これが称号おかあさんの真価だ!
やったぜ!
ついに30話目だ!
どうも!
金髪の少女に抱きつかれておかあさんと呼ばれたダークエルフのロアですよ!
唐突なおかあさん呼ばわりに俺困惑、こんな大きな子はいません!
でだ、未だに抱きつかれている(さっきよりも強く)訳なんだが……。
どうしようか?
とりあえず頭を撫でてやろう、なでなで。
「んっ。」
気持ち良さそうな顔をして、また俺の胸にスリよってきた。
なんだこれ、可愛いなぁ。
妹ってこんな感じか?それとも娘?
なんでもいいや、とにかくこの可愛い生き物は即刻保護すべきそうすべき!
抱き締めてやりたい!いいかな?いいよね!?
だって今は女の子だし!やましい気持ちなんて無いし!
そーれ抱き締めちゃうぞー、さぁ!我が抱擁を受けとりたまえよ!
ぎゅーーー。
「んー、おかあさんー。」
あらやだわこの子ったら、なんつってな!
そんなに良いのかい?やはり胸か?おぱーいに包まれてあれってか?
「んー、ふにゃ?」
ふにゃ?
視線を落とすと、眠気眼でこっちを見ていた少女と目があった。
あらー、起きたの。
どうしようか、この状況。
目が覚めたら知らない所で知らないベッドで知らない人と一緒に寝てた…………。
んー、これはケジメ案件かな?
どうするどうする、何か言ったほうがいいか。
「お、おはようじゃ。」
「え、あ、はい、おはよう、ございます?」
困惑しながらも挨拶を返してくれた、やはり可愛いなぁ。
「えっ!?あわわわわわわわ、ご、ごめんなさいぃい!」
意識が覚醒したからか、急に謝りながらベッドを飛び出て部屋のすみで固まった。
あぁ、温もりが……。もう少し味わっていたかったなぁ。
「ど、どうしたのじゃ?怖がらなくても大丈夫じゃぞ?ほら、とりあえず深呼吸しよう、な?」
意識して出来るだけ優しく話しかける、もちろん両手は上だ。
それをみて少女は言った通りに深呼吸をしていた、これで少しは落ち着けばいいんだけど…。
「少しは落ち着いたか?」
一分ぐらい深呼吸したあと、落ち着いたっぽかったから話を切り出してみた。
「え、あ、はぃ。すみません。」
なぜ謝るのか、別に悪い事はしてないぞ?
俺もしてないぞ?………してないからな!?
「あの、ここはどこなんでしょう?」
「あぁ、ここは宿屋じゃよ。倒れていた君を見つけたからはこんできたんじゃ。」
「倒れていた………。」
あ、やべっ!思い出しちゃったか?
もっとオブラートに包めよ俺!
「あ、あの?もしかして男の人たちから助けていただきました?」
「えーと、そう言えなくもないと言うか……。」
「あ、ありがとうございます!すみませんお礼が遅くなって…。」
「い、いや、別にお礼を言われるほどでは無かったんじゃが。そもそも、なんであんなところにおったのじゃ?」
そう切り出すと、少女はゆっくりと事の始まりを語った。
「……と、言うわけで、彼らに襲われていました。」
「グスッ、ズビッ。」
「あ、あの、大丈夫ですか?」
「だ、大丈夫じゃ、少し、感極まっただけじゃ。」
話をまとめると、元々おかあさんと二人で森で平和に暮らしていたら、人さらいたちがきて、さらわれる際におかあさんを亡くし、この街に連れてこられ、あの男たちに買われたのだそうだ。
マジかよ!人さらいぜってー許さねぇ!
「ズビッ、辛かっただろう、もう大丈夫だからな?」
そういって、俺は少女を抱き締める。
別に下心は無いよ?辛いときはこうされるのがいいと思っただけ、あと人の心臓の音を聞いてると落ち着くとか聞いた気がするから。
「あ………。」
少し驚いたが、少女もそれを黙って受け入れてた。よーしよし、もう怖くないからね?
あ、そうだ。
「名前、教えてくれんか?」
「あ、すみません、エルザって言います。」
「エルザか、いい名前じゃな。私はロアじゃ。よろしくな?」
「はい。なんだか、不思議です。」
「何がじゃ?」
「ロアさんとは初対面だし、別に似てるわけでもないのに、おかあさんに抱き締められてるみたいです。」
え?そうなの?
んー、なんでだ?称号おかあさんの効果だったりしてな。
なんだ、母性全開みたいな?
「そうか、もうしばらくこうしてるか?」
「出来れば、お願いします。」
それっきり会話はなく、黙って抱き締めてあげた。
たまに頭を撫でてあげたりした、よーしよし、なんだったら好きなだけ俺の胸で泣いてもいいのよ?
ゆったりとした時間の中、二人の呼吸だけが静かに聞こえた。
目指せ目標300話!(え?)




