転生物とかでよくあるギルド加入者のテスト……かと思ったか?
どうも!
みんな覚えてるかなぁ?回りに迷惑をかけちゃう系転生ダークエルフのロアこと、元人間の坂月鉄平です!
いやぁ、過去の自分も大事な自分だからね。忘れないようにしないと。
そんな俺は現在、メイリさんの道案内のもとギルドへ向かってます。
ギルドだぜ!ファンタジーな世界的には外せないよなぁ!
なんだか俺ワクワクすっぞ!
んー、でもギルドといえば加入テストだよな。
そんで先輩にいちゃもんつけられるんですね分かります。
そういうイベントを受けるのも醍醐味って感じなんだが、平穏を求める俺にはよろしくないよね。
ふふふ、私にいい考えがある!
要するに手加減すればいいんだよ、今や魔王だからね俺。
手加減して、それなりに戦って見せればいいんだよ。
我ながらいいアイディアだ、それしかない!
「ロア様、着きました。ここが冒険者ギルドとなります。」
メイリさんに声をかけられて前を向くと、木造の三階建ての建物があった。
「ここが冒険者ギルドか。」
「はい、様々な者からの依頼をこなして生計をたて、一攫千金を求めるものもいますね。」
「一攫千金?」
「エルドラドの王、ゴルドラは元冒険者ですから。そういう夢を見るものもいるのです。」
ふーん?そんなもんか。確かに自分の国の王様が冒険者だったら自分も!ってなるのかもしれないな。
中には入ると、そこには酒場のような光景。
筋骨隆々な男から細身の女性まで、いろんな人がいた。
ここがギルドか……、テンション上がってきた!
「あちらの受付でギルドへの登録ができます、参りましょう。」
メイリさんに連れられて受付へ行く。
酒場に受付ですか、二階には上級者用の依頼があったりするのかな?
「あら、メイリさんじゃ無いですか!珍しいですね、どうしたんですか?」
「お久しぶりですサマンサ、今日はギルドへの登録をお願いに来ました。」
サマンサと呼ばれたバーテンダー服?のようなものを着た女性が嬉しそうにメイリさんに話しかけていた。
お知り合い?メイリさんギルドに知り合いがいたんだな。
「お?また冒険者になるんですか?」
「いえ私ではなく、こちらの方です。」
お、俺に話がきた。
「ロアという、見ての通りのダークエルフじゃ。」
「初めまして、サマンサです!登録ですね、少々お待ちください。メイリさんもいかがです?登録。」
「結構です。」
そういえばさっきまたって言ってたな。
「メイリさんは冒険者だったのか?」
「元冒険者です、ロア様。色々あって辞めたんですよ。」
へぇー、まさか冒険者だったとは。
「ただの冒険者じゃ無いですよ!『竜殺し』って異名が着くほどの冒険者、カインの街の唯一のAランクの冒険者だったんですから!」
え!?竜殺し!?
「サマンサ?さっさと登録してください、ロア様はエリック様の恩人なのですよ?」
「あ、そういうことでしたか。失礼しました。それではこちらにフルネームと戦闘スタイルを書いてください。」
え、フルネーム?戦闘スタイル?書くの?
書けるの俺?
てかフルネームなんて無いよ!
どうしよう、戦闘スタイルは無手で言いとして名前が。
「別に名前だけで構いませんよロア様、たいした意味はありません。」
あ、そうなのか?
んー、とりあえず書いてみるか。
「はい、ロアさんですね。戦闘スタイルは無手?あぁ、素手ですか。かしこまりました、これが、ロアさんのギルドカードになります。無くされるとお金がかかるのでお気をつけ下さい。最初はEランクからになります、一ヶ月依頼をこなさなければギルドから脱退していただくことになりますのでご了承ください。あ、Dランクからはそういうのないんで頑張ってくださいね!」
ぶわぁーって言われた後、ポンッとギルドカードを渡された。
え?これで終わり?
「これにて登録は終了です。では装備を見に行きましょうかロア様。」
メイリさんはこちらですと、二階への階段へと上がっていった。
へ?テスト無し?
いや、楽だし問題も起こさないからいいけど…………。
なんか構えて損した感じ………。
俺はそんなことを思いながらメイリさんの後を追い、二階へと向かうのだった。
だんだん見てくださる方が増えてきました。
ありがとうございます!
これからも細々と続けていくと思いますので生暖かい目で見守っててください。p(^-^)q




