【重要】大規模アップデートのお知らせ
特に何かあったわけでもなく、ただなんとなく上を見たほうがいいような気がした。そんな気がしたのは俺だけではなかったようで、先ほどのコンビニの店員も、おそらく布団で寝ていたであろう人も、重病で伏せっていたであろう人たちも、生まれたての赤ん坊も、それをあやしていた母親も、みんなが上を見上げていた。別に視線を強制されたわけでもないのでキョロキョロと周りを見回していると、上の方から声が聞こえてきた。
『あー、あー、テステス。聞こえているでしょうか。テステス。うん。聞こえてそうですし見えてそうですね。皆さんのオドロキの表情がよく見えます。』
空に巨大な映像が映し出され、そのなかにいる人が呼びかけてきた。
『はいはいどうもどうも。みなさんお久しぶり…ではなくて…はじめまして。創造主です。』
巨大な映像の中の人は今なんて言った?『創造主』?一体どういうことなのか。気づくと、視線が固定されていた。眩しいはずなのに、瞬きもできない。いや瞬きをするのも惜しい、もっと見ていたい、というような気持ちになっていた。
『えーまずはお礼から。みなさん先日のアンケートにはご協力ありがとうございました。沢山の方のご意見、ご感想をこれからの運営に活かしていきたいと思っております。』
アンケート?そんなものに答えた覚えもないが。
『皆様夢の中だったのにもかかわらずしっかりとお答えいただきありがとうございました。そこで早速ではありますが、これからのこの世界の運営についてのお知らせがいくつかございます。これからの世界に関わることですので、しっかりとご理解ください。』
夢の中?この世界の運営?何かのゲームの挨拶のようだ。一体何を言っているのか。おそらく話を聞いている全員がついていけていない状況でも、『創造主』はお構いなしに話を続けた。
『これから皆様の手元にこれからこの世界に施される変更点を記載した画像が配布されます。しっかりとご理解の上、読み進めてください。』