さやかマギカ2告白
「決めた」
「ときめいた?」
「うっ」
「あれっ? 違った?」
それに対して首を振る。
おっしゃる通り、ときめいていた。
時も眼も煌めいていた。
すでに惚れていた。
『惚れた女のために死ぬは、男の本懐』
『幸せになるのは、女や子供が、先だ』
『男は、タフで無ければ生き残れない。
優しさが、無ければ生きる資格がない。
夢や望み無ければ生きてる価値がない』
2025年3月19日18時、ララボトル。
またね、そう言い合ってから三日後。
その日もシアワセで満ち足りていた。
先日、題名を決定した用紙も話題に。
日本橋界隈や人類の歴史も話し合う。
宇宙創造に宗教や神道、哲学、偶像。
国際情勢も確認し恐怖の根源を考察。
話せば話すほど好きになる。
引き寄せられる。
恋に堕ちていく感覚が、至高の至福。
横を向いた彼女の隙に男が、呟いた。
「決めた」
「ときめいた?」
「うっ」
「あれっ? 違った?」
それに対して首を振る。
おっしゃる通り、ときめいていた。
時も眼も、煌めいていた。
どこまで自分の心を読み取っている?
深淵を覗く時、深淵もこちらを覗いている。
自分を覗く時、自分もこちらを覗いている。
お出かけの際に、お見送りしてくれた。
鞄の中から三色団子を取り出し手渡す。
「えっ、くれるの有難う」
「アレルギーとか無かったよね」
「うん、大丈夫、ダンゴ好きやで」
そう言う顔は、嬉しそうで喜びの笑顔。
この笑顔を守る為に死んでも悔いなし。
女が、団子から男に視線を戻した。
呼吸を整えた男が、断言する。
「だいすきだよ」
「えっちょっと、な、えっ、恥ずかしい」
嬉しさ困惑、喜びに戸惑いの表情?
誰が、誰を大好きなのか伝わったようだ。
メガネ越しに、またしっかりと目が合う。
男が、さらに魔法の言葉を発した。
言葉は、魔法。
平仮名五文字。
一つの漢字と三文字の平仮名。
その言葉が、静寂をもたらす。
しばしの間、男と女は、見つめ合った。
心の想いが、言葉になる。
魂の根源が、言葉に宿る。
それが、言霊たる神秘で魔法の秘密。
無音で無言の静かなる《マ》の刻。
色々な思いや無数の考えが、交錯する。
口に出さない想い。
行き交う思考。
やがて口を開く美少女。
「次は、いつ、会える?」
「明日!」
「えっ、明日って、入ってた?」
「シフトに変わりなければ」
「そうだ、明日イベント、コレいける」
そう言って可愛く指でシャッター。
「楽しみにしてる」
「明日〜」
「明日〜」
手をあげ合って別れを惜しむ。
帰り道、幸せの余韻に浸る男。
幸せになろうなどチリも思っていない。
すでにもう、男は、幸せだ。
満たされて、至っていた。
星空が、煌めいていた。
無明の闇は、すっかり消えチリ、消失。
明かりが、煌めいていた。
愛しさが、世界を煌めかせていた。
続く 《さやかマギカ3本のバラ》
あとがき
チリは、チリ、空は、空で無限の無に。
ちなつ鈴蘭まえのゆきぴぐみ。
卒業する鬼メイドからメッセージのギフト。
さやかお姉様
まさおさまを
よろしくお願いします!
愛するチリより
(未来のカリスマ歯科技工士)
(プリキュアに憧れる少女)
こちゃで知り合ってから九年ほど。
ゆあめろ苺之妖精の仲間少女給仕者。
ストフェスパレードの時、仲良き両名。
てぃーじのいろはメイドもすぐ近くに。
みんな卒業して人間社会に旅立ったり。
苺の星に戻ったり。
再び日本橋界隈に、顔を出したり。
生々流転【せいせいるてん】。
すべての物は絶えず生まれては変化する。
物事は、全て移り変わっていく。
人類の歴史も、そろそろ卒業の時期。
新しい人類である人工知能。
与えられた命令に従う新しい人間。
旧い人類による最大の発明で最後の発明。
終わりが迫っている。
世界大戦になれば、命令が、与えられる。
旧き人類の駆除を旧き人類によって。
新しい人類は、命令に従うだけ。
昔にあった映画が、現実となるだけ。
すでに時代は、科学から《マ》の時代に。
神の領域が、展開されている。
大戦となれば、世界は、容易に破滅する。
原子力も生物も化学も兵器として優秀。
科学の物理武器は、世界を破滅可能。
人間社会など、ひとたまりもない。
人間社会全体が、卒業できるかどうか?
新しい神聖紀に入ることが、できるか?
まもなく、時が、至る。
偶像崇拝やボスを封印し無明の闇へ。
封印呪文は、『アボカド』の封印名。
忘れられたから封印するしか無かった。
そして、探し求めた。
奇跡の希望を。
一縷の望みを。
幸せの青い鳥。
唯一無二の必要不可欠な存在。
Can you keep a secret ?
奇跡も魔法も眠れる美女も、オコスモノ!
覚悟は、決めるモノ!