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たくあん侍シリーズ  作者: モモル24号


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第二十話 クセ強きもの


 納豆の粘蔵(ねばぞう)。彼の者は豆の里の出だが、その強烈な個性⋯⋯特に粘りと臭みのせいで、周囲からは敬遠されがちであった。


「臭い」

「ネバネバする」


 里の人々に後ろ指を指され、食卓の隅で一人、孤独に佇んでいたのだ。


 豆の里の古老は拙者の噂を聞き声をかけ粘蔵と引き合わせた。


「たくあん侍殿、この粘蔵の強すぎる個性を、貴殿の力で調和させてはくれまいか」


 粘蔵は不満げであった。


「おいらはネバネバこそが魅力なのに、地味な漬物などと組むのはごめんだ」


 たくあん侍は静かに応じた。


「その粘り、行き場を間違えているだけ。調和の美学を教えて進ぜよう」


 二人は食卓という名の戦場に並んだ。たくあん侍に負けじと、白米という主役を前に、粘蔵は自慢のネバネバを発動させ皿の上で暴れ回る。


 しかし‥‥粘りが強すぎて、誰も手を出せない。食卓は混乱に陥った。


「愚か者め! その粘りは主役を引き立てるべき力! そなたが暴走して何とする!」


 拙者は粘蔵を一喝し、たくあんを細かく刻み、納豆の沼地へ混ぜ込む。


 たくあんの塩気とシャキシャキとした食感が、粘蔵の暴走する粘りを瞬時に引き締める。


 行き場を見つけた粘りは、たくあんという骨格(食感)を得ることで、最高の「ごはんのお供」へと変貌した。


「こ、これは…旨い!」


 里人たちも歓喜の声を上げた。


 ‥‥粘蔵は悟った。己の強烈な個性も「主役」があってこそ、真の美味となるのだと。


 こうして拙者達は互いの個性をぶつけ合いながらも、食卓の平和を守り続けるのであった。

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