勇者失格!テメェは私を怒らせた!
財布を忘れて街まで出掛けたのは私です。
どうも~…。
流れ的に勇者を名乗るお馬鹿を助けてしまって付きまとわれているダークエルフ系魔王、ロアでーす。
さーて、あのバカ勇者どうしてくれようか。
そもそも勇者なのかよ本当に、ただの頭のおかしな子とかじゃないの?
あ、そうだよ。こんなときの看破さんじゃないか!
看破さん、お願いします。
…
……
………
あれ!?出来ないの!?
うへぇ、なんなのよこいつマジで。
勇者うんぬんよりも、こいつが何者なのか気になるわ!
まぁ、看破のレベルが足りないのかもしれないけどさ。
「ロアさん!着きましたよ!」
例のバカ勇者の声で現実に戻ると、すでに街の入口だった。
ここがアーシェの街かぁ。カインと比べると少し小さいかな?
でも、この街も綺麗でいい感じに見える。うん、いいじゃん。
「で、先ずはどこへ行くんですか?」
「…ギルドじゃ。」
「え、ギルドですか?もしかしてロアさんってギルドの方だったんですか?」
「まだしたっぱじゃがな。とりあえずグラトニーベア?の素材の換金をして宿を探す。」
「流石ロアさん、グラトニーベアを一人で倒されるなんて流石過ぎます。」
こいつは勇者じゃなくて太鼓持ちかなにかなのでは無いだろうか?
ま、こいつの事はほっといて、ギルドへ行ってきますか。
ギルド行って換金済ませました。
特に絡まれることなく何事もなかったよ、助かるわぁ。
で、ギルドで薬草採取の依頼を受け、手持ちにあったので速攻達成。現在はギルドで教えてもらった宿を探してるんだけど……。
「ここ、どこじゃ?」
「どこ、なんでしょうね。」
はい、迷いました。
誰だよ少し小さい何て言ったやつ!無茶苦茶いりくんでるじゃないか!
あ、俺か。
「どうしましょうか、完全に裏路地に入ってますよね?どうしよう、また盗賊や人さらいに襲われたら…。」
さして問題ないけど面倒ではあるよなぁ。
「ぐへへっ、おとなしくしなよねぇちゃん?」
あー、さっそく絡まれたか。
仕方ない、パパッと片付けますか。
って、あれ?いないじゃん、確かに声したんだけどなぁ。
良く見渡すと、金髪の女性が男たちに追い詰められていた。
「こんなところを一人でうろついてたアンタがいけないんだぜ?だからこうして俺らに食べられちまうんだ。」
「ひっ、た、たすけっ、て。」
金髪の女性は恐怖で声も出せないみたいだな。
よし、助けよう。
え?厄介なのは嫌なんじゃないかって?
バカ野郎!金髪美女のピンチに助けに行かないなんて選択しあるわけないだろ!
「ロアさん、どうやら人さらいのようです。今のうちに逃げましょう。」
こいつ、なにいってんの?
あーダメだ、こいつ、もうダメだわ。
「逃げるなら、一人で逃げろ。私一人で何とかするから。ただ、お前はもう勇者を名乗るな、そして二度と私に近づくな。」
「え、なんで……。」
本当にクズじゃないかこいつ。
こんなのが勇者な訳がない。
「勇なきものが勇者を名乗れるはずがないじゃろう?とっとと逃げろ!」
俺が怒鳴ると、オスカーは怯えた様子で逃げていった。
やっぱりダメだわ、勇者にはなれないよお前は。
そこで逃げた時点でアウトだよ。
俺の声で男たちはこちらの存在に気づいたみたいだな、また獲物が来た、今日は大漁だなどと口々に言ってる。
ははっ、運が無かったなお前ら。
今の俺は、すこぶる機嫌が悪いぞ?
俺は口から牙を覗かせると、ゆっくりと近づいた。
どうにか勇者を引き離したくて書いてたらこんなんになりました(笑)
そして勇者の性格が……というコメントで笑いました。
なんであんな性格になっちゃったんだろう(´・ω・`)




