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おんらいんげーむ(中)

 とりあえず、一気に全員というのは止して、一人づつ招待をすることになった。

 最近、浮気されてバツになった仲間に招待を送る。

 彼は幸い子どもがいなかったので、すんなり別れたのだが離婚というか浮気が原因でこっちの世界にさらにドップリ浸かった人間だ。

 「俺が一番に行きたい!」という心からの叫びっぽいチャットにみんな彼に譲ったのだ。

 ちなみにこれがそのチャット。


「コッチノセカイ(/ω\)モウイヤナノ」


 何ともシュールだったが、彼から奥さんの浮気話を聞いたから仕方ない。

 早速、招待することにした。

 招待をすると彼はすぐに承認をしたようだ。


 ちなみにだが、リンク内で会ったことのある人間はゼロである。

 考えてもみてほしい。姫をペロペロしたいとか言っている時点で顔を合うことなど社会的に無理である。

 もし会うとしたら全員、覆面着用でなければいけない。

 素顔を晒すなどあってはならないのだ。

 ただし日本ではの話。

 こっちに来れば問題ないのだが……。


 で、そんな微妙な問題を吹き飛ばす出来事が起きた。

 なんと彼が飛ばされた場所はこの近くじゃないようだったのだ。

 

 連絡は取れた。

 どうやら普段というか一番思い入れというか遊んでいた場所に飛ばされたらしい。

 そういえば俺の今の場所も一番遊んでいた所だ。

 まあ半分ひきこもり生活をしていたからあまり気にしていなかったが。

 とりあえずは、安全な場所みたいだから少し安堵した。


 で早速、気になっていた「バザー」を使用してみる。

 このバザーというのは、お互いが直接取引出来るものだ。

 で、物々交換なども出来る仕様である。また値段なども自分達で勝手に出来るので初心者の知り合いが出来た際には、結構融通をしたものだ。

 ちなみに先ほど招待された彼にも融通をした口である。


 で、話は戻り早速10個卵をバザーに掛けてみる。

 すると早速返事というか取引が来てチーズが1つバザーBOXに納品された。

 予想通りだが、やっぱり使用出来ると嬉しい。

 物が来て嬉しいのは確かだが、なんというか知り合いが来てくれたのでとても心強い。

 まあ会えなさそうだが。

 送り先に届いたのを確認をして、早速みんなに報告をする。


 みんなは歓声を上げるが、絵文字仕様なので気持ちがイマイチ伝わってこない。

 多分アラフォー世代の為だろうか、いや俺たちが女子離れがひどいのか、なんともサッパリとした表現ばかりである。

 とはいえ、絵文字は微妙ではあるが、コメント欄はそれに反比例するかのように熱い。

 ガン○ムの名言が次々に出てくるほどだ。

 とりあえず来た人間の現状把握及び実際に住んでみて何が必要かを検証する為に5日ほどの準備期間を設ける事にした。

 俺たちのオッちゃん族は、もう惰性で生きているからそんなに急がないのよ。



 で、それから三日後に奇跡が起きた!

 俺の必需品で転生ペットのラッキーラビットのお陰か知らないが、可愛いオナゴが現れたのだ。

 何でも村が離散したらしく近くの町に向かう途中に迷ってうちに紛れ込んだとの事だ。

 見ると、あか抜けないがポチャッとして可愛らしい。

 昔の俺は、スレンダーでモデルのような美女が好きだったが、年を重ねてくると何時の間にかぽっちゃりムチムチ系の女子が好みに変わっていった。


 で、目の前にいるのがそんな女の子である。ひょっとしたら万人には可愛くないかもしれないが、俺的にはストライクなのだ。

 姫とは違うんじゃないかって? そりゃ姫とは似ても似つかないけど、俺の守備範囲が広いというか現実とは多少の相違があるのは否定しない。


 とりあえず中に入って貰って熱いタオルとお茶とお菓子を出す。(警戒心ゼロな俺)

 ちなみにこのお菓子はハロウィンイベントで手に入れたカボチャのお菓子箱から無限に出るチートなお菓子である。

 で、箱から出すと七日で消える不思議ちゃん仕様である。


 ちなみにそれは食に関する全てが当てはまる。

 ただし食べれば血となり肉となる仕様らしいので深く考えないようにしているが、七日後に消えてしまうので少なくとも売って大儲けにはならなそうである。

 まあ売るも売らないも、この家の敷地から一歩も外に出てない俺が言うのも勘違い甚だしいかもしれんが。


 それはさておき、迷い込んだオナゴと少し話をしてみる事にした。

 で、村が離散(飢饉で)したが、これからどうしていいか分からない。分からないが、残った村にいてもどうしようもなく、とりあえず町に行く事にした、とのことだ。


 ふむふむ、と頷いていたら、急に土下座をしてここで働かせて欲しいとお願いをしてきた。

 俺はビックリしたが、町に行っても働くあてがないし、どうしていいかも分からない。

 で、年を聞いたら十五になったばかりだという。

 俺が二十歳で結婚してたら、娘みたいなものである。

 俺の立場がそれくらいだったら、土下座をしていたかもしれない。

 ただし相手が女主人に限る。


 そんな訳で俺はあっさりと承諾をした訳だ。

 ちなみに後から私の事を好きになさっても構いませんといわれた訳では勿論ない。

 まあそのうち頂くかもしれんが、少なくとも今ではない。

 なんといっても嫁候補、ここは焦ってはならないのだ。

 で、その事をメンバーに報告をした。


 その日が終始その話題だったのは仕方のない話だ。

 ただどういう訳か、一番に食いついたのは結婚にバツのついた連中だったのかは不思議である。

 何でも日本とこっちでは違うと力説していたが、あんたらゲーム内で会話などなかろうよ。

 姫……あぁうん。

 確か発言は可愛かったな。

 とりあえず持ち物にラッキーアイテム類とイベント用のコスプレの衣服。

 そして逃がさないようにするデザート類の出るアイテムなどが加わったのは自明の理である。


 俺たちは決して二次元で生きると決めた訳ではないのだ。

 仕方ない事情から二次元で生きていたのだ。

 その結果、迷っていた奴らもこっちの世界に来るとあっさり決まったのは仕様のない話だ。

 ちなみに俺は嫁(仮)が絶対にやって来るなんて一言も言ってないし、偶然の産物だと何回も忠告をしているが、ラッキーハムスターがとかラッキーフラワーがなどもうラッキーで嫁を迎える気が満々である。

 まあせっかくこっちに来ると熱くなっているので、そこまで止める気にもならないが。

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