君想ふ
掲載日:2026/05/31
ほとんど初めて関わった。存在はしっているけど、そんなに印象にもなかった。ふと、目が合ったその瞬間私のなかで何かがはまった気がした。関わりを持ってみたいと、なんでか思った。舞う桜にすら愛されるキミの髪の花びらを取れるようになるのには然程時間は掛からなかった。
ハイビスカスを感じる風が運ぶグラウンドの土の匂い。ぼーっとさせる夏の暑さと、昵懇の仲の新友に敵わないなと思いつつ風鈴の音で涼む。長らく会えない夏休み、なぜか寂しさを覚えたがきっと気の所為と言い聞かせ、遊び呆けて、最終日にはペンだこができた。
時は流れ、長月へ。日がすぎるほど、季節を侵食する紅のようにキミは私の思考を奪った。こんな感覚初めてだった。胸が苦しい感覚すら、心地よい。そう思えてはしまえるほどに、私の視界は覆われた。
私は今日もキミ想ふ。
スマートフォンに来る通知、求めている文字ではなくて。「トーク履歴の一番上はいつもきみが居座っていて。」そんなあられぬ願望を、買ったばかりの服に込め。外になんか出たくない、そんな寒空の中ですら熱い顔が示すように
私は今日もきみ想ふ。
諸行無常の うちにある
ゆゑなど知らぬ この思ひ
何時しか過ぐり、落つる日や
よとともよととも
君想ふ。




