表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
4/48

Prologue 『3』

 ウェイフォードの森の奥。

 ウェンディ・ウッドストックは茶色い液体と緑色の液体を混ぜ合わせることに余念がない。

 皺だらけでカサカサの肌にギョロギョロとした右目、醜く曲がった鷲鼻。

 彼女を見た人々は、100人中200人がこう呼ぶであろう。


『ウェイフォードの魔女』


 ……と。


『ウェンディ―婆や、ウェンディ―婆や!』


 窓から羽の生えた小人がウェンディに声を掛ける。


「おや、ぶくぶく沼のパントゥじゃないか、どうしたんだい?」


 ウェンディは特に驚いた様子も見せずにその妖精に返事をした。


『オリエンタル・ムーンが上がったって!

 森中大騒ぎさ!!』


「オリエンタル・ムーンが?

 あたしゃが前に見た時から、まだ3000年も経ってないよ。

 早すぎやしないかい?」


 そんなことを言いながら、ウェンディは杖を妖精に向けて構える。


『え、なに、なに?』


「それと、何度も言うけど、あたしゃは“婆や”じゃない、まだ“お姉さん”だよ」


 彼女が杖を振ると、そこには……掃除機が、あった。


「ヒェヒェヒェ、罰として、あんたはしばらく、あたしゃの乗り物だよ」


『うわーん、あんまりだー』


 5000年を生きる魔女は、最近のマイブーム、掃除機に跨ると、呪文を唱える。


「3000年ぶりに、まーたあの馬鹿の頭をブッ叩いてこないとねェ、ヒェヒェヒェ」


 しわがれた声で愉快そうに呟くと、掃除機とウェンディが、宙に浮かんだ。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