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たくあん侍シリーズ  作者: モモル24号


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第十六話 下剋上、主役交代?


「たまには、たくあん侍殿を主役に据えようではないか」


 いぶし銀な男、鰹節侍の勝雄(かつお)であった。


 勝雄は自らの身を削り、和の里の台所で腕を振る舞う。拙者ら里の秘伝の出汁にも欠かせない食材だ。


「主役は白米、我らは皆、その引き立て役」


 そんな拙者の美学を知りながら、勝雄はあえて拙者を主役にしようというのだ。


 勝雄が振る舞ったのは、いつもと変わらぬ握り飯であった。


「拙者をかついだのか?」


「早まるでない。そら、食うてみい」


「こ、これは混ぜご飯か!」


 使う材料はおなじみの添え物のたくあんに、醤油で混ぜた鰹節、主役のおむすびだ。


 だが勝雄の鰹節握り飯(おかかおむすび)は、采配が違った。たくあんを多く刻み入れ食感を強め、塩気が濃いので鰹節は醤油を控え、削り立てをそのまま米に混ぜ込んでいた。


「うまかろう。これはな、鰹節を多くする事でわしもまた主役になるのだ」


 拙者も勝雄も己が引き立て役であると心得ている。


「脇役の極意を知る者であればこそ、主役を張る器量もお持ちのはず」


 あくまで脇役は脇役だがな──そう勝雄は得意げに笑った。


 拙者は新たな境地に感銘を受けた。主役と脇役は固定されたものではなく、料理という「和」の中で変化し得るのだと。


 この日‥‥拙者は一時的ではあるが、里の食卓の「主役」として輝いたのであった。

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