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たくあん侍シリーズ  作者: モモル24号


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第十五話 打ち捨てられたトロっ子と、拾うたくあん


 拙者が海辺を歩いていると、浜辺に打ち捨てられた巨大なマグロのトロっ子を見つけた。


「脂が乗りすぎていて使い物にならん」


 漁師達が嘆き、脂ばかりのトロっ子を無造作に捨て去った後だったようだ。マグロのトロは脂高圏に負けず劣らず脂が乗るもの。その豪華な見た目とは裏腹に、不要なものとして打ち捨てられていたのだ。


「なんという勿体ない⋯⋯」


 拙者は心を痛めた。そして打ち捨てられたトロっ子にそっと手をかざした。


「貴殿の脂は罪ではない。行き場を間違えただけだ」


 その夜、拙者は和食の里へとトロを運び入れ、葱を細かく刻んだ。そしてシャキシャキとした、たくあんも同じように刻み混ぜ合わせた。


「トロたく」の誕生である。葱だけ、たくあんだけ、両方入れるなど、主役脇役ともに活きる。


 里人たちはその美味に驚嘆した。トロの濃厚な脂身は、たくあんの塩気と食感によって見事に引き締められ、互いが互いを高め合う至高の逸品となっていたのだ。


 マグロのトロは、単なる脂の塊ではなく、「たくあん」という脇役を得ることで、初めて真価を発揮した。


 どんな食材にも必ず役割があり、不要なものなど何一つないことを証明した。そして捨てられた主役のトロっ子と、地味な脇役が織りなす、食の調和の物語となったのだ。

 お読みいただきありがとうございます。葱鮪鍋と迷いましたが、たくあん侍優先しました。

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― 新着の感想 ―
打ち消し合うのではなく、高め合う。そんな良き関係ですね。 「トロっ子」という呼び方がとてもかわいくて。小さな子がぐすぐす泣いてるのをたくあん侍が手を引いて歩いていく、そんな光景が浮かんでしまいました。…
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