第一話
「っ……ここは…」
さっきと同じ、ベッドの上だ。が、さっきまではアパートにいたはず。
なのに、屋根は木で出来ており、(柊には悪いが)さっきいた部屋よりこっちの方が断然広い。
と、いうことは…
「ここが、ゲームの世界…なのか。」
そう、俺はVRゲームをするのは初めてである。
別に世間に広がってない訳でもなく、生産量が少ないわけでもない。ただ機械をかうお金が無いだけである。
VRゲームをするにあたって必ず必要になるもの。それが『ヘッドギア』である。
『ヘッドギア』は、VRゲームを創る会社がそれぞれのヘッドギアを作っている。このゲームを創った会社のヘッドギアは、『ヘルメット』である。
その名の通りヘルメットの形をしていて、左右にはそれぞれつき出た棒と、それが入りそうなくぼみが作られている。一つ25000円位するそれを6人分用意してくれた柊。
…金どこからだしてんだよ。
ちなみにさっきの説明は、全て柊から聞いたものだ。
だいたいは現実でしてくれたけどメインの説明はゲーム
でするって言ってたな…。
と、
「ライダ~キ~ック!」
という軽快な声と共に、俺にライダーキックをぶちかます«柊»。
「えっ、ち、ちょっとまっ…ぐはっ!」という重たい声と共に吹っ飛ぶ俺«木ノ原»。
「いつまで寝てんのよ。」
あぁ、ごめんごめん、と柊のほうを見たとき、思わずガン見してしまった。
翠色の目に翠色の髪。
そして長く、とがった耳。
こいつは…エルフだ。
このゲームを全く知らなくても外見だけで、エルフだなとわかってしまうような、ザ・エルフって感じだ。
「お前、なんでエルフなんだよ。」
「ん?あぁ、これね。これは…」
と、
「ん?どうした?」
«凩»が来た、が、こいつも目が紅色で、髪も紅色と、外見が変わっている。
「ちなみに、俺はドワーフってやつらしい」
あぁ、ドワーフか。ドワーフってたしか鍛冶とか得意だったよな。…じゃなくて、
「なんで人じゃないんだ?」
「じゃあ、それも含めていろいろ説明していくよ。」
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