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アムスホルン大陸記  作者: EDA
第七章 糾える運命
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Ⅳ-Ⅴ 軍議

2019.10/19 更新分 1/1

 ゼラド軍が、進軍を開始した――その報が届けられるとともに、金狼宮および遠征兵団の兵舎においては荒々しい熱気が渦巻くことになった。

 遠征兵団は過ぎし日にグワラム戦役を終えたばかりであったが、かの戦いによって大敗を喫していたために、やり場のない熱情を抱え込んでいたのであろうか。何にせよ、たび重なる戦乱に不平の声をあげる人間は少なく、ダリアスの目から見ても士気は上々という様相であった。


(しかし、まさか本当に、俺が遠征兵団の団長に任命されてしまうとはな……)


 黒羊宮から金狼宮へと戻るさなか、ダリアスは内心でそのようにひとりごちた。

 たったいま、ダリアスは新王のおわす謁見の間へと招集され、十二獅子将としての身分の回復と、第二遠征兵団団長への任命を言い渡されたのである。


 もともと第二遠征兵団というのは大罪人ロネックの旗下であり、ロネックが元帥に任命されたのちは、副官であった人間に団長の座が与えられていた。

 もちろん現在は、ロネックの腹心であったとされる人間の全員が役職を解かれて、審問を待つ身である。ロネックがグワラム戦役において犯した大罪――ルデン元帥およびディザット将軍の謀殺を暴露したのも、その腹心のひとりであったのだった。


(しかし、ロネックの手下を全員炙りだせたかどうかは確証のない話だし、そうでなくとも、俺にとっては全員が見知らぬ相手だ。こんな状態で、いきなり一万の兵を統べよというのは、なかなかに難儀な申し出だな)


 そのように思う反面、ダリアスはひそかに奮起していた。

 遠征兵団の団長というのは騎士の誉れであるし、このたびの戦いには《まつろわぬ民》が絡んでいる可能性がある、とも言われている。得体の知れない陰謀劇の中でもがくよりは、戦場で剣を振るうほうが、ダリアスの性分には合っていた。


「おお、ダリアス。これでおぬしも、晴れて一軍の長だな。こんな際でなければ、祝杯でもあげたいところだ」


 金狼宮に到着し、執務室の扉を叩くと、卓に広げた大きな地図を覗き込んでいたディラーム老が、武人らしい笑みでダリアスを迎えてくれた。

 周囲に集うのは、イリテウスを含めたディラーム老の腹心たちである。その中に、武官ならざる者たちの姿を認めて、ダリアスは苦笑することになった。


「レイフォンらも参じていたのか。まあ、ゼラドが動いたとあっては、お前たちも呑気にお茶を楽しんではいられぬのだろうな」


「そうだねえ。本当に、束の間の安息であったよ」


 優雅に笑うレイフォンのかたわらでは、従者のティムトが目礼をしていた。この、少女のように繊細な面立ちをした少年こそが、レイフォンの知略の根源なのである。ダリアスは王都に帰還して以来、驚くべき話をいくつも聞かされることになったが、ティムトの一件もそのひとつであった。


「これで、全員がそろったな。では、略式ではあるが軍議を開始したいと思う」


 ディラーム老がそのように宣言すると、その場に集った武官たちはいっそう面を引き締めることになった。

 ダリアスには馴染みのない人間が多いが、これが現在の遠征兵団の首脳陣であるのだ。ディラーム老は元帥の座に返り咲いたために、第三遠征兵団団長の座は、かつてヴァルダヌスの副官であった人間が任命されていた。第一遠征兵団の団長は、かつてディザット将軍の旗下であった千獅子長だ。ロネックとジョルアンが失脚したために、十二獅子将の顔ぶれはまた大きな変動を余儀なくされたのだった。


「すでに通達している通り、ゼラド軍の進軍が密偵の報告によって明らかとなった。ゼラド軍は三日と経たぬ内に我らが領土を侵犯し、十日の内にはグリュドの砦に到達することであろう」


 力に満ちた声で、ディラーム老はそう言った。

 武官たちは、厳しい表情でそれを聞いている。


「本来であれば、我らも早々にグリュドの砦を目指し、どの地でゼラド軍を迎え撃つべきか、軍議を重ねるべきであろうが……このたびは、いささか普段と異なる状況にある。その点を、レイフォンに説明してもらいたい」


「承知いたしました。まずは、武官ならぬ私などがこのような場で口を差しはさむことを、どうかご容赦願いたい。これは、王国の行く末に関わる一大事でありますので」


 弁舌なめらかに、レイフォンはそのように切り出した。


「まず、この場におられる方々はすでに承知しておられるかと思われますが……このたびのゼラド軍は、第四王子カノンを名乗る人物を旗頭に掲げると予測されております。おそらくゼラド軍は、第四王子カノンに正当な立場を回復させるという大義名分を掲げて、王都を踏みにじろうと目論んでいるのでしょう。そうでなければ、王都の軍に確保されようとしていたカノン王子……ないしはカノン王子を僭称する何者かを奪い去る理由もないでしょうからね」


