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たくあん侍シリーズ  作者: モモル24号


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第二十七話 七草衆


 春の訪れを告げるは七草衆達よ。拙者は彼ら七草衆と共に里の健康を祈願するべく、野へと赴いた。


(せり)芹摘姫(せりつみひめ)殿、(なずな)撫子(なでこ)殿、御形(ごぎょう)御慶(おけい)殿、繁縷(はこべら)陽夜子(ひよこ)殿、仏の座(ほとけのざ)蓮華(れんか)殿、(すずな)鈴奈(すずな)殿、蘿蔔(すずしろ)清白(すずしろ)殿……」


 鈴奈殿は蕪侍の白妙殿の妹御。魔を祓う名刀「菘」は、彼女の名から取ったそうだ。清白殿は拙者の同胞。身内を褒めるは面映ゆきものだが、白き美しき者だ。


 七草のおなご衆の名を呼びながら、拙者は一人ひとりに語りかけた。「


貴殿らの持つ清らかな力こそが里に春を呼び、人々の無病息災を願う源となる。いざ、その力を示されよ!」


「おぉーーー!」


 収穫された七草は細かく刻まれ、粥へと姿を変える。そこにたくあんが添えられる。


「粥という主役を引き立てる、我ら脇役の祈りを込めた結晶(一椀)にござる!」


 里人たちが七草粥とたくあんを口にする。七草の持つ素朴で力強い風味と滋養、たくあんの塩気と食感が織りなす調和。


 冷え切った冬の寒さから体を内側より温め、活力を与える。


「ああ、力が湧いてくる!」


 冬を耐え忍んだ拙者と──それぞれが、けして主張せぬ粥の粘りに似た七草衆の絆。この日ばかり七草の姿を重ね合わせた華やかなる舞台となった。


 主役になれぬ地味な食材たちが、力を合わせることで里人の健康を守る。これぞ真の健康祈願であろう。


 食卓の平和を願う、脇役たちの静かなる宴の誓いであった

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― 新着の感想 ―
七草粥の日ですね。 添え物にたくあんはピッタリだと思います
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