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心動

作者: 山通 雪グ

手のひらを耳に押さえつけてうなだれる。

ラーメン屋で、駅のベンチで、隣に座った人々の口の動きにおびえながら。

そうしたら自分の手に流れる金属のこすれる音が聞こえたんだ。

嗚呼、生きてるってこれだけなんだ。

たったこれだけなんだ。


六畳間の片隅に体育座りでしゃがみ込む。

外の暑さ寒さ、車の排気ガスにおびえながら。

そうしたら自分の身体に埋め込まれたポンプや管が伸縮する音が聞こえたんだ。

嗚呼、生きてるってこれだけなんだ。

たったこれだけなんだ。


テレビの上に現れた地震速報に怯えて頭を抱える。

いつ来るか分からない災厄に怯えながら。

そうしたら自分の中で、モーターが外壁をドンドン叩いて身体が揺れているのが分かったんだ。

嗚呼、生きてるってこれだけなんだ。

たったこれだけなんだ。


生きてるってこれだけなんだ。

自分がどうしたいかなんて気にも留めず、身体は勝手に生きている。

たったこれだけなんだ。


拝読ありがとうございました。

最近人間は機械である方が都合が良いのではないかと思うことがあります。自分が機械的な人間だと考えることもあります。

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― 新着の感想 ―
[一言] たったこれだけのことなんだ、でも生かされている、という感じがして良かったです。
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