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おんらいんげーむ(下)

 結論から言おう。

 なんと全員に嫁(誰も可愛いとは言っていない)が出来たのだ。

 あの洒落から始まったラッキー伝説は本当だったのだ。

 何というか最近では、この展開だと実はリンク内には女性が混ざっていてなどの展開があったりもするのだが、何というか残念ながらやっぱりオッちゃんだらけの変態リンクだったことが判明をした。

 これで一言だけ言える。

 こっちでも実際に会うことはなろうと。

 ちなみに全員、住む場所が振り分けられたらしく徒歩だと幾日もかかりそうなことが判明をした。

 ゲーム内移動で三日掛かりますとあったから、きっとそれくらい、いや俺たちの体力だとそれ以上にかかることだろう。

 だから敢えて言おう。

 絶対に会わないな、と。

 チャットで十分である。

 会って顔を合わせて酒を飲みたいわけでもない。

 酒を飲みながらのチャットで荒れるのも楽しいものだ。



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 で、かれこれこっちの世界に来てから五年が経過した。

 なんとまだゲームは最終まで実装されていない。

 それは何故か知っている。

 新しいゲームが出来、会社がそっちを優先にしてしまい、こっちが少しおざなりになってしまったからだ。

 無論、俺たちは浮気せずに……浮気をしてそのゲームにのめり込んでいます。

 面白いんだから仕方ない。

 で、新しいゲームでもリンクを作って、そこで会話をしている訳です。

 ちなみに嫁が出来たので、一日に遊んでいる時間は六時間ほどに減ったわけですが。

 で、そうそうあれから俺たちは全員そろったのを機に、自分たちの家の敷地から外に出たのだ。


 ゲームの設定だとモンスターが跋扈している世界の筈だったが、嫁(昇格)に聞いたら「モンスターって何ですか?」と聞かれパソコンで一生懸命に説明をしたのはいい思い出だ。

 もちろんいないのだから説明をしても上手くいく筈などないが。

 で、とりあえずモンスターがいないとわかったので嫁とパーティを組んで町まで行くことにした。

 まあ実際は町まで案内をして貰っただけなのだが。

 とはいえ、嫁には金がなく俺も金がないので見ただけで終わったのだが。


 ちなみにゲーム内の金は使えなかった。

 何というかゲームマネー(ゲーム上で表示されているお金)で、簡単にいうと存在しなかったからだ。

 バザーで使えるのはゲーム上での金であって数字でしか存在しなかったのだ。

 そう金貨などじゃなく実物がないのでこの世界には存在している筈がなかったのである。

 とはいえ必要な物は揃っているので、そこまであせらなかったが、屋台の食べ物とかは少し食べたかったりする。


 で、誤算はゲームマネーだけじゃなく、良い方で誤算していたのが一つ。4時間で収穫が出来るチート畑である。

 オンラインゲームの種で育てた作物は引き抜いてからあっさり七日で消えてしまうが、こっちの種で育てると消えないのだ。

 それを町に持って行って販売をするのだ。


 とはいえ、通常時に持って行っても農業の人もいるし見向きもされないといけないので、五年目の今年は結構な天候不順だったので、それを利用して町で売ってちゃっかりと馴染んでしまうことにしたのだ。

 俺の家から町までだいたい一時間くらいの距離があるので持って行くのは大変である。

 ゲーム内である謎袋アイテムボックスは、50個しか容量がない。

 まあこれには米10kgを50個入れ、あとの作物は台車で運ばなくてはならない。

 ちなみに一俵(30kg)を入れようとして腰がおかしくなったのは当然の結果だ。(三日延期)

 で、それにこりて5kgにするか10kgにするかで散々迷ったが、また町まで歩くのが億劫なので10kgにしたのだ。


 で、その販売をする米とか野菜の種は、四年前に嫁が居た村(離散済)から頂いたものである。

 嫁の好物がこの畑にないから、その好物の作物さつまいもをこの畑で育てられないかと試したところ出来たのがキッカケだ。

 その情報を仲間に連絡をして現在では、色々な種類がこの畑で作られるようになった。

 まあ何というかゲーム内の食物の方が美味しいので畑の片隅で実験的に作られているくらいだが。


 あとそれと大事な事が判明をした。、

 この自宅には、人の目を隠蔽する力があるらしいのだ。

 かれこれ五年ほど経つが、ここを含めて二十人いる仲間のうち嫁以外に誰も潜りこんでこないのだ。

 まあこれは何というかゲームのご都合主義っぽくなくはないが、安全に生きられるのだから文句はない。

 システムさんにお礼を言いたいくらいだ。


 そのシステムさんだが、何故俺をこのゲームに呼んだか判明をしていない。

 果たして呼ばれたのが俺たちのリンクだけだったのか。それとも……。

 まあ俺に害がないから深く追求をするつもりもないんだけどね。

 リンクの仲間も同じ考えである。

 余計な詮索をして、この生活を壊したいなど若くないオッちゃん達は考えるのである。

 今さら元の世界になど戻りたくないのである。

 そんな訳でシステムさんに対しては、「ありがたい」の一言で済んでいる。

 まあ酒が入って時おり(毎回だが)「姫が居れば……」と話しが流れるのは仕方なく時おり嫁に叱られるのも仕方のない話である。

 で、明日町に持って行く作物の件に流れてチャット内では話が盛り上がっている。

 嫁は俺にチャット内での話を聞きながら、にこにこ(時おり般若)している。


 明日が早いので早めに全員切り上げてる。

 明日はいよいよ交流か。

 ドキドキするようなハラハラするよう気分を落ち着けながら布団に入る。

 こんなに緊張するのも久しぶりだなと思いながらもなかなか寝付けない。

 そんな生活がこれから……もうしばらくなさそうだな、と苦笑しながら天井を見る。

 そして明日からの新しい生活を考えながら。

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