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たくあん侍シリーズ  作者: モモル24号


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第二十二話 塩の里


 塩の里⋯⋯そこは純白の結晶が輝く、食の世界の生命線であった。里人たちは皆、塩分刀などの源となる清らかな塩を守り、精製していた。拙者は、己の力の源であるこの里を深く敬愛していた。


 ある年の事でござった。里を「湿気魔人」が襲った。


 魔人は塩の結晶に湿り気を与え、固まらせ、塩田を使い物にならなくしようとした。塩分が失われれば食の世界の秩序が崩壊する。拙者は、愛刀の塩分刀を手に急ぎ里へと駆けつけた。


「湿気魔人よ、貴様の好きにはさせぬ!」


 魔人は嘲笑った。


「お前ごときの塩分など、私の湿気の前では無力!」


 魔人が放つねっとりとした湿気の靄が、拙者に襲いかかる。拙者の刀も湿気で鈍り、本来の力を発揮できない。


 絶体絶命のその時、里人たちが声を上げた。


「侍殿、我らの塩を!」


 里人たちは精製したばかりの、純粋で乾燥した塩を投げつけた。


 拙者は、その塩を刀身に纏わせる。刀は砥石で丹念に研いだ如く、再び鋭い輝きを取り戻す。


「貴様は『湿気』で全てを曖昧にするが、塩は『引き締め』と『調和』を生み出すのだ!」


 塩分刀から放たれた強烈な「純塩波(天日干し塩)」が湿気魔人を直撃。魔人はたちまち乾燥し、崩れ去った。


 塩の里は救われ、拙者は己の力の源である「塩」の持つ意味を再確認した。


 それは、ただ辛いだけでなく、他の全てを引き立てる──清らかなる陽の光と風の結晶であったのだ。

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