 そういった話は、すでに兵団内にも通達されているのだという話であった。王都を離れていたダリアスは、つい数日前にレイフォンから聞かされたばかりの話である。


「もともと我々は、その偽りの大義を打ち砕くために、ひとつの策謀を巡らしておりました。その件に関しても、周知は為されたのですよね?」


「うむ。昨日の内に、この場にいる人間にのみ、打ち明けた。この王都にも、ゼラドの間諜は潜り込んでおるのだろうからな。まだ公にするわけにはいくまい」


「それは重畳。……ディラーム老からご説明がありました通り、我々はカノン王子を名乗る人間をゼラド軍から引き離すために、使者を送りました。カノン王子を名乗る人間――煩雑ですので、今後は偽王子と呼ばせていただきましょうか。偽王子のもとにはメナ=ファムなる自由開拓民が同行しているという話であったため、その弟たるロア=ファムを使者として送りつけたのです。その目的は、メナ=ファムを通して偽王子を説得し、ゼラド軍から離脱させることでありますね」


 それもダリアスが、この数日で聞き及んだ話であった。

 ロア=ファムという少年には第一防衛兵団の兵士たちと、それにメルセウスの配下である森辺の狩人が同行しているとのことである。


「そちらの策謀が功を奏せば、ゼラド軍を撤退させることがかなうかもしれません。我々としては、それがもっとも望ましい結果であるのですが――正直なところ、見通しは決して明るくありません。その理由も、すでにお伝えに?」


「うむ。しかし、おぬしの口から、もうひとたび説明するべきであろうな。正直なところ、儂とてそう簡単に承服できる話ではないのだ」


「承知いたしました。その理由は……王国の転覆を願う邪神教団の一派、《まつろわぬ民》の存在であります」


 レイフォンの弁舌は、どこまでもなめらかである。

 これが本当に、ティムトの指示通りに語っているだけであるのかと、ダリアスとしては不審に思えるぐらいであった。


「《まつろわぬ民》の目的は、四大王国を滅ぼして、この世に魔術の文明を蘇らせることとなります。これだけでは、いかにも御伽噺めいた妄言としか思えぬところでありましょうが……しかし、そのような妄念を抱いて、王国に毒牙を向けようとする者たちが存在することは、まぎれもない事実です。先日の審問にて魂を返すことになったジョルアン将軍、および大罪人として捕縛されているロネック将軍とバウファ神官長もまた、《まつろわぬ民》の手駒として災厄を招いた人間たちであるのです」


「……しかもその者たちは、前王の死にも関与している、という話であるのですね?」


 そのように反問したのは、第三遠征兵団の団長――ヴァルダヌスの副官であった人物であった。

 レイフォンは穏やかな面持ちで「その通りです」と首肯する。


「前王や王太子たちばかりでなく、赤の月の災厄の前後に魂を返すこととなった、数多くの十二獅子将たち――第一防衛兵団団長のアローン将軍、第一遠征兵団のディザット将軍、ルデン元帥、ウェンダ騎士団団長のトラウズ将軍、そしてダーム騎士団団長のシーズ将軍も、すべて《まつろわぬ民》の陰謀によって魂を返すことになったのだと、我々は考えております」


「その中に……ヴァルダヌス将軍は含まれないのですか?」


 ヴァルダヌスの副官であった人物は、無念の形相で問い質した。

 そちらに向かって、レイフォンは「いえ」と微笑を返す。


「もちろん、ヴァルダヌス将軍も、この陰謀の被害者となります。前王らを暗殺したのが《まつろわぬ民》であるのなら、カノン王子やヴァルダヌス将軍は潔白の身となるのですからね。ただし、ヴァルダヌス将軍は生存の可能性も残されておりますため、さきほどは除外させていただきました」


「生存の可能性? しかし、ヴァルダヌス将軍は前王らとともに銀獅子宮で――」


「しかし、遺骸は発見されておりません。前王や王太子たち、それにアローン将軍に関しては、救出後に何日か生きのびた兵士の証言により、その死が明らかにされましたが、その人物もカノン王子とヴァルダヌス将軍の死は見届けていなかったのです」


「では……ヴァルダヌス将軍は、ご存命であると……?」


「あくまで、可能性です。真実がどうであるかは、いずれ明らかにされるでしょう」


 その人物は唇を引き結び、無言のままに一礼した。

 おそらくは、誇りをもってヴァルダヌスの副官をつとめていたのだろう。ヴァルダヌスというのは十二獅子将の中で一番の若年でありながら、誰にも負けない剣の力量と将の器を兼ね備えていたのである。


