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たくあん侍シリーズ  作者: モモル24号


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第十三話 米騒動


 食卓の世界においては、誰もが主役の座を目指すもの。だが争うのは何も食材だけではない。


 おむすびとおにぎり。美食米大王の側仕えである彼らは、呼び名は違えど同じ白米。だが両者の間には、長きにわたる因縁があり、ついに争いになる。


「我は『おむすび』。古来より神が宿るとして敬われてきた、由緒正しき呼び名ぞ!」


「いやいや、『おにぎり』こそが庶民に愛される呼び名。より親しみやすく食卓に笑顔をもたらすは某なり!」


 おむすび侍に反論する同じ三角形のおにぎり侍。


 両者の争いは激化し、食卓は二分された。そこで検分役に白羽の矢が立ったのが、拙者である。


 拙者は静かに両者を見つめ、白米という主役を巡る戦いを見守った。


 おむすび侍は、高級な具材‥‥本格梅干しや鮭児を内包し、その格式の高さをアピールする。


 おにぎり侍は、煮凝り天むすやスパムむすびなど、柔軟な発想で愛嬌を振りまく。どちらも美味に違いはない。


 拙者は塩分刀を抜き、両者の隣に座した。


「勝負あった」


「「ええっ!?」」


 驚く両者。


「どちらが正しいのか、拙者には決められぬ。だが今回重要なのは検分役の拙者⋯⋯『たくあん』と共に食されるかであろう?」


 主役はあくまで白米。だが此度の検分は、脇役の拙者を活かす勝負。真の価値は共に食すことで生まれる「調和」にある。両者は和解し、食卓の平和は保たれた。


「待たぬか」


 お呼びでない俵型のこまち殿を見て、流石に拙者もしんなり加減が増した。

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