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アムスホルン大陸記  作者: EDA
第三章 紡がれる運命
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Ⅲ-Ⅳ 凶刃

2017.7/8 更新分 1/1

「なるほど。つまり、聖職者にあるまじき蛮行に及ぼうとした神殿長に然るべき報いを与えたために、あなたがたは罪人として追われることになってしまったわけか」


 トトスの引く荷車の荷台で揺られながら、クリスフィアはそのように申し述べてみせた。

 クリスフィアからなるべく遠い位置に陣取った傭兵アッカムは、「そうだ」とくぐもった声で応じてくる。


「俺は身体が不自由であると虚言を吐き、あのエイラの神殿の世話になっていた。それに気づいた神殿長が、今後も世話をしてやる代償にその身を捧げよと、俺の妻を脅したのだ。最初に虚言を吐いた俺にも罪はあるのだろうが、あの忌まわしい老人を痛めつけたことを悔いてはいない」


「それはそうであろうな。わたしが同じ立場でも、とりあえずは足腰が立たないぐらいに痛めつけてから、虚言を吐いた罪をわびていたであろうと思うぞ」


 もしもフラウが同じ目にあっていたら――などと想像しただけで、クリスフィアは腹の煮える思いであった。

 また、クリスフィア自身も我を見失ったロネック将軍に襲われかけた経験がある。どのような理由が存在したとしても、あんな無法な真似を許せるはずがなかった。

 クリスフィアのかたわらでぜいぜいと息をついていたリッサも、「まったくひどい話ですね」と述べている。


「まあ、高い地位にある神官などというものは、日常的に清廉潔白な立ち居振る舞いを求められる分、抑圧された情動というものを抱え込む傾向にあるようですよ。聖教団の上層部の腐敗っぷりといったら、それはもう聞きしにまさる有り様であるようですからね」


 リッサだけではなく、フラウやレミもまだ荒い息をついている。追いすがる神官たちを振りきってこの荷車に飛び乗るまで、ほとんど駆けどおしであったのだ。平気な顔をして会話を続けているのは、クリスフィアとアッカムのみだった。


 荷車は、真っ直ぐダーム公爵邸を目指している。アッカムたちをこの荷車に乗せる姿は誰にも見られていないはずであるので、たとえ神官たちが衛兵に申し立てをしていたところで、もう追跡される危険はないはずだった。


「しかしだな、そもそも虚言などを吐いたばかりに、あなたは奥方を危険な目にあわせることになったのだぞ、アッカムよ。あなたは何故、身体が不自由であるなどと虚言を吐いたのだ?」


 クリスフィアが問うと、アッカムは包帯の隙間から覗く瞳を用心深そうに光らせた。


「むろん、それには相応の事情がある。しかし、出会ったばかりの人間にそれを打ち明けるわけにはいかんのだ」


「ふむ。しかしわたしは、こうしてあなたがたを救ってさしあげたのだ。あまり恩着せがましいことを述べるつもりはないが、少しぐらいは事情を聞かせていただく権利はあるのではないのかな?」


「……しかし、俺ひとりの裁量ではどうにもならんのだ。それを不服と思うならば、この場でたもとを分かつ他あるまい」


 アッカムは、頑なであるようだった。

 そんなアッカムの腕に取りすがり、レミはとても不安そうな顔をしている。

 あまり腹芸の得意ではないクリスフィアは、思ったことをそのまま口にすることにした。


「あなたはたいそうな剣士であるようだ、アッカムよ。だからきっと、衛兵などに取り囲まれたとしても、無事に切り抜けることはできるかもしれん。しかし、大事な奥方を守りきることはできるのか? あなたの双肩には、自分ばかりでなく奥方の命運もかかっているのだぞ」


「…………」


「率直に言わせてもらうと、わたしはその奥方が信用に足る人間であると見込んで、こうして力を貸すことに決めたのだ。逃げてきたのがあなたひとりであったならば、おそらく荷車に乗せたりはしていなかったところであろうな」


「……俺のことは、信用できないということか」


「もちろんだ。あなたは顔も素性も隠したままで、重い怪我を負っているなどという虚言までついていた。そんな人間を、たやすく信用することはできまい」


「……ならば、この荷車から放りだせばよかろう」


「だから、奥方の命運までをもそのように軽んずるな、と言っているのだ」


 クリスフィアは、いくぶん苛立った声をあげてしまった。


「あなたは不信の念に凝り固まっているようだな、アッカムよ。しかし、わたしは素性を隠したりもしていないし、虚言も吐いていない。そうして、あなたがたの窮地を救ってもみせた。それでそのように疑い深げな目で見られるのは、はなはだ不愉快だ。そちらの奥方がそんなに困ったお顔をしていなければ、言われるまでもなくあなたを荷車から追い出していたであろうさ」


