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Prologue 『10』

 日本国首相、第百代内閣総理大臣、河野紅兵は激しい頭痛と眩暈を覚えていた。


 

 『100代目と言う節目の総理大臣に就けるなんて、自分はついている』と思っていた就任当時。

 その頃のそいつ(・・・)をひっ捕まえてぶん殴り、『良いから考え直せ』と叫んでやりたい気分だ、と彼は頭を抱える。




 皇紀3660年。


 その輝かしい歴史の中で、日本という国が敗北を喫したのは、たったの2回。

 

 2回目は記憶に新しい(・・・・・・)が。

 1回目は、実に3000年前。

 当時の出来事は、古事記の原本(・・・・・・)にしか、載っていない。


 内閣総理大臣になったものが必ず目を通さなくてはならないその本には。


 古文とは思えない程に生々しい、一方的な虐殺劇が記載されていた。

 

 当時の日本が誇る、武力に魔力に巫力、そして、団結力。


 その全てが(・・・・・)叩き壊されたのだ(・・・・・・・・)。  


 総理は、窓の外に鈍く光る紫の月を忌々しげに見つめた後。

 議会へと足を運ぶ。


 日本国が本日より(・・・・・・・・)全ての武器の保持を(・・・・・・・・・)認める事を宣言する(・・・・・・・・・)ために(・・・)




 ……自分は将来、最悪の独裁者として名前を残すのだろうか。

 紅兵はふとそんな事を考えた後、苦笑した。



 そんな未来になれば良い。

 どうか、そうなって欲しい。




 ……何故なら、そうならない未来、……つまり、自分が名前を残さない未来と言うのは……。



 即ち(・・)日本が(・・・)滅びる未来(・・・・・)なのだから(・・・・・)

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