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アムスホルン大陸記  作者: EDA
第七章 糾える運命
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Ⅳ-Ⅱ 天に浮かぶ貌

2019.7/6 更新分 1/1

 ダリアスは、暗がりの中で許されざる敵と相対していた。

 この存在こそが、此度の災厄のすべての根源――眠れる大神アムスホルンを邪な手段で目覚めさせ、四大王国に滅びをもたらさんとする、《まつろわぬ民》なのである。


 しかし、《まつろわぬ民》はいまだにその正体を現していなかった。

 敵は今、ラナの姿に化けて、ダリアスの前に立っているのだ。


 容貌は、ラナそのものである。

 しかし、その可憐な細面には邪悪な笑みがたたえられ、ほっそりとした身体にはどす黒い瘴気が纏わりついている。

 そのおぞましい姿は、ダリアスの怒りをいっそうかきたててやまなかった。


「かえすがえすも、忌まわしき魔術師め……よりにもよって、ラナに化けて俺をたぶらかそうとはな! その浅ましき行いには、必ず然るべき報いをくれてやるぞ!」


『ほう……我がこの娘に化けている、と? 我の魔術で、この不憫な娘が肉体を乗っ取られているとは考えぬのか?』


 唇の端を吊り上げて、ラナの姿をした怪異はいっそう邪悪に嘲笑った。

 その双眸は、ぽっかりと空いた深淵のように漆黒である。

 光り輝く聖剣をかまえなおしながら、ダリアスは「ほざけ!」と応じてみせた。


「この聖剣が、貴様は敵だと告げてくれている! 貴様の外見など関係なく、その魂の邪悪さが嫌というほどに伝わってきているのだ!」


『ならば、斬り伏せてみせるがいい……最愛なる者を斬り伏せたとき、貴様は正気を保っていられるのであろうかな?』


 ラナの姿をした怪異が、ダリアスに躍りかかってきた。

 その指の爪が、獣のように鋭くなっている。ダリアスは、裂帛の気合とともに、聖剣を振り下ろしてみせた。


『ぬうっ……』と、怪異がうめき声をもらす。

 獣のごとき俊敏さで、怪異は横合いに跳びすさっていたが、その左肩からは鮮血が噴きこぼれていた。


『貴様……本当にその手で、最愛なる者を斬り伏せようというつもりか……?』


「そのような戯れ言に、俺が惑わされることはない! 貴様がそのように言葉を重ねることこそが、俺をたぶらかそうという虚言の証であろう!」


 ダリアスはおもいきり踏み込んで、聖剣を横薙ぎに振るってみせた。

 怪異は後方に跳躍したが、剣先がわずかに腹をかすめて、赤い血を飛散させる。

 ラナの姿をした怪異は、うめき声をあげつつ片方の膝をついた。


「俺が見ているこの光景は、すべて貴様が作りあげたまやかしであろう! その証拠に、ここにはリッサもルブスもいないではないか! 俺を騙したかったのならば、もっと細工を凝らすべきであったな!」


「わたしは……何も騙してなどはおりません……」


 弱々しい声とともに、怪異が面を上げた。

 茶色の瞳には涙が浮かび、小さな顔には悲哀の表情がたたえられている。


「わたしは、ダリアス様をお慕い申しあげております……それなのに、何故……」


「くどい!」


 ダリアスは、聖剣を真っ直ぐに突き出した。

 しかし、手応えは返ってこない。

 聖剣の導きに従って視線をもちあげると、そこに怪異の姿があった。怪異は大蜘蛛のように手足を広げて、水車小屋の天井にべったりとへばりついている。


『おのれ……貴様は、二重に守られているのだな……』


「二重?」と反問してから、ダリアスは思い至った。ダリアスの首には、ラナがトゥリハラの教えのもとにこしらえた護符の首飾りが下げられていたのだ。


(そうか。これは魔なるものを退ける護符であったな。あやしげな妖術を使う魔術師も、妖魅と同じようなものだということか)