「姫様、少しお気を静めてください。そのように仰られては、波風が立つばかりです」


「しかしだな、フラウ――」


「この御方たちは、ダーム公爵邸の場所さえ教えてもらえれば十分だと仰っていたではないですか? そこにさらなる救いの手を差しのべたのは、姫様みずからのご判断でしょう? それでしたら、今少しは寛容なお気持ちであられるべきだと思います」


 クリスフィアは口をへの字にして、頭をかき回すことになった。

 フラウのほうは、悪戯小僧のようににっこりと微笑んでいる。


「それに、この御方たちには姫様のお言葉が真実であるかどうかを確かめるすべもないのです。姫様のように奔放な御方が本当にアブーフ侯爵家の嫡子であられるのかどうか、普通であればなかなか信用することも難しいのではないでしょうか?」


「そうか。フラウはどうあっても、わたしの側に非があると述べたてたいのだな」


「いえ。わたしは姫様がどれほど公正で親切であるかを知っていますので、他の方々にもそれを正しく知ってほしいと願っているばかりです」


 ほめられているのかけなされているのかも判然としないまま、クリスフィアは口をつぐむことになった。

 すると、今度はアッカムが困惑気味の声をあげてきた。


「確かに、不実なのは俺のほうなのだろう。お前……いや、あなたの親切には感謝しなければならない立場だということはわかっている。ただ、俺は……色々と厄介な出来事に巻き込まれて、なかなか簡単には他人を信じる心境になれずにいるのだ。ついさっきも、善人と思い込んでいた神殿長に裏切られたばかりでもあるしな」


「アッカム……」と、レミが悲しそうにその横顔を見つめる。


「ただ、俺ひとりの裁量ですべてを打ち明けるわけにはいかない、というのは真実であるのだ。俺が勝手な真似をすれば、大事な人間に不幸な事態を招きかねない。だから、どうかご容赦をいただきたい」


 クリスフィアは内心で「おや」と思い、アッカムの姿をまじまじと見つめ返すことになった。

 外套と包帯で素顔を隠したアッカムは、やはり手負いの獣じみた目つきをしている。しかしそこには、これまでとは異なる実直そうな光が浮かんでいるようにも感じられた。


(やっぱりこの御仁は、ただの荒くれ者ではないようだな。それに……ひょっとしたら、傭兵などではなく貴族に連なる身分なのではないだろうか? 言葉の端々に、卑しからぬ生まれであるような気配が感じられるぞ)


 クリスフィアは、傭兵とも貴族とも等しく交流のあった身である。そんなクリスフィアであるからこそ、感ずるものがあるのかもしれなかった。


(なおかつ、さきほどリッサと出くわしたときの、立ち居振る舞い……とっさに距離を取り、外套の下で長剣の柄をつかんだあの挙動は、歴戦の勇士のそれだ。貴族であるとしても、わたしと同じように最前線で刀をふるう立場であったのだろうな)


 それに、このアッカムはまだずいぶん若いのであろうと思える。それでいて、クリスフィアと五分以上の剣士であるようなのだから、並大抵の素性であるとは思えなかった。


「……あなたはずいぶんと深刻な事情を抱えておられるようだな、アッカムよ。では、やはりその顔の包帯も、手傷を負ったためではなく、素性を隠すために纏いつけている、ということなのであろうか?」


 クリスフィアの言葉に、アッカムは分厚い肩をぴくりと震わせた。

 その目にまた不信の火が燃えあがっていくのを感じて、クリスフィアは微笑してみせる。


「どうやら、図星か。では、もうひとつだけ問うておきたい。あなたは神殿長を痛めつける前から、素性を隠さねばならないほどの大罪人であったというわけか?」


「……俺はこの身に恥じるようなことは、何ひとつしていない。俺が言えるのは、それだけだ」


「ふむ。奥方は、どのように考えているのかな?」


「は、はい。確かにわたしたちは神殿の方々をだましていましたが……それを除けば、決してセルヴァに恥じるような真似はしていないと、ここに誓います」


「そうか。では、その言葉を信じよう」


 クリスフィアの言葉に、アッカムは「なに?」と目を剥いた。


「あなたがたは、事情は話せないのだと言い張っている。それはすなわち、その場しのぎの虚言でわたしをあざむこうという気持ちはない、ということだ。その行いをもって、あなたがたが悪人ではないと信じることにする」


「……本当にそれで納得がいったのか?」


「もとより、わたしとあなたがたは行きずりの関係であるしな。勝手に助けておいて事情を打ち明けろと迫るのは、確かに筋違いであるように思える。ダーム公爵邸の前まではお運びするから、後は好きにするがよかろう」


