、とにかく食べよう、満足るまで食おう。
では、いただきます!
「おおーっと!ダークエルフの彼女っ!グルメサンドにかぶり付いたぁあ!」
へぇ、グルメサンドが正式名か。
なんでもいいや、俺のなかではハンバーガーだ。
俺はあっという間にひとつ平らげ、二つ目を貰う。
それをみて他の参加者も真似をし始めていた。
モキュモキュ
んーウマイ!
このガッツリ食べる感じが懐かしい!
モキュモキュ
ベーコンもウマイ!
ここの料理人は腕がいいなぁ。
モキュモキュ
【レベルが上がりました】
お?久しぶりのアナウンサーじゃないか。
そういえば最近レベルあげてなかったなぁ、そんなに大量に食ってもなかったし。
モキュモキュ
モキュモキュ
モキュモキュモキュモキュ
モキュモキュモキュモキュモキュモキュ
「す、すごいです、ロアお姉さん…。わたし、もう無理。」
「キュ。」
おやエルザとディーナは満腹かい?
「美味しかったか?」
「はい!」
エルザはいい笑顔で答え、力尽きた。
ならばよし!
モキュモキュ
モキュモキュ
モキュモキュ
【レベルが上がりました】
「うぷっ、僕ももう無理です。」
オスカーもお腹一杯か、結構食ってたな。
やっぱり運動の後だったからお腹すいてたんだろう。
モキュモキュ
モキュモキュ
モキュモキュ
【レベルが上がりました】
フハハハ、いくらでも食えるぞ!
回りを見るとあんまり減ってなかった、みんな良く食べるじゃん。
俺って別に大食いじゃ無いんじゃない?
モキュモキュ
モキュモキュ
モキュモキュ
【レベルが上がりました】
……
…………
………………
どんぐらい食ったかな?
50個辺りから数えてなかったし、アナウンスが何回分あったかも忘れたなぁ。
またとんでもなく上がってたらどうしようか。
「さあ!残すところ後二人!前回チャンピオンの宿屋の亭主ダリィ!そして初参加のダークエルフのロアだ!」
え?後二人だったのか、てか宿屋の亭主!?なにやってんの仕事しろよ!
しかし、全然膨れないなぁ。
俺の胃袋どうなってんのよ、宿屋の亭主ならでかいしそのぐらい入るかって感じだが、明らかなキャパオーバーだよな俺って。
「嬢ちゃん、なかなかやるじゃねぇか。」
お、亭主が話しかけてきたぞ、随分余裕じゃないか。
「余裕じゃな?私はまだ食えるぞ?」
「はっ!俺だってまだまだいけるぜ!」
そこからは黙々と二人してハンバーガーを消費していた。
なんかもう、ちょっとしたワンコソバ感覚だよね。
出てきたの食ったら次が出て、また食ったら次が出てってそれの無限ループ。
さてさて、あとどのくらい食えるかな?
うー、そろそろ飽きてきたなぁ。
嬉しくってつい食べ過ぎたけど、こんなに食うと飽きるわなんだって。
そろそろ負けようかな、エリクサーは残念だけどレベルいっぱい上がったからいいだろ。
「ふっ、俺の……負け…………だ。」
隣で食ってた亭主がそう呟いて、ガシャン!と音をたてて崩れた。
て、亭主!!!
「し、しゅーーーりょーーーー!!!今回のチャンピオンは、ダークエルフのロアさんだぁあ!」
周囲からすれば意外な展開で、大食い大会は幕を閉じた。
そんなことはどうでもいいから、亭主!
なんか顔か青いんだけど!?誰か来てくれー!!
何かご意見等ありましたらお気軽に。
そして亭主の運命やいかに!!




