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暴食魔王の食べ歩き  作者: 因幡之黒兎
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閑話 メイドのメイリの鉄面皮

番外編的なものを書いてみました。

良ければどうぞ(´・ω・`)

どうも

私はカイン家でメイドをしているメイリと申します。


え?ロアはどうした?

今回は私の話だそうなので次回ですね。


それはさておき



お昼の支度をしているとエリック様が血まみれで帰ってきました。

屋敷中それはもう驚愕いたしまして、いったいどうしたのかとメイド長に聞かれてました。


はい?お前がメイド長ではないのか?違いますよ?一介のメイドです。


それで、なんとエリック様はグラトニーベア三体に襲われたのだというではありませんか。流石に私も驚きました。


グラトニーベアといえばBランクの魔物ですので、ここの騎士たちでは歯が立たないでしょう。案の定全滅したらしいですが。


そこで疑問が浮かびます。

どうしてエリック様は助かったのでしょう?

話を聞きますと、熊の皮を纏った狩人に助けられたのだそうです。


グラトニーベアの出るような場所で狩人?冒険者でしょうか?


エリック様は明日にでもその方を屋敷に招待してお礼をしたいようです。

このカイン家は恩人に対しては恩返しせずにはいられない病気持ちなので仕方ないですね。











次の日。

エリック様が噂の狩人を連れて戻ってきました。

噂の狩人とは、なんとダークエルフの美しい女性でした。

私でも見とれてしまいました、いけませんね。

彼女はロアというお名前なのだそうで、今まで森で生活していたらしいです。

しかも世の中のこともまったく知らないそうで、これはそうとうお辛い境遇なのでしょう。

人さらいに遇ってショックで記憶喪失、なんてことになっているのではないでしょうね。

とりあえず、お泊まりになるそうなので先ずはお風呂を頂いて貰いましょう。

お風呂は森に無かったでしょうし。






現在、ロア様はお風呂に入っています。

古来よりお風呂にて裸のスキンシップを取ることにより親睦を深めたと言います。


これはチャンスなのでは?


自慢ではありませんが、私には友達と言えるものがいません。

他のメイドたちは、私が冒険者だった事を怖かってまったく親睦を深められませんでした。

………そういえば冒険者時代も一人でしたね私。


とにかく、ここでスキンシップをとってロア様を友達第一号にしたいところです。

ドアを開け、ロア様の方へ近づきます。

流石に突然入ってきたので驚かれてますね。

そこで気づいたのですが、ロア様はかなりスタイルが良いですね。

出るとこ出てて引っ込むところは引っ込んでる、女性としては理想的な体型です。


とりあえず、背中を流すふりしてスキンシップをはかりましょう。

先ずはこの巨大な胸から…………、これはスゴい柔らかい。

なんでしょうフワフワです。自分のと比べるのがおこがましいくらいですね。それでいて重力の逆らうとか、ちょっとおかしいです。

足とか腕とかはとても引き締まっていて、それでいて女性らしさを忘れていない。良い鍛え方です。

おっと、これは冒険者の癖ですね。

ともあれ、もう少しスキンシップを続けましょう。

なにか、口調が変わりましたがまぁいいでしょう。









食事を済ませ、ロア様への世の中の簡単な説明が終わりました。

やはりロア様記憶喪失のようです。

見た感じ同い年に見えますけど、どれだけ大変な思いをしてきたのか想像もつきません。

ここにいる間はゆっくりしていてほしいですね。






次の日


いつものようにお掃除をしていたら、鐘の音が鳴り響いて来ました。

何事かと聞いてみると、なんと魔王ベアードが攻めてくると言うじゃありませんか。これは流石に不味いです。

私はエリック様とともに前線へと向かいました。


そこには森から大量の魔物たちが向かってきていました。


あの量は無理です。っとそう思ったのもつかの間、視線を動かすとロア様が立っていました。

肩にはアクアリスのディーナ様が光ってました。

ロア様が手をかざすと、まるで洪水のような濁流が魔物たちを一掃していました。

私も含めた全員が唖然となりました。

あのような魔法は見たことも聞いたこともありません。

彼女は一体何なんでしょう。


そんなことを考えていたら、ロア様が森へ突っ込んで行きました。

って何をしているんですか!敵陣に突っ込むなんて自殺行為ですよ!?


私は全力で追いかけましたが、ロア様には全く追い付けず、ロア様は森へ難なく入り込みました。

他の魔物たちはロア様に反応できず、反応出来た私に矛先を向けました。


邪魔です。


次々に向かってくる魔物の頭を一撃で潰しながら進みます。

しかし、魔物が大半ロア様により潰されたといってもまだまだ数が多いです。なかなか進めません。

邪魔です、どいてください。








どのくらい戦ったでしょうか、ロア様が森から出てきました。

全身血まみれでしたが、怪我は無いようです。

良かった…………。


魔王ベアードは最初の段階で逃げていたのだそうです。

あとは残っている残党を片付けるだけです。

何やら統率がなく、慌てている魔物がいるのが気になりますが、とっとと、片付けましょう。

まだお屋敷の掃除が残っているんです。












次の日

比較的はやく終わった戦いの爪跡はなく、まぁ、町の外で全て迎撃出来たからなのですが、今日も朝食がおわり、掃除をしようと思っていたのですが、エリック様からお使いを頼まれました。


どうやらロア様がギルドへ行くそうなので付き添ってほしいそうです。


明日には屋敷を出るので、そのための装備とギルド登録を行うのだそうです。




これは、お友だちになる最後のチャンスですね。




しかし、ギルドとはいえ同姓との初めてのお買い物、ちょっとドキドキします。

ここは先輩冒険者として(元ですが)しっかりエスコートしなくては!





ギルドにて懐かしい顔との邂逅もありましたが、いよいよお買い物です。

とりあえず良さそうなもの、かつロア様に似合いそうなものを50着ほど身繕いました。

…………少しはしゃぎすぎましたかね?

でもまぁ、女の子同士のお買い物なんてこんな感じだったでしょう。





…………なかなかロア様が更衣室から出てきません。

まさか、センスが壊滅的だったのでしょうか?

気になってきたので、声をかけて顔を覗かせました。


そこにはなぜか付属のコートを着ていないロア様がいました。


ガバッと開いたお腹には瞳のような紋様が浮かんでいました。


って、え?











どうやら、ロア様は魔王を倒していて、魔王になってしまっていたようです。

流石に驚きました、まさか魔王になっているなんて………。

これはあまり口外しないほうが良いですね、ロア様は記憶喪失なのですから、これ以上厄介な事に巻き込まれては可哀想です。


はっ!?


気付いてしまいました、これを皮切りに友達になればいいんじゃないですか?

魔王の話も二人だけの秘密みたいで良いですね。

思いきって切り出してみましょう。







やりました!

初めてのお友達が出来ました。

しかも二人だけの秘密持ち、これは嬉しいです。

あ、でも明日にはロアは街を出るんですよね。


それは寂しいです。


でもお仕事があるので着いていく訳にもいきませんし………。


そうです!私の代わりに使ってた籠手を持っていって貰いましょう。

お古でもうしわけないですが、冒険者時代にお世話になってたものなので、かなり使える………はずです。


なんとかロアに籠手を受け取ってもらえました、友達に自分のものをあげるというのもなかなか良いですね。


ロアもさっきの服が気に入った見たいで嬉しそうです。


明日にはお別れですが、またきっと会えますよね。


とりあえず明日の朝食は少し豪華にしましょう。

メイド長に提案です。



そうして私とロアの初めてのお買い物は幕を閉じました。




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