 そのダーム公爵邸にも、そろそろ到着する頃合いであるはずだった。

 窓からは、夕闇に染まった情景が見えている。荷車の内部も、だいぶん薄暗くなってきていた。


「あなたがたの知人は、公爵邸の霊廟にこもっているのであろう? 何なら、あなたがたが門の外で待ちかねていると伝えておいてさしあげようか?」


「そうしてもらえれば、ありがたいが……あなたは、ティートを知っているのか?」


「いや、いまだに姿を見たことはないな。しかし、葬儀でもないのに霊廟に近づく人間など他にはなかなかいないであろうから、見間違える恐れはあるまい」


「そうか……」とアッカムは目を伏せた。

 それから、何やら決然とした様子でクリスフィアを見つめてくる。


「あなたは本当に公正かつ親切な人間であるようだな、クリスフィア姫。これまでの無礼な振る舞いを許していただければ、ありがたい」


「別にわたしは、ことさら公正でも親切でもないぞ。そんなのは、フラウが勝手に言っていることだ」


 クリスフィアはただ、ひたすらレミのことを気の毒に思っているばかりであった。

 このレミが悪さをしたり人を裏切ったりすることは決してないだろう、とクリスフィアは勝手に思っている。そして、アッカムと名乗るこの人物と本当に夫婦であるかはわからぬものの、心の底から情愛を注いでいる、という気配が目に見えるのと同じぐらいにはっきりと伝わってくるのだ。


 きっとこのアッカムという人物は、公にできぬ事情や秘密というものを抱え込んでいるのだろう。

 そしてこのレミという娘は、そんなアッカムに思いを寄せるばかりに、厄介で危険な運命に巻き込まれてしまっただけの立場であるに違いない。何の証もないままに、クリスフィアは直感でそのように考えていた。


 だからクリスフィアは、ひどくはかなげに見えるレミのことを気の毒に思い、力になってやりたいと願っているだけなのであった。

 また、それはクリスフィアの勝手な思い込みによる判断であるのだから、べつだん公正でも親切でもないと思っている。こんなのは、傷ついた小鳥を拾って勝手に手当をほどこしているようなものであるはずだった。


 クリスフィアがそんな風に考えていると、やがてアッカムが重々しく言葉を振り絞った。


「……クリスフィア姫よ、もしもティートが許すならば、あなたにはすべての事情を打ち明けさせてもらいたいと思う」


「なに?」と今度はクリスフィアが目を見開く番であった。


「そのティートという人物は、あなたにとってそれほどの人物であるのか?」


「そういうわけではないのだが、俺たちにとって大事な人間を守るには、あの男の思惑をおざなりにはできんのだ」


 何だかよくわからない言い草であった。

 クリスフィアは下顎に手をあてて、「ふむ」と考え込む。


「そういうことであれば、霊廟まではご一緒しようか。それで、ともにそのティートという人物と話をできれば、手間もかからぬしな」


「なに? 俺たちをダーム公爵邸に招き入れようというのか?」


「いや。霊廟も確かに公爵邸の一部ではあるが、本邸の前まで乗りつけない限り、荷台の内側を探られることはないのだ。ダーム公爵を守る警護の武官たちは、本邸の周囲に集められているのでな」


 クリスフィアもティートという人物を捜して霊廟まで足を運んだことがあるので、それは確かな話であった。

 アッカムは、困惑した様子で口をつぐんでいる。


「まあ、わたしを信用できないのであれば、石塀の外で待っているがいい。何も無理強いをする気はない」


「いや……屋敷の守衛たちに見とがめられる恐れがないならば、ティートのもとまで案内してもらえたほうが助かる。万が一、やつめと行き違いになってしまえば、俺たちは野で夜を明かすことになりかねないからな」


「そうか。では、ともに参ろう。公爵邸は、もう目の前のはずだ」


 そこでクリスフィアは御者台がある壁のほうに寄り、通話のための小窓を開いた。


「すまんが、いささか事情が変わった。このまま公爵邸の門の内に入り、霊廟のほうに向かってほしい。霊廟の位置はわかるか?」


「ええ、わきまえております。客人をお連れしていることを門衛にお伝えしなくてもよろしいですか?」


「うむ。伝える必要はない。霊廟で知人と会えたら、また荷車で門の外に出ていただくからな」


「了解いたしました」


 クリスフィアは窓を閉めて、アッカムたちのほうを振り返った。


「この御者は王都から連れてきた者であるので、ダーム公爵よりもわたしのことを重んじてくれている。何も心配する必要はないぞ」


「ご厚意、感謝する。……そういえば、クリスフィア姫はフゥライというご老人とお会いできたのであろうか?」


「いや、まだだ。わたしは少し話をうかがいたいだけであるのに、王都に連れ戻されてしまうとでも考えているのかな。追っても追っても狡猾なギーズの鼠のようにすたこらと逃げてしまうのだ」