 ダリアスは、聖剣を正眼にかまえてみせた。


「さあ、かかってくるがいい! それとも貴様には、他者に化けるていどの能しかないのか?」


『忌々しき背信者め……どうして貴様が、そのような魔道具を身に帯びているのだ……邪悪なる四大神の子に、魔道具などを生み出すことはかなわぬはず……』


「そのようなことを、貴様に教えてやる義理はない! かかってこぬなら、こちらから行くぞ!」


 聖剣に、黒と赤の光が渦巻いていた。

 蝙蝠の妖魅どもを相手取っていたときと、同じ現象である。ダリアスが聖剣を振り下ろすと、光は斬撃と化して、怪異へと襲いかかった。


 怪異はおぞましい咆哮をあげて、跳躍する。

 ダリアスの頭上を跳び越えて、木造りの床に着地した怪異は、そのまま戸板に体当たりをして、暗黒の向こうへとまろび出ていった。


「逃がさんぞ、魔術師め!」


 ダリアスも、迷わずに水車小屋を飛び出した。

 世界は、闇に包まれている。しかし、聖剣がまばゆいばかりの光を発しているので、灯篭を掲げているようなものだった。


 足の裏に伝わってくるのは、踏み固められた土の地面の感触である。

 少し離れた場所には、ダリアスたちがトトスを繋いだ樹木の影がぼんやりと見えている。

 しかし何となく、その場所には現実感がなかった。


「どこに行った! 臆したか、《まつろわぬ民》よ!」


『吠えるな、背信者め……我は、逃げも隠れもせん……』


 その声は、頭の中に直接響いているような感覚であるので、出どころはまったくわからない。

 しかし、ダリアスの手の聖剣は、また頭上に注意をうながしていた。

 その導きに従って、頭上を振り仰いだダリアスは――驚愕の声を呑み込むことになった。


 闇に包まれた天空いっぱいに、おぞましい顔貌が浮かびあがっている。

 恐ろしいほどに年古りた、老人の顔である。


 その顔には、無数の皺が寄っていた。まぶたや唇も干した果実のようにしなびており、頬はげっそりとこけている。

 毛髪はおろか、眉も睫毛も見当たらない。まるで、精緻な彫刻のように人間味のない顔である。肌の色も、死人のように生気のない土気色をしていた。


 あまりに巨大であるために、その醜い顔貌に刻みつけられた皺の一本一本までもが、くっきりと見て取れる。

 そして、その巨大な空洞としか思えない漆黒の双眸は、虚無的な憎悪をはらみながら、ダリアスの姿を一心に見下ろしていた。


「それが……それが貴様の素顔か、《まつろわぬ民》よ!」


 ダリアスは、聖剣から伝わってくる力強い脈動をよすがに、そのように叫んでみせた。


「俺たちは、貴様のもたらした災厄によって、さんざん苦しめられてきた! 魂を返すことになった前王や王太子たちばかりでなく、多くの無辜の民までもが、貴様の邪なる野望の犠牲となったのだ! 今こそ、その代償を払うがいい!」


『吠えるな、背信者よ……邪悪なる四大神に魂を捧げた、愚者どもの末裔よ……この世は大神そのものであり、すべては大神の民たる我々にゆだねられるべきであるのだ……』


「大神の民が、聞いて呆れるわ! 《まつろわぬ民》というのは、四大神の子として生を受けながら、大神アムスホルンに神を移した人間の集まりなのだろうが? しかも貴様たちは、邪なる禁忌の術をもちいて、大神の眠りをさまたげんとしている! 許されざる背信者は、貴様たちのほうだ!」


 胸中に渦巻く情念に従って、ダリアスは言葉を重ねていった。


「真なる大神の民は、いまでも聖域で大神の目覚めを待っている! 貴様たちは、決して大神の民などではない! 四大神を捨て、大神アムスホルンの眠りをさまたげようという、この世でもっとも忌まわしき邪教徒だ! 如何なる神々であっても、決して貴様たちの狼藉を許しはしないだろう!」


『解せぬ……』と、巨大な老人の顔がつぶやいた。


『そもそも、何故に貴様が《まつろわぬ民》の名を知っている……? その名が記されている魔術書は、王都にしか存在しないはず……』


「ふん! 王都には、頼もしき同胞が控えている! あちらでは、その者たちが貴様を悩ませているのであろうが?」


『そうだとしても、貴様はわきまえすぎている……そして貴様は、まるで聖域の民までもが同志であるかのように言いたてている……王国の民にとって、聖域の民などは野の獣にも等しい存在であろうにな……』


 老人の口が、ゆっくりと吊り上がっていった。

 ひび割れた口から、白い歯が覗く。それはまるで、獣のように鋭く尖っていた。


『つまりは、そういうことか……貴様に力を授けたのは、聖域の民……いや、聖域を捨てて魔術を学んだ、はぐれ者の魔術師であるのだな……それでようやく、合点がいった……』


 ダリアスは舌打ちをこらえながら、そのおぞましい笑顔をにらみすえた。

 ぞろりと生えそろった牙を剥きだしにして、老人の顔は金属的な笑い声をあげる。


『大神への信仰を捨てたはぐれ者の魔術師であれば、四大神の邪悪なる力に触れることもかなうのであろう……しかも、王国の民などに肩入れをして、我らに歯向かおうなどとは……なんと嘆かわしき話であろう……』


