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服を買おう

「やばっ」

「どうしたの? マサヨシ」

 気になったのか、クリスが聞いてきた。

「俺、替えの服が無い。下着もない。タオルもない。買わないと……」

 当然ながら、帰宅途中だった俺には、着替えなんてのは全くない。

「私も替えの服が欲しいわ。カバンに入っていたのは上下一枚ずつだったから」

「私も替えが少ないので、服が欲しいです」

 三人揃って、服がない。


 俺たちは通りを歩き、衣料品店を探す。

「ここなんてどう?」

 クリスが聞いてきた。確かに色とりどりの服が並ぶ。男性用も女性用も扱っているようだ。店の前には着古した服がワゴンセールのようになっていた。

 中に入ると店員が出てくる。人間のようだ。


「いらっしゃいませ、どのようなものがご入用で?」

「俺と、この二人の着替えと下着を見繕ってほしいんだ。1週間分。冒険者だから、実用性が高いと助かる。下着は着心地のいいものを頼む」

「畏まりました、ご予算は?」

「クリス、どのくらいが相場になるんだ?」

少し考えると、

「オーダーじゃないなら、新品の服で一着銀貨二枚ぐらいだと思う」

 一枚二万円。大量生産ができないから、こんなものなんだろう。下着と服上下で一日八枚。それが七日分。五十六枚。で三人だと銀貨百六十八枚か

「それじゃ、三人で金貨二枚になるように頼む」

「えっ少々お待ちください」

 店員は驚いて店の奥に行く。

「下着は大体銀貨一枚よ」

 クリスが耳元で囁く。

「金額設定高すぎた?」

「まあ、いいんじゃない? いい客だと思ってるだろうから」


 店員が一人増え、俺側に一人とクリス・フィナ側に一人付く。

 俺は、実用性を重視し適度にポケットがあって、丈夫そうなズボンとシャツを選ぶ。下着はゴムなんて無いので紐で絞めるトランクスっぽい奴とタンクトップっぽいの。特に肌ざわりのいいものを選んだ。あと、靴下も七足。靴もあったので、足に合うものを二足ほど買った。


「マサヨシ、ちょっと来て。どっちがいい?」

俺が行くと、クリスが俺の前に下着を見せてくる。経験上、女性がこういう時は自分が使いたいものは決まっているのだ。

「大体決まってるんだろ?」

「まあね、さあどっち?」

「このレースの奴かなぁ。綺麗だからクリスに合いそうだ。まあ、下着なんかなかなか見れないだろうがね」

苦笑いしながら言う。

「当たり」

 クリスは俺が当てたのが嬉しいのか笑いながら言った。

「フィナも!」

「はいはい、フィナなら、リボン付きのこっちかな?」

「あったりぃ」

ふう、当たってよかった。外せば外したで色々長い時がある。


「お嬢さん方はお客様の奴隷ではないのですか?」

店員が首を傾げながら尋ねてきた。

「違う、パートナー。行きがかり上、隷属の紋章を付けているだけ。そんなもの無くてもいいんだけどね。一回付いたら外れないらしいからそのまんまなんだ」

 女性の買い物は長いと相場は決まっている。下着は決まっても服でまた同じことが起こる。

「服も選ぶんだろ? ちょっとそこら辺ぶらぶらしてくるよ」

クリスとフィナにいうと、

「「店で待ってる(ます)」」

 二人に見送られた。


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