 クリスフィアが軽口を叩くと、レミが「まあ」とかすかに笑った。

 それは風にそよぐラナの花みたいにはかなげな笑みであったが、クリスフィアは無性に嬉しくなってしまった。


(このアッカムという御仁も、きっとレミのことを大事に思ってはいるのであろうな。というか、そうでなかったら、あまりにレミのほうが気の毒だ)


 クリスフィアがそのように考えたとき、荷車が停止した。

 ハッと身を強ばらせる両名に、「大丈夫だ」とクリスフィアは小声で呼びかける。


「公爵邸に到着したのであろう。まがりなりにも侯爵家の嫡子たるわたしの車を覗き見しようなどと考える門衛はいないから、何も心配する必要はない」


 この最初の門までは、商人や使用人なども比較的自由に通ることができるのだ。それは、外来の民であふれるダーム領の領主に相応しい、開放的な作法であった。

 その代わり、本邸に足を踏み込もうとする人間は、徹底的に調べあげられる。クリスフィアがどれほど弁明しようとも、顔を隠した人間などを邸内にまで招き入れることは不可能なのであった。


 アッカムは、腰に手をやったまま、じっと動きを止めている。

 やがて車が動き始めても、その手が剣の柄から離れることはなかった。

 それを横目に、クリスフィアはまた御者に呼びかける。


「では、霊廟まで急いでくれ」


「かしこまりました。……ただ、いささか邸内が騒がしいように感じられますぞ、姫様」


「うん? それはどういうことだ?」


「普段は二名いる門衛が一名しかおりませんでしたし、あちこちで松明を掲げた武官が走り回っているようです。もしや、曲者でも現れたのではないでしょうか」


 この御者は、ヴェヘイム公爵家の嫡子レイフォンから借り受けた、非常に優秀な人物である。目端はきくし、剣の腕も確かであり、レイフォンからは全幅の信頼を置かれているようだった。


「公爵邸に、曲者か。しかし、門衛は何も伝えてこなかったのか?」


「門衛にもまだ事情を伝えられていない様子です。それで一名が様子を見にいくために門から離れた、といったところでありましょうか」


 それでもあっさりとクリスフィアたちを通したならば、それほど危急な事態ではないようにも思える。

 が、クリスフィアも普段以上に気を引き締めることにした。


「何か騒ぎが起きているようならば、客人たちはいったん門の外でお待ちいただく。注意しながら、車を進めてくれ」


「かしこまりました」


 公爵邸の領地は広大であったが、車を使えば霊廟まではすぐである。

 荷車は、三十を数える前に、再び停止した。


「姫様。霊廟の前に、武官が集まっているようです」


「なに?」


「わたしが事情を聞いてまいりましょう。少々ここでお待ちください」


 小窓の向こうで、御者がひらりと地面におりる姿が見えた。

 クリスフィアは、眉をひそめてアッカムたちを振り返る。


「念のために聞いておくが、あなたがたの知人が何か騒ぎを起こしたわけではあるまいな?」


「そうではない、と俺も信じたいところだが……いかんせん、そこまで性根の知れている相手ではないので、何とも答えようがない」


「ふむ。それでも、あなたがたにとっては命運を左右する大事な相手であるのであろう?」


「そんな相手に命運を握られてしまっていることが、そもそも不本意であるのだ」


 どうにもよくわからない話であった。

 まあ、ティートという人物を無事に捕獲することができれば、いくらかは事情を聞かせてもらえるかもしれない。

 クリスフィアはそのように考えていたが、残念ながら、その瞬間が訪れることはなかった。


「姫様、話をうかがってまいりました」


「ああ、何の騒ぎであったのだ?」


「はい。どうやら霊廟で調べ物をしていた聖教団の人間が、何者かに斬られた様子です。現在は医師が治療をほどこしておりますが、生命を落とす危険が高いとのことです」


 アッカムが、愕然とした様子で大柄の身体を震わせた。


「そ、それは、ティートが斬られたということなのか?」


「お名前までは、うかがっておりません。というか、武官たちも名前までは聞かされていないのでしょう。ですが、現在の公爵邸に出入りしていた聖教団の人間というのは、おひとりのみであったはずです」


「何ということだ……」とアッカムが頭を抱え込む。

 それから、その目が凄まじい炎をふきあげた。


「それで、ティートを斬った曲者は捕まったのか?」


「いえ、現在は、十二獅子将のシーズ様が曲者を追われているようです。シーズ様は本日、公爵家の晩餐に招かれていたご様子ですね」


 アッカムは、同じ目つきのまま、クリスフィアを振り返った。

 そしてその口から、思いもよらぬ言葉を振り絞ってきた。


「クリスフィア姫、あなたを心正しき人間と見込んで、どうかお願いしたい……その曲者を捕らえるのに、あなたの力を貸してはいただけぬか?」

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