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Prologue 『41』
ルナティック・ルビーウイルスは人以外に感染する特殊なウイルスであった。
人に感染しないことで、機序どころか存在すら知られていないそれは。
紫色の月の放つ光にのみ反応し、DNAを変化させる。
変化したルナティック・ルビーウイルスが感染するのは、体のある1ヶ所以上に常識を越えた熱量を持つ人間を含めた生命体、その全て……。
即ち、頭脳や武術などに圧倒的に秀でた者……であった。
彼ら彼女らがストレス下に置かれた時、ウイルスは経眼的に感染し、視神経を経て脳内へ到達する。
扁桃体、海馬へと移行した彼らは、宿主の攻撃性を最大にまで上昇させる。
感染された宿主は、自分の死すら厭わず同種の破壊……即ち、人殺しを初めるのだ。
最後に、このウイルスの最大の特徴を述べさせていただこう。
目を介して感染するその経路によるものか。
ルナティック・ルビーウイルスに感染した者は……皆、その瞳が紫色に染まるのだ。
お化けや幽霊や電脳アイドルにも感染するよ~




