第十四話 ごぼう侍見参!
ごぼう侍、名は黒鉄。拙者と根は同じながら、その生き様は対照的であった。
黒鉄は土中深く限界まで身体を絞り、その身体は鋼のように堅く引き締まっている。
「フッ、泥に浸かった軟弱者め。わしの鍛えられし身体を見るがよい」
彼の者は下積み時代に三年も漬物樽で熟成された拙者を見て嗤う。
ある日二人はきんぴら街道の護衛任務で鉢合わせする。折り悪くそこへ炊きたてご飯を狙う凶悪な一味の歪なおひつ達が襲来する。
黒鉄は自慢の「牛蒡星」を抜き放ち、真正面から斬りかかった。
「俺の堅さ、思い知るがいい!」
しかしまっすぐ過ぎる攻撃を、強盗団は簡単にかわしてしまう。
そこに、拙者が「塩分刀」を構え助太刀に入る。
「真正面だけが道ではない!」
拙者は、しなやかな身のこなしで敵の懐に入り込み、塩分攻撃で次々と無力化していく。
「馬鹿な⋯⋯」
呆然とする黒鉄に、たくあん侍は言った。
「お前は主役になりたがる。拙者は違う。他の味と絡み合い、引き立て合ってこそ真価を発揮するんだ」
黒鉄は悟った。自分一人ではただの硬い棒だが、醤油や砂糖や唐辛子と和えることで、「きんぴら」という名脇役になれるのだと。
その身を漬けることで、拙者より靭やかな身体を入れようと努力する。
我らのライバル関係は、互いに切磋琢磨し認め合う友情へと昇華するのであった。




