↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

101/153

第74話 「“公認される裏側”と、止まらない拡散」


■朝・もう戻れない空気


朝のリビング。


テレビのニュースは、何気ない芸能情報を流していた。


だが――


画面の外では、別の流れが確実に加速していた。


⸻


■X(旧Twitter)


トレンド欄。


そこに並ぶ、いくつかの言葉。


⸻


「斉藤もも考察垢」


「内部者アカウント」


「理解度が異常なファン」


⸻


もう“偶然”では片付かないライン。


誰かが、気づき始めている。


⸻


■颯太のタイムライン


水上颯太は、無言で画面をスクロールする。


並ぶ投稿。


⸻


「この人、関係者確定でしょ」

「運営の裏アカ説」

「本人の身内じゃないと無理」

「文章が現場目線すぎる」


⸻


そして――


⸻


「もしかして、“本人と繋がってる”?」

「いや、もうほぼ確じゃない?」


⸻


一線を越えた推測。


“核心に触れた言葉”が、混ざり始めていた。


⸻


■桃華の静かな視線


桜井桃華は、コーヒーをテーブルに置く。


音は、やけに小さく響いた。


⸻


「ここまで来たか」


⸻


驚きはない。


焦りもない。


ただ、状況を受け入れるような声だった。


⸻


■保育園・小さな変化の連鎖


送りの時間。


何気ない会話の中に、わずかな“ズレ”が生まれている。


⸻


「ねえ、あの“もも”ってさ」


「もう普通の芸能人じゃない気がする」


⸻


別の声。


⸻


「裏で誰か動いてるよね」


⸻


桃華は、何も言わない。


ただ、いつも通り微笑んで通り過ぎる。


⸻


その“いつも通り”が、逆に不自然になり始めていた。


⸻


■昼・颯太の投稿(転換点)


颯太はスマホを開く。


少しだけ長い文章を打ち込む。


⸻


「見えているものは、すべてではない」

「でも、見えないものもまた現実だ」

「その間に“理解”がある」


⸻


送信。


⸻


数秒後――


通知が止まらなくなる。


⸻


■反応(拡散)


「もう詩じゃん」

「文学始まった」

「哲学アカウント化してる」

「ファンの域超えてる」

「運営説さらに濃厚」

「もはや公式」

「中の人絶対知ってる」

「怖いくらい当たってる気がする」

「逆に真実っぽい」

「何者だよ」

「解釈が深すぎる」

「リアルすぎる」

「この人の視点すごい」

「全部見えてる感じ」

「裏側知ってる人の文章」

「考察のレベルじゃない」

「愛が重い」

「でも嫌いじゃない」

「むしろ信用できる」

「公式より公式」


⸻


その中に、ひとつだけ。


⸻


「この人、“近すぎる”」


⸻


⸻


■桃華の確信


夜。


桃華は、静かにスマホを閉じる。


⸻


「もう……“考察”じゃないね」


⸻


それは、呟きではなかった。


現状の“確定”。


⸻


■颯太の帰宅


「ただいま」


「おかえり」


⸻


いつも通りの会話。


でも――


その“普通”が、もう普通じゃない。


⸻


■核心に近い会話


桃華が、先に口を開く。


⸻


「もう隠す意味、ないよね」


⸻


颯太は少しだけ考える。


⸻


「……隠すためにやってたわけじゃないしな」


⸻


■沈黙


数秒。


⸻


桃華が、小さく笑う。


⸻


「じゃあ――」


⸻


一歩、踏み込む。


⸻


「見せ方、変えよっか」


⸻


颯太は、少しだけ目を細める。


⸻


「どう見せる?」


⸻


桃華は、テーブルの上のスマホに視線を落とす。


⸻


そして――


⸻


「“全部は見せない”」


⸻


「でも、“隠しきらない”」


⸻


その言葉に、颯太は小さく笑う。


⸻


「一番タチ悪いやつだな」


⸻


「でしょ?」


⸻


■最初の一手


颯太は、スマホを手に取る。


⸻


新規投稿画面。


⸻


少しだけ考えて――


打ち込む。


⸻


「近いと思うなら、たぶんそれは間違ってない」


⸻


一行。


⸻


送信。


⸻


■数秒後


通知が爆発する。


⸻


「え、認めた?」

「どういう意味!?」

「やっぱり関係者!?」

「これ半分答えだろ」

「距離近いって認めてるじゃん」

「ガチで繋がってる人だ」


⸻


⸻


■境界の崩壊


外の世界は、もう“気づいている”。


そして今――


⸻


二人は、自分たちで“曖昧さ”をコントロールし始めた。


⸻


■締め


颯太が、小さく言う。


⸻


「これで、戻れないな」


⸻


桃華は、迷わず頷く。


⸻


「うん」


⸻


“裏”は、もう存在しない。


⸻


あるのは――


⸻


“見せる秘密”だけだった。



最後まで読んでくださり、ありがとうございます!

もしこの物語に少しでも「面白い!」と感じていただけたなら——


ブックマーク & 評価★5 をぜひお願いします!


その一つひとつが、次の章を書き進める力になります。

読者の皆さまの応援が、物語の未来を動かします。


「続きが気になる!」と思った方は、ぜひ、見逃さないようブックマークを!

皆さまの応援がある限り、次の物語はまだまだ紡がれていきます。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。