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第九話 嵐は思った以上に長い

 私たちが最初に到着した。

 場所は日比野公園、皇居外苑はジョギングコースとしては有名な場所である。

 1週が約5Kmなので2週がノルマになる。


 約束の時間になった。が、遥の姿が無い。

 グループチャットで声をかけると、すぐに反応した。



「遥、約束の時間すぎてるんだけど?」


「あれ?約束って明日じゃないの?」


「はぁ、今日だよ、遥以外集まってるよ?」


「まじで?ごめん!今209で服見てた。」


「遥だけずる休みって事で、5人で走ろうか…。」


「私は別にかまいませんよ?」


「まって、50分くらいかかるけど向かうから!」


「はっ?50分も待てと?」


「ジュースおごるから!おねがい!」


「50分あれば走り終わりそうですけど。」


「そうだね、私たちが走り終わった後、遥一人で走ってもらお?」


「私は運動着と私服を守ってるので、4人で走ってきて良いですよ。」


「あ、そういえば私物見張りが必要じゃん。」


「日比野駅のコインロッカーが空いてればそこに預けよう?」


「皆で行きます?」


「うん、とりあえず日比野駅に行って預けてこよう。」


「今電車乗った!23分でつく!」


「私たちは5分で日比野駅のコインロッカーに着くけど?」


「意地悪言わんといて!15分差やん!」


「いやあんた、着替えもあるの忘れ張るのと違います?」


「日比野駅の公衆トイレで着替えるから!」



 結局用意できて、スタート地点に着いたのは40分後だった。

 日比野公園前交番の先の交差点を渡った先をスタート地点とした。



「じゃぁ、自分のペースで2週したらゴール、タイマーを止めること忘れないでね。」



 みんな、携帯のタイマーに手を当てる各々がスタートし始めた。

 自分のペース配分が把握しにくい。私は事前に女性の平均ペースを調べてた。

 1km8分以内で5kmで40分、10kmで80分。

 しかし何Km走ったのかがわからない、分かるのは5km、10kmのみだ。

 走りながら、アプリを探してみる。

 それっぽいのをダウンロードして、初期設定を試みるが、走りながらの設定は難しすぎる。

 それでも何とか設定は完了。まだ一週目は終わらない。

 タイマーを確認すると、すでに30分を経過していた。

 因みに100mを48秒で1Km8分ペースである。

 高校時代の体力測定での100m全速力で15秒台だった私は遅い方である。

 一週目は60分だった。


 2週目を終えて私は120分だった。でも違和感が半端ない。

 皇居外苑を検索して真実を知る。道が違う…。

 皆ゴールしたところで、みんなに確認してみた。



「皇居外苑を走った事ある?」


「今日が初めてだったけど結構きついわね。10Km以上あったんじゃない?」


「信号で足止め食らうからその都度時間ロスしちゃうのは仕方ないのかな?」


「私は初めてよ?10km舐めてたわー117分かかるとは。運動怠けてた報いね。」



 私は検索した皇居外苑のランニングコースの図を見せた。



「ちょっと、スタート地点からして外苑外じゃない!」


「え、だって皇居外苑じゃない?スタート地点。」


「でもランニングコースからは外れてるよ?」


「途中から街中走ってたし、おかしいと思ったよ。」


「皆の後ついてったから途中からgogleMAP見て走ってたけど。」


「私もマップ見て走ってた。」



 私たち全員、皇居外苑の本当のランニングコースを知らなかったのだ。



「明日以降の待ち合わせ場所変えない?」


「T大の私たちは竹端駅でよさそう、翠はK大だよね結構時間かかるね。」


「私は30分くらいですね。」


「華苗は大学どこなの?」


「あ、私も知らない。T大じゃないよね?」


「私はW大だよ?」


「なら大丈夫だね。」


「翠の家は二子多摩川だよね?新しいマンションの方が若干近くなるんじゃない?」


「あ、新しいマンションてどこなの?」


「品河区豊町2丁目で最寄りはちょっと歩くけど多井町で8分くらいだったよ。」


「大先駅だと徒歩は22分だとありますね。多分こっちはあまり使わないと思いますけど。」


「私、通学1時間超えるわぁ~。」


「華苗さん、ガンバです!」


「T大もそんなに変わらないですよ?1時間は越えますね。」


「K大の翠は勝ち組か。くっ!」


「とりあえず、これから毎日ジョギングですからね、19時集合厳守です。」



 私は帰ってから荷造りを本格的に始めた。

 調理器具も一式持っていくし白物家電も洗濯機以外は持っていく。

 食器類の為に読まない新聞を2部も買った。勉強道具も段ボールに詰め込む、洋服も着ないものを先に入れていく。

 テープで止めて、段ボールに突っ伏して、休憩のつもりがそのまま寝てしまった。


 朝起きて、朝食を食べる。昨日の運動着を洗濯して干す。

 グループチャットで部屋取りの話をする。

 翠さんに写メで捕ってもらった6部屋の写真。



「多分、角部屋は取り合いになると思うので、私は真ん中の二部屋どちらかで良いです。」



 グループチャットは大いに盛り上がっていた。今日のジョギング前に籤で左の部屋から1、右の角部屋ヲ6として、6人でくじを引くことになった。籤を作るのは私で、私は最後の残り物を引く、不正を禁止するための処置だ。割り箸を買いに行って、コンビニコーヒーを購入。持ち手の部分が太いのでそこに数字を記入し6本作った。コンビニコーヒーのカップを加工して真ん中をくりぬいた。


 なお、ウォークインクローゼットは部屋の近くが3、一番奥は角部屋の人と決まっていた。


 2日目の19時、全員集合していた。

 雪乃は用意した籤を出し、みんなの前でシャッフルし、雪乃は腕を伸ばす。

 各々がこれだと決めた一本を取る。雪乃は籤に触れない。

 せーので、みんなが引き抜いた!


