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4度婚約解消されました。でも私は図太く生きていきます!  作者: ミカン♬


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16

 出口に向かっていると「リアナ様!」と声を掛けられてしまった。

「チッ!」

 オスカー様が舌打ちし、私達は立ち止まった。


「クラリス様、どうして・・・」

 目前の彼女はハワード・ペレイス伯爵令息と参加していた。


「リアナ!やっと会えたね。会いたかったよ」

「ペレイス卿、俺の婚約者を名前で呼ぶのは失礼だろう!」


「リ、リアナは僕の婚約者だったんだ!か、か、返して欲しい!」

「はっ?ふざけるな!」


 王太子殿下の誕生祭でこんな失態。ハワードは何を考えているの。

 愉快そうな顔で立っているクラリス様、貴方も分からない人だ。


「僕は知ってるぞ。侯爵はリアナを監禁して虐めているんだ」

「クラリスがそう言ったのか?」

 オスカー様が睨んでもクラリス様は涼しい顔で受け流す。


「聞かなくても分かる。貴方はずっとリアナを虐めてきたじゃないか!」


「そしてお前はリアナを庇ってやらなかった。今更何を言ってるんだ。守れもしないくせに、未練がましくリアナに執着するな、二度と近づくな、分かったか!」

「なっ!・・・リ、リアナ」

「ペレイス様、私はオスカー様の婚約者です。二度と手紙も出さないで下さい」


「僕はリアナを想って」

「俺の婚約者に懸想するのはやめてくれ!」


 もうハワードには名前を呼ばれたくない。顔も見たくない。

 ギャラリーも増えてきて私はオスカー様の袖を引っ張った。


 出口を目指す私達に更に立ちふさがるカップル。

「まぁ、何の騒ぎかしら。リアナってば、いつも周りに迷惑をかけるのよ、困った子ね」

 最悪にも、ダイアナとアランの登場だ。いつから見られていたのだろう。


「姉の私の手紙も無視して連絡一つ寄こさないなんて、冷たい子ね」


「はっ!お前の手紙は俺が破り捨てていた。考えても見ろ、婚約者を寝盗ったお前にリアナが会いたいわけ無いだろう!無神経な義姉だな、冷たいのはどっちだ!」


「な、なんですって!」

「今後も一切リアナに関わるな、失礼する!」

 オスカー様が二人を言い伏せて、この場を一刻も早く去ろうとしたが、三度行く手をふさがれる。


「オスカー、昔のよしみで一曲だけ踊って下さらないかしら?」

「どんなよしみだ、生まれた護衛の子は元気にしているか。ネイラム伯爵令嬢」

 声も出せず、気の毒なほど真っ青なベニー様。


 三方塞がりになったが、全員オスカー様の毒舌に撃沈だ。

 今は優しいオスカー様、元々はこういう方だった。


「オスカー様帰りましょう」

「ああ、不愉快だ、帰ろう」


 立ち竦むペレイス様ことハワードを押しのけて出口に進んでいったが、ドアパーソンが扉を開きオスカー様と二人で舞踏会場から広い廊下に出たとたん、走って追いかけてきたハワードに追い越される。


「待って、リアナは本当に虐められていないのかい?」

「ええ、私は幸せよ。オスカー様は私を愛して下さっているわ」


「信じられないよ。君は我慢強いから耐えているんだろう?」

「いいえ、私も侯爵を愛しているの!」

 しつこいハワード再び押しのけて、急いで階段に向かう。


「リアナ、待ちなさいよ!」

 義姉の声も無視して進もうとすると「この方が早い。足が痛かったな、気づくのが遅れてすまない」オスカー様が私を抱きあげ、私は彼の肩に腕を回した。


 間もなく階段に差し掛かろうとしていた時────

「待ちなさいってば!」

「ダイアナよせ!」


 引き止めるアランの手をダイアナが振り切り、アランの頬を数個の指輪を付けた拳で殴るのを、オスカー様の肩越しに見えた。

「っつ!」

「もう!!邪魔しないでよ!」

 叫びながら義姉が懐から何か取り出すと同時に、数人の護衛が飛び出す。

 オスカー様は階段を下りかけており、護衛は義姉を取り押さえようと近づいたのだが、義姉が取り出したのは香水、バルブアトマイザーだった。


「失礼ね、ただの香水よ?」

 護衛達は足を止め、オスカー様も一瞬足を止めダイアナに振り返った。


 ────プシュッ!プシュッ!

 ダイアナが腕を伸ばし、丸い空気ポンプの部分を何度も押すと、段上から霧状の液体が飛散して、護衛達と私とオスカー様に振りかかった。


「なに?」とクラリス様の声が聞こえて「この女を捕らえろ!」とアランの声も聞こえた。


 異様な臭いが私達を包み込み、途端に私は狂気に包まれた。

 誰もが私を殺そうと狙っている。

 誰もが皆、私を憎んでいる。

「あぁぁぁああ」

 逃げなければ、逃げなければ!殺される!殺される!!!殺される!!!!


「うわぁぁあぁああぁあ」

 叫び声と共に、私はオスカー様に抱きかかえられたまま階段を下へと落ちて意識を失った。




 

読んで頂いて有難うございました。

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