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王様と愉快な仲間たち  作者: 月夜
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case0 プロローグ

とある世界の小さな島に、二つの国がありました。


白の国旗と黒の国旗を掲げた二つの国は、長い歴史の間争っていました。


国の指導者が変わろうと、長い歴史の中で国の名前が変わろうと、その争いは続きました。


しかし、遂に共通歴1658年。


白の国旗のブラン王国、黒の国旗のノワール帝国の時代に、歴史が動きました。


黒の国旗を掲げるノワール帝国の王が、大きな失敗をしたのです。


この世界には、魔物や、魔獣と呼ばれる生物がおります。


温厚な種類から、凶暴で人間を襲う種類まで、ありとあらゆる種類がいます。


魔物の中でも温厚なものは、昔から人間に飼われ、共存しています。


ノワール帝国の王は、温厚なものだけではなく、凶暴な魔物をも手なずけ、戦争に使おうとしたのです。


結果は失敗。


王が魔物に襲われ亡くなるばかりでなく、実験のため養殖されていた凶暴な魔物たちがたくさん野に放たれました。


自由の身となった魔物たちはどんどん繁殖していき、人間たちを襲いました。


どこに行くにも魔物に襲われ、戦争どころでなくなった両国は、遂に停戦協定を結び、それと同時に魔物に対する協戦同盟を結びました。


最初はぎこちなかった両国も、魔物を協力して倒すうち、大きな連帯感が生まれました。


一国だけでは討伐しきれなかった魔物たちを、連合軍は次々に打ち取っていきました。


そして遂に共通歴1660年、脅威となっていた魔物は激減し、島に平和が戻りました。


すっかり中が良くなった両国は、そのまま友好同盟を結び、ようやく島は平和を手に入れたのでした―――

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