適材適所! ヒーラーたちに祝福を!!
「リジェネレーション!!」
俺は担当の患者にリジェネをかけた。
「ありがとう・・・少し・・・楽になったようだ・・・。」
コロナの重症患者さんは苦しいだろうに、無理をして俺に礼を返してくれた。
「どういたしまして。でも、いまは喋らないで回復に専念してください。」
俺はにっこりとほほ笑んだ。
今、俺は王都のメディカルとして、コロナ患者の重症化を防ぐ仕事に就いている。
ロマンは少し足りないが、安定した職業だ。
そして、何よりも人の役に立っているのが嬉しい。
仕事は大変だが、冒険者とは違ったやりがいがここにはあった。
「あ、ディーさん!」
フロウが俺を見つけて大きく手を振った。
相変わらず、白衣が似合っていない。
だが、それがいい!
「そっちはどうだい?」
「大変です。もう55人にリジェネしてきました。」
「ええっ!? まだ午前中だよ?」
「ヒーラー相手じゃないとやっぱり大変ですね。」
「無理しないようにね、」
「はいっ!」
「お、二人とも、久しぶり。」
今度はグリゴリーが俺たちを見つけて近寄って来た。
相変わらず、白衣が似合っていない。
本当に似合ってない・・・。
「久しぶりにパーティー集合ですね!」
フロウが嬉しそうに笑った。
「そうだな。」
「そういえば、グリゴリーさんが来てから、死亡者でてないって伝説になってますよ。」
「これでもう、100日だそうです。さすがは元Sクラス!」
「なに言ってるんだよ。同じ日にスカウトされてきたんだから、それは君たちの力でもあるだろ?」
「ありがとうございます。誰も死なせないように俺たちも頑張ります。」
「そうですね!」
フロウは一つ頷いてからどや顔で続けた。
「なんてったって私たちは『奇跡の癒し手』なんですから。」
* * *
「王都知事。レビンという冒険者ギルドのマスターから、王都がヒーラーを引き抜いたせいで冒険者稼業が立ち行かなくなっているとの抗議が来ております。」
秘書がリリィに報告した。
「あら、そう。」
リリィは関心なさそうに言った。
「このままでは冒険者という職業が王都から無くなってしまいますよ。」
「その方は今更なにを言ってるのかしら? ヒーラーを蔑ろにしたのは貴方がた自身でしょうに。私は3密を防ぐように言っただけですもの。」
リリィは王都庁の窓から街を眺めた。
「クエストごとに効率よくパーティーを組めばよかっただけなのにねぇ。それをご自身がヒーラーだけを追い出したんでしょ? 私たちはその追い出されたヒーラーたちをスカウトしているだけだもの。文句を言われる筋合いはないわ。」
「では、そのように伝えおきます。」
秘書が頭を下げた。
「ところで、ヒーラーたちの受け入れは順調?」
「はい。冒険者ギルドを追放されたヒーラーは全員スカウトいたしました。今、冒険者を続けているヒーラーは王都には居ません。」
「それは良かったわ。」
リリィは満足そうにほほ笑んだ。
「彼らに相応しい好待遇をしてあげなさい。二度と冒険者に戻りたくないようにね。」
「人を癒せる能力なんて素敵な力を持っている人たちが冒険者だなんて、もったいないもの。」




