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冒険者ギルドへ行こう

「ところでマサヨシ様は強いのですね。契約の時に私のステータスが上がりました」

 フィナは尻尾を振りながら、俺を見上げる。

「ほう、そういえばクリスの時もあったな。契約した強い方に引かれるってやつ?」

「そう、あなた本当に自分のステータスわからないの?」

クリスが真剣に聞いてくる。

「さっきこの世界に来たんだぞ? 一日経っていないんだ。それに冒険者ギルドのカード無いと見れないんだろ? まあ、身分証明のための冒険者ギルドのカードを作ろうとは思っているけど」

「じゃあ、さっさと冒険者ギルド行くわよ」

「賛成です」

 俺はクリスとフィナに背中を押され、冒険者ギルドへ向かった。


 俺たち三人は冒険者ギルドに向かう。

 何気にウエスタン、両開きのスイングドア。ギルドの中に入るとテーブルが数個ある軽食が食べられる食堂のような物? とギルドの受付があった。二階は何だろう? 西部劇のサロンみたいだ。

 俺とクリスが先に入った。混む時間じゃないのか人は少ない。受付には人はおらず、数人の冒険者が話をしているだけだった。


「ヒュー。エルフが来たぜ。上物だ」

「俺のパーティーに入らないか? そこのデブよりはいろいろ楽しませてやるぜ。後ろの嬢ちゃんも、どうだい?」

 ゲヘヘヘヘって感じで笑ってる。あの笑い方初めて見た。

 冒険者ギルド定番の美女いじり? スーツ姿の俺なんて相手にされてないんだろうなぁ。

 ちょっと、ちょっとだけだぞ? イラっとする。

 威圧かあ? 威圧って魔力で精神を押さえつける感じでいいのか? 

「私の連れに手を出さないでいただけませんか?」

 俺はイメージに合わせて、ちょっかい出した冒険者に魔力を当ててみた。冒険者たちは気絶し失禁までしている。クリスとフィナは目を見開いて俺を見ると、俺を引きずるように冒険者ギルドのはしっこへ連れていく。

「ちょっとやり過ぎた?」

 二人に聞いてみると、

「マサヨシ。下手したら、精神的なショックで死ぬわよ?」

 クリスがあきれた顔をして言う。

「マサヨシ様は強いので、注意です」

 フィナは真剣な顔だった。

「すまん。二人がいじられていたから、ちょっとイラっとしてな」

 俺もいじられてイラっとしたことは言わない。

「バカね。あんなの気にしないわよ。慣れてる」

とか言いながら、髪をいじるクリスは嬉しそうだ。 

「そうです、マサヨシ様の匂いが一番なのです」

 フィナは、俺の右腕に抱きつき匂いを嗅いでいた。

 フィナのはちょっと違うような気がする。


 ちょっかい出してきた男たちのことは無視して、受付へ向かう。

「すみません、俺の冒険者登録をお願いします」

 俺が大きめの声で言うと、受付の奥から受付嬢が出てきた。胸がでかっ、でも身長は百四十五センチぐらい? 茶髪のおかっぱで眼鏡をかけていた。年齢は若くも老けても見える面倒な奴だ。

「あっ、はい。わかりました。ではこちらへ」

 登録用の受付だろうか。そこに俺は導かれる。その受付の脇には水晶があった。

「えーと、私はリムルと申します。このドロアーテで受付嬢をやっています。以後お見知りおきを……。それではギルドカードを作りますね。お名前をこのカードにお願いできますか? 代筆が必要ならこちらで書くこともできます」

 カードと羽根ペンを渡され、とりあえず俺の名前を書く。

「マサヨシっと」

 書いたらすぐに返す。

「マサヨシさん、それではギルドカードを作成します。この水晶に手をかざしてください。あなたのステータス情報がこのカードに転写されます」

 おっと、字もOKみたい。

「了解。ここに手をかざすんだね」

 復唱しながら、俺は水晶に手をかざす。

 すると……明るすぎて目が開けられないぐらいに水晶が輝きだす。

 そして水晶から異音。

 ピシッ。ピシピシピシッ……。

 ピシ? って水晶大丈夫? 

 しばらくすると徐々に輝きは陰り元の水晶に戻った……のか? 細かいひびが入って真っ白になっているが……。

「水晶にひびが入るのを初めて見た」

 クリスが驚いていた。どういうこと? 


 受付嬢は事務的に進める。

「はい、これがマサヨシさんのギルドカードになります。これは、街に入る時など、身分証明になります。ギルドカードの発行は初回のみ無料で、再発行には銀貨三枚が必要になりますから、大事にしてくださいね。あと、あなたのランクはFとなります。依頼をこなせばF、E、D、C、B、A、S、と冒険者ランクが上がります。冒険者ランクは依頼の指標となり、依頼票に書いてあるランクは、冒険者ランクに相当するとお考えください。そして受けられる依頼はパーティーに居る最高ランク者の一つ上までとなっております。ご注意ください。ちなみにSランクになると国に召し抱えられたり、爵位を得たりする人もいます。まあ、数多いる冒険者の一握りになりますが……。手っ取り早く名声を得ようと思えばダンジョンを踏破すればいいのですが、ダンジョンに入れるのはパーティー内にCランク以上が居ることが条件となりなす。これは、弱い冒険者が入って命を散らさないようにするためです。ご了承ください。これで説明を終わります。頑張ってくださいね」

 定型文を一気に読み上げたようだった。


 俺は出来上がったギルドカードを受け取る。そのついでに気になることを聞いた。

「水晶にひびが入ったけど……」

「ああ、水晶にひびが入るのは、あなたが強いからです。ステータスにSやSSの部分があるのかもしれませんね。かく言う私もひびが入るのは初めて見ました。まあ、この水晶自体はそんなに高いものではありませんから、お気になさらず。それに、強い人がギルドに入るのは喜ばしいことです」

 リムルさんはにっこりと笑う。……けど何だか悪い笑い方に見えた。

 SやSSねえ……

「そういうことね。わかった、ありがとう」

 俺たちはカウンターを離れ、食堂のテーブルに向かった。


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