(闘技会でロネックめを打ち負かせるのは、ヴァルダヌスのみであったからな。もしもあやつが本当に生き永らえているというのなら……是非とも再会の祝杯を交わしてみたいものだ)


 ダリアスがそんなことを考えている間に、レイフォンは演説を再開していた。

 そして、その指先がいきなりこちらを指し示してきたので、ダリアスは虚を突かれることになった。


「ともあれ、《まつろわぬ民》の陰謀というのはそれほどに大がかりであり、そして、この世の摂理から外れた行いであったのです。そちらのダリアス将軍こそが、その生き証人となります」


 武官たちの目が、一斉にダリアスへと向けられる。


「ダリアス将軍はダームにおいて、三度に渡ってこの世ならぬ存在と相対することになった。……そうですね?」


「うむ。ジョルアンに脅迫されて間諜の役をつとめていたシーズは、使い魔なる妖魅によって害されることになった。その後に俺は、騎士団の兵舎を襲った妖魅の群れと、港町を襲った疫神ムスィクヮと遭遇している」


 たちまちその場は、不審のざわめきに包まれることになった。

 まあ、伝説の邪神と遭遇した、などと聞かされては、信じられないのが当然であろう。ダリアスとて、ひと月前であれば同様の心情であるはずだった。


「もちろん、あれが本物の疫神ムスィクヮであったかどうか、俺に判ずるすべはない。ただ、《まつろわぬ民》はそのように言い張っていたし、あれは邪神の名に値するほどのおぞましい存在だった、と断言することはできる」


「はい。そして、宿舎や港町が妖魅に襲われたという事実は、数多くの人間が証言しています。港町においては、疫病によって魂を返した人間が、妖魅と化して襲いかかってきたそうですね」


「うむ。妖魅の正体はちっぽけな鼠であり、それに噛まれて疫病にかかった人間が、さらなる妖魅と化したのだ」


「斯様にして、《まつろわぬ民》というのは、忌まわしき魔術を駆使する存在であるのです。妖魅を操り、人心を惑わし、王国の滅びを願う――我々にとっては、許されざるべき存在でありましょう」


 あくまでも穏やかな口調で、レイフォンはそのように言いたてた。


「もとよりこの世界は魔術に統治されていたのだと、神話には伝えられております。魔力の源たる大神アムスホルンが眠りに落ちたたため、世界は四大神と石の都の文明に受け渡されることになった――それが、我々の知る創世記であるのですからね」


「うむ。しかし、我々が魔術なんぞに屈する理由はない」


 ディラーム老が鋭く言葉を差しはさむと、レイフォンはそれをなだめるように「もちろんです」と微笑んだ。


「現在は、新大陸歴六二八年――大神が眠りに落ちてより、すでに六二八年が過ぎているのです。これだけ眠れば、大神が目覚めてもおかしくはないのかもしれませんが――しかし、《まつろわぬ民》というのは大神の目覚めを待つのではなく、力ずくで揺り起こそうとしているのです。人間風情が神に干渉しようというのは、決して許されない傲慢です。彼らは王国の敵というだけではなく、この世界そのものの敵であるのだと、私はそのように考えています。我々は、死力を尽くして《まつろわぬ民》を討ち倒さなくてはならないのでしょう」


「それで……その話が、このたびの進軍とどのように関わってくるのであろうか?」


 武官のひとり、第一遠征兵団の団長がそのように問い質した。

 悠揚せまらぬ様子で、レイフォンは「はい」と応じる。


「これもあくまで可能性の問題となりますが、《まつろわぬ民》はゼラド軍に肩入れするやもしれません。王国の滅亡を願う《まつろわぬ民》にとって、ゼラド軍というのは非常に使い勝手のいい存在であるのです。よって、ゼラド軍を迎え撃とうする我々や、偽王子の離脱をうながしにおもむいたロア=ファムたちにも、《まつろわぬ民》による妨害工作が為されるやもしれません」


「それはつまり……妖魅に襲撃される、ということか?」


「有り体に言うと、そういうことです。敵はゼラド軍のみならず、不測の事態にも備えていただきたい――それを進言するために、私はこうして武官ならぬ身で軍議に加わらせていただいた、ということですね」


 武官たちは、不審顔を見合わせることになった。

 戦も知らぬ公爵家の若君などに、自分たちの仕事場を荒らしてもらいたくない、という気持ちもあるだろう。その理由が妖魅やら何やらとあっては、なおさらである。


「レイフォンに参席を許したのは儂であるし、新王陛下からのお許しもいただいている。そのつもりで、レイフォンの言葉を聞いてもらいたい」


 ディラーム老が力のある声で宣言すると、武官たちは一斉に姿勢を正した。

 それを見届けてから、ディラーム老はレイフォンに向きなおる。


「むろん、知略家として知られるレイフォンであっても、軍師という肩書きは備えておらん。軍の運用に関しては、我々に一任してもらう他ないが――妖魅の襲撃に備えて、我々は何を為すべきであるのか、まずはそれをつまびらかにしてもらいたい」