「嘆かわしいのは、貴様のほうだ! いいかげんにあきらめて、その首を差し出すがいい!」


『うむ……もはや問答の余地はない……この忌まわしき世界が滅ぶ前に、貴様は先んじて魂を返すがいい……』


 老人の口が、くわっと開かれた。

 すべての歯が、獣のごとき鋭さを有している。そして、その向こう側に広がるのは、星無き夜空のごとき完全の深淵であった。


 その深淵が、ダリアスの五体を包み込む。

 あの巨大な顔が、ダリアスを丸呑みしてしまったのであろうか。

 そのように想像すると悪寒が走ったが、それでもダリアスの心が怯むことはなかった。このようなものは、すべて魔術師の手妻であるのだ。


 世界は暗黒に塗り潰されて、もはや木立の影も水車小屋の姿もない。あの、トゥリハラの住処に導かれる際に通った暗黒の空間のごとく、そこは完全なる闇の中であった。


 もはや自分が、何を踏みしめているのかもわからない。

 ただ、聖剣だけは燃えるように輝いて、ダリアスの希望を灯してくれていた。


(またよからぬ幻術で、俺を惑わそうという心づもりであるのだろう。どのような手妻でも、この聖剣で打ち砕いてくれるわ!)


 ダリアスは心を研ぎすましながら、変異の訪れを待ち受けた。

 それが訪れたのは、永遠とも思える静寂がゆるゆると過ぎ去ったのちのことだった。


 白い人影が、ダリアスのほうに近づいてくる。

 ぼんやりとした光を帯びたそれは、遥かなる昔日に魂を返した、ダリアスの父親の姿をしていた。


『ダリアスよ。おぬしは父に刀を向けようというのか?』


 答えずに、ダリアスは聖剣を振り下ろした。

 父親の幻影は消え、新たな人影が浮かびあがる。


『ダリアス、ずいぶん立派になったわねえ』


 それは、ダリアスの母親の姿をしていた。

 ダリアスは、それも無言で斬り捨てた。


『わたくしは、ダリアス殿に憧れて、騎士を志したのです』


 まだ幼さの残る顔をした従士が、ダリアスに微笑みかけてくる。

 この若者は、ゼラド大公国との戦いで二年前に魂を返していた。


『ダリアス殿は、いささか血気にはやりすぎるきらいがありますな』


 副官のルイドが、仏頂面で述べたてた。

 彼もまた此度の陰謀に巻き込まれてしまったが、現在はレイフォンたちの手によって庇護されたはずであった。


『次に相まみえるときは、朝まで語り合いましょうぞ』


 十二獅子将のディザットが、陽気に笑いかけてくる。

 彼はグワラム戦役において、魂を返していた。


『おぬしとともに剣を振るえるのは、騎士としての誉れであるな』


『ダリアス様はそのように立派な殿方であられるのに、どうして伴侶を娶らないのでしょう?』


『ダリアス殿のお力には敬服いたしました。この先は、ダリアス殿にこの剣を捧げたく思います』


『次代には、おぬしとヴァルダヌスが王国の安寧を背負うことになるのであろう。決してロネックなどに後れを取るのではないぞ?』


『やあ、ダリアス。せっかくの舞踏会だというのに、また君はこんな隅っこに引っ込んでしまっているのかい?』


『ダリアス殿さえいてくれれば、このルアドラ騎士団も安泰でありますな』


『いいから、飲め。酒も飲まずに、戦などできるものか』


『あっしのことを気になさる必要はありやせん。ダリアス様のお好きなように取り計らってくだせえ』


『へへ。ダリアス様みたいな御方とこんな風に言葉を交わすことができるなんて、それだけで光栄なことですよ』


『これも王都の行く末を守るためでございます……微力ながら、ダリアス様にお力添えをさせていただきたく思います……』


『何がどうでもかまいませんけどね。僕は僕の好きなようにやらせていただきますよ』


『ダリアス殿のように立派な騎士も王都に存在するのだと知ることができて、わたしも心から喜ばしく思っているぞ』


『ダリアス様をお守りしなければならない自分が、このようなお世話をかけてしまって……心より申し訳なく思っております……』


『ダリアス殿にしてみても、守る人間は少ないに越したことはなかろう? 儂はこのあたりが引き際であろうよ』


『わたしだって、あなたのことは恐ろしく感じていたし……敵に回さずに済んだことを感謝しているわよ』


 ダリアスは、すべての幻影を斬り払った。

 きっと――この聖剣を手にしていなければ、ダリアスも正気を保つことはできなかっただろう。それらはすべて、ダリアスにとって大事な絆を結んだ人々であったのだった。


(なんと、忌まわしい手妻であるのだ)


