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たくあん侍シリーズ  作者: モモル24号


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第二話 グラタン騎士団襲来!!


 塩分刀⋯⋯それはたくあん侍の魂を形にした得物である。


 通常の刀剣とは異なり、無尽蔵の塩分を含有しており、斬りつけるというよりも「塩分を浴びせかける」ことで敵を無力化する特殊な得物だ。


 物語の舞台は食の均衡が崩れかけた、戦国食卓世界にある和食国。


 暴走する「しし党」だけでなく、近年は洋食脂高文化圏からの侵略者も増えていた。


 そんなある日のことだ。濃厚なバターとチーズを纏った「グラタン騎士団」が、和食の里に攻め込んできた。


 彼らの油膜装甲は物理攻撃を弾き、普通の侍たちは歯が立たない。


 そこに現れたのが、たくあん侍である。


「大根役者と侮るなかれ!」


 たくあん侍は愛刀の塩分刀を抜き放ち、得意の「塩分見舞い斬」を炸裂させた。


 刀身から放たれる高濃度の塩分が、グラタン騎士団の油を瞬時に中和・分解し、彼らの存在そのものを「しょっぱく」変えていく。


「くっ⋯⋯塩分が強すぎる!」


 崩れ落ちる騎士団。


 塩分刀の真髄は、敵を殺傷することではなく、その存在意義を根底から覆し、脇役へと「格下げ」することにあった。


 どんなに強力な主役級の食材であっても、塩分刀の前ではただの「塩辛い何か」へと成り下がる。


 かくしてたくあん侍は、塩分刀を携えて、食の世界の秩序を守った。どこまでも渋く、名脇役として戦い続けるのであった。

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塩分見舞い斬《ソルティブレイク》ッッッッッ!
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