「はい。私からの提案は、おおよそ三つとなります。まず最初の一つ目ですが――第三まで編成されている遠征兵団の内、一個は王都に留まっていただきたく思います」


「ふむ。王都には防衛兵団と五つの騎士団があるが、それでも不足であると?」


「ええ。それは、グワラムの動きも不穏であるゆえです。一昨日の未明、グワラムが再び火の手に包まれたという話は、すでに通達されておりましょう? 事と次第によっては、グワラムにも兵を向ける必要が生じるやもしれませんので、それに備えていただきたく思います」


 ディラーム老とダリアスは、昨日の時点でその話をレイフォンから聞いていた。それでもディラーム老が反問したのは、他の武官たちに同じ話を聞かせるためである。


「そして二つ目は、妖魅の襲撃に対する備えでありますね。もっとも危険と思われる最前線には、ダリアス将軍の部隊を配置していただきたく思います」


「うむ。それは、ダリアスがダームにて数多くの妖魅を退けたという実績を慮ってのことであるな?」


「はい。妖魅が出現した際には、ダリアス将軍に処置をお願いしていただきたく思います」


 さすがに、聖剣がどうのという話は、この場で持ち出されることもないようだ。武官たちは、無言でレイフォンの言葉を聞いていた。


「そして、最後の一点なのですが……これが遠征兵団の流儀に沿わないということは、重々承知しております。ですが、そこを曲げてお願いしたくあります」


「言葉を飾る必要はない。正否を定めるのは元帥たる儂であるのだから、まずは申し述べるがよい」


 実はこの話も、ダリアスたちは昨日の内に聞いている。ティムトの書いた台本に従って、レイフォンとディラーム老は言葉を交わしているのだった。


「指揮官たるディラーム老に、聖教団の人間を同行させていただきたいのです」


 武官たちは、怒るのではなくけげんそうな顔をした。どうしていきなり聖教団などが出てくるのか、理解が及ばないのだろう。


「聖教団の一部の人間は、伝書鴉という便利なものを扱うことができます。それをもちいれば、戦場と王都の間ですみやかに連絡を交わすことがかなうのですね。《まつろわぬ民》や妖魅がもたらす不測の事態に備えるために、このような話を持ち出した次第です」


「なるほどな。我々は、聖教団の者たちと長らく不和の関係にあったが――それは、教団の長たるバウファめが、あのような俗物であったためだ。これで聖教団が正しき姿を取り戻すというのなら、今後は手を携えていくべきなのであろう」


 まんざら演技という感じでもなく、ディラーム老はそのように言っていた。


「また、伝書鴉というものの便利さについては、儂もここ数日で思い知らされている。あれを使えば、グリュドの砦と王都の間でも、半日で文書を交換させることがかなおうな」


「はい。あのように便利なものを、聖教団だけに独占させておくべきはないでしょう」


「相分かった。同行させる人間に関しては、入念に吟味させてもらおう。皆も、異存はないな?」


 武官たちは、めいめい承諾の返事をしていた。

 レイフォンが妙にあらたまった様子であったので、もっと無茶な要求を突きつけられるのではないかと考えていたのだろうか。


(あるいはレイフォンも、それを見越してあのような態度を取っていたのかもしれんな。……いや、それもレイフォンではなく、ティムトの策略ということか)


 何にせよ、軍議の滑り出しは好調であるようだった。

 レイフォンとディラーム老に任せておけば、万全の態勢で出陣することがかなうだろう。ダリアスとしても、その一点に不安はなかった。


(しかし……)


 と、ダリアスはひそかに、寝所へと通じる扉のほうを盗み見る。

 そちらでは、ラナが父親や幼馴染と待機しているはずであるのだ。


 向かう先に妖魅が待ち受けているというのなら、ダリアスが聖剣を振るう必要がある。しかし、ダリアスが聖剣を扱うならば、削られた生命力を回復させるのに、ラナの存在が必要であるのだった。


(むろん、ラナを置いて王都を離れるというのも、不安の尽きないところではあるが……それでも、王都には頼もしい同志がそろっている。ラナを連れて戦場におもむくよりは、まだしも心労は少なかろうな)


 しかしダリアスは、《まつろわぬ民》とその野望を打ち砕くという使命があるのだ。

 ならば、迷うことは許されない。

 ダリアスにできるのは、何があってもラナを守り抜くという覚悟を固めることのみであった。

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