 美しいレィミアの姿が闇の中で散るのを見届けてから、ダリアスは怒号をあげてみせた。


「さあ、これで貴様の妖術はおしまいか、《まつろわぬ民》よ! ならば、その皺首を差し出すがいい!」


 その声に応えるかのように、新たな人影がぼうっと浮かびあがった。

 はかなげに微笑む、ラナの幻影である。

 ダリアスは、ぎりっと奥歯を噛み鳴らした。


「貴様などの妖術にたぶらかされることはない! 悪あがきも、いい加減にせよ!」


 ダリアスは、聖剣を振り上げた。

 そのとき――得体の知れない情動が、胸の底から衝きあげてきた。


 ラナに対する、愛おしさである。

 いつしかダリアスは、これほどまでにラナのことを愛おしく思ってしまっていた。

 身分違いの恋慕であると、人は笑うのかもしれないが――ダリアスにとって、ラナの存在は王国の行く末と同じぐらい、重いものになってしまっていたのだった。


 そのラナが、ダリアスのほうにゆっくりと近づいてくる。

 その手には、鈍く輝く短剣が握りしめられていた。

 頭上に振り上げた聖剣が、警告を発するように脈動している。


(うむ。わかっている)


 ダリアスは、きびすを返してラナに背を向けた。

 そうして、聖剣を振り下ろすと――闇の中に、凄まじいまでの絶叫が響きわたった。


 闇の一部が凝り固まって、老人の姿を作りあげる。

 その老人は漆黒の頭巾と外套を纏っており、皺深い手で自分の顔面をおさえていた。

 その指先の間から、赤黒い血が噴きこぼれていく。


『何故……何故に我の術式を……貴様の精神は、我の手に握られていたはず……』


「生憎だったな! 貴様の手に収まるほど、俺という存在はちっぽけではない!」


 ダリアスはもう一度、聖剣を振りかざした。

 しかし、《まつろわぬ民》たる老人は、蝙蝠のようにふわりと浮かびあがってしまう。


 顔面をおさえた手の隙間から、漆黒の瞳がダリアスをにらみすえていた。

 その口からは、白い牙が覗いている。あの、天空に浮かんでいた老人の顔貌は、やはり《まつろわぬ民》の素顔であったのだ。


『おのれ……忌まわしき背信者め……貴様の魂は、火神の御子が必ずや焼き滅ぼしてくれよう!』


「待て、《まつろわぬ民》よ!」


 頭上の《まつろわぬ民》に向けて、ダリアスは聖剣を突き出した。

 漆黒と真紅の閃光が渦を巻きながら、闇の帳を引き裂いていく。


 そして――ダリアスを包み込んでいた暗黒が、木っ端微塵に砕け散った。

 それと同時に、さまざまな感覚がダリアスに押し寄せてくる。それは、確かな大地を踏みしめる感触や、温かみのある燭台の光や、水車小屋の饐えた匂いなどといった、現実世界のもたらす恩恵であった。


「な、何ですよう、もう! ずいぶん派手に寝ぼける御方ですね!」


 足もとから、若い男のわめき声がする。視線をやると、地面に尻もちをついたルブスが曖昧な笑みを浮かべていた。


「ルブス……お前は、何をやっているのだ?」


「何をやっているは、こちらの台詞です。ダリアス殿は、何も覚えておられないのですか? あなたはいきなり起き上がったかと思うと、小屋の外に飛び出して、ぶんぶん刀を振り始めたのですよ」


 そこは、水車小屋を出てすぐの空き地であるようだった。

 背後を振り返ると、燭台を掲げたラナが、とても心配げにダリアスを見つめている。


「それで何だか、そちらの娘さんに斬りかかりそうな勢いだったから、俺が止めようとしたのですけれどね。ものすごい力で俺を突き飛ばしたかと思うと、なんにもない向こうのほうに、何度も剣を振り下ろし始めたのですよ」


 それではやはり、最後のラナの幻影だけは、現実のラナと重なった存在であったのだ。

 もしもダリアスがあの幻影を斬り伏せていたならば、現実のラナも魂を返すことになっていたのだろう。


(……この俺が、そのような真似をしてたまるものか!)


 ダリアスは聖剣を鞘に収めると、ラナのもとまで歩を進めた。

 そして、ものも言わずにラナの身体を抱きすくめる。ラナは、仰天した様子で身をすくめていた。


「ど、どうなさったのですか、ダリアス様? 燭台の火が、お身体に触れてしまいます」


「かまうな」と言い捨てて、ダリアスは腕に力を込めた。

 いまさらのように、安堵の思いが胸に広がっていく。

 そして、それと同じぐらい強い気持ちで、《まつろわぬ民》に対する憤激の思いが燃えさかった。


(あともう一歩で、とどめを刺せたものを……しかし、決してこちらの力が及ばぬ相手ではない。王都で決着をつけてくれるぞ、《まつろわぬ民》よ!)


 そんな思いを胸に、ダリアスはラナの身体を抱きすくめた。

 ラナもそれ以上は口を開こうとはせず、ダリアスにその身をゆだねてくれていた。

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