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Prologue 『11』

「くははははははッ!」


 全身黒ずくめの男が、夜の闇で嗤っている。

 人目を気にする必要は無い、何故なら此処は彼しか住まない深い里の奥地なのだから。

 彼が立っているのは、大木の枝の1本。

 しかし、その立ち方は、まるで重力を無視したかのように……頭を下にして逆さまに、であった。


 男の名は猿飛佐蔵。


 一時期は闇の勢力を支配していた彼の一族も。

 時の権力者の怒りに触れ、今では彼を含めごくわずかな人数が生き残っているに過ぎなかった。 


 男は空に浮かぶ紫色の月を崇める様に見つめた後。

 先祖代々伝わる巻物を、再度覗き込む。

 ……それは、先祖が記した歴史そのものであり。

 紫色の月に対抗するために一族が必死に綴った、遺志そのもの。

 しかし。


月と太陽が(・・・・・)入れ替わる(・・・・・)


 即ち()闇と光が(・・・・)入れ替わるのだ(・・・・・・・)


 有難う(・・・)月よ(・・)!」



 彼は、紫色の月に感謝をしていた。

 狂気に触れたような……紫色の瞳(・・・・)に涙を浮かべて。


 一族の再興。

 その悲願を達成するときが来たのだ。


 男は、杯を逆さまにして持つと、中に酒を注ぎ始める。


 ……いや、男が逆さまなだけで、正しいのは杯の方なのだが。


「我らが先達へ……献杯」


 闇を統べる男は、杯に月を浮かべた後。


 それを(・・・)一気に飲み干した(・・・・・・・・)


アイエエエエ! ニンジャ!? ニンジャナンデ!?

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