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午前四時の静寂
真夜中と言うには遅すぎる
早朝と言うには早すぎる
午前四時
一番好きな時間帯
静寂の時間帯
脳の中のバグを整理した
夢のまにまに
心臓のとまりそうな悪夢さえ
見ることなく目覚める
まだ冷やかな空気が
まだ穏やかな月明かりが
死んだように静かな世界に
おとなしく鎮座する
そのうち聞こえてくるだろう
新聞配達のバイクの音
朝のはじまりを告げるように
憂鬱とため息に惜しまれる
静寂の終わり
午前五時
世界の目覚めに
少しうんざり
微かに期待
遠くから届く
陸橋を渡る電車の音が
寂しげに聞こえたとき
誰かの朝がはじまって
私の一日がはじまって
黄昏時まで
交差することのない
それぞれの一日を過ごしていく