 1を引いたのは梨穂さんだった。

 他の人はガッカリした様子だった。

 残りの一本を何気なく引き抜いたら、6番だった。



「私は角部屋じゃなくてよいので、もう一回しますか?」



 皆大喜びしたけど、梨穂さんが一言つぶやいた。



「一発勝負のはずでは?約束を違えるのです?」


「私はこだわりないので、構わないよ?」


「雪乃のやさしさを無駄にできひん!」


「もう一度チャンスを頂ける事に感謝します。」



 と言う事で、1番以外を戻し5本をシャッフル。

 再び腕を伸ばす。4人が一本ずつ選ぶ。



「これがラストチャンスですよ?」


「わかってるで!」


「せーの!」



 歓喜と落胆の声が轟いた。

 翠が6番を引いた。



「これで決定ですね。」



 残った一本を引き抜く。5番だった。



「じゃぁ、この部屋順で決まりと言う事で。」


「しゃーないわ。」


「そうですね。死ぬわけじゃありませんし。」


「気を取り直して、ジョギングしましょう!」



 こうして二日目のジョギングが始まった。

 私のタイムは90分だった。



「足腰がやばい…すでに筋肉痛なんだけど。」


「私も筋肉痛だ~。」


「今日のタイムが最低ラインだからね?」


「分かってるけど、筋肉痛で早くなるかな~?」


「お風呂でマッサージすると楽になるよ。」



 そして各々は家に帰った。私は三上さんに個チャを送った。



「三上さん、おつかれさまです。荷造りが思ったよりも早く終わりそうなのですが、いつくらいに業者お願いできますか?」


「東御さん、お疲れ様です。荷造り早いね、明日電気ガス水道の業者に連絡しておくから、終わったら、私から連絡するね。ほかの子はどんな感じなのかな?」


「進捗は解らないですが、私が終わり次第他の子の手伝いをして順次連絡する予定です。」


「東御さん段取り早いから、鍵の方も早くお願いしとくわね。」


「お手数おかけしてすいません。よろしくお願い思案す。三上さんから何か質問とか要望とかありますか?。」


「あ、レッスン関係が1週間先になるから、それまでに引っ越し終わらせてもらえると、みんなの負担が減るかもだけど、無理ない程度にお願い。」


「レッスンが遅れるれるのは、私たちの引っ越しの事情ですか?」


「それはちがうの、ダンスの先生とボイスレッスンの先生が都合的にずらして欲しいって、連絡があったからね。」


「それならよかったです。では、連絡お待ちしてます。」



 私の荷造りは今日で、大体終わる。明日からどうしよう…。

 とりあえずみんなに、グループチャットで確認をとってみた。



「みんな荷造り始めた?どんな感じかな?」


「うちはまだ手付かずやんなぁ~。まだ不用品を捨てたりとかやな。」


「私は少し手を付け始めました。漫画とかが多いので段ボールの確保が大変です。」


「私は必要なもの不要なものを分けてる状態ですね。」


「私も段ボール確保に時間かかってるかな。」


「私は1日2箱のぺーすでやってます。っても今日もこれから、二箱荷造りする段階なんですけどね。」


「いくつか報告です。調理器具は多分不要なので持ってる方は捨てるか売るかして大丈夫です。洗濯機はハードオフとかに引き取ってもらってください。服は前日で大丈夫です。荷造り完了前日の状態はお風呂セットだけにして、椅子や洗面器、その他お風呂用品は捨ててください。服は数着残して残りは段ボールへ。当日、段ボールにお風呂セットと水滴拭くためのタオル、化粧道具を段ボール。残ってる服はリュックかキャリーに入れて完成です。」


「悩んでたから助かるー!」


「うちも助かったよー雪乃!」


「参考にさせて頂きます。」


「頼りになるっ!ありがとー♪」


「私も参考にするね、ところで雪乃は終わってたりするの?」


「私はもともと荷物が少なかったので、もう終わってるよ。なので手伝いが欲しければ言ってね。」


「あとでお願いするかも~。」


「私もお願いするかも。」


「いつでも言ってください、あ、皆さんのお宅の電子レンジで高い方いますか?」


「うちのは安いで?」


「私は親が用意してくれたので分からないですが、コンビニのお弁当が稀に入らない事があります。」


「うちもコンビニ弁当はいらないことがあるね。」


「私のもお高くはないとおもう。」


「私のも親が買ったものなのでわかりませんがコンビニのお弁当?が入らない事は無かったような気がします。」


「なに?電子レンジにやたら拘ってるけど何かあるん?」


「実話私の電子レンジも安物で、コンビニのお弁当は不可だと思うんですよね。なので1台くらいはあった方が良いかなと。皆さんコンビニ弁当愛好家の方が、使えないのは可哀想だと思ったので。」


「別に愛好家ではないよ?!仕方なくの選択肢なだけよ?」


「私がポンコツになってしまった時に、皆さんコンビニに走ると思うので。」


「確かに、1台あると助かるかも。」


「誰も持ってなかった場合、どうするの?」


「買う予定です。料理でどちらにしても必要になりますし。」


「マンションにはなかったの?」


「有りましたが1台でした。もう一台あると良いなと感じているのですが…。」


「一台あれば大丈夫じゃない?」


「料理中は私が使うので、使えない時があるかもしれないよ?」


「その時間帯に使うかな?」


「ホットミルクなどの温める系ですか?」


「うん、一台でいいと思う。」


「せやな、翠の持ってるやつがコンビニ弁当いけるサイズならそれでいいんじゃない?」


「そうですね、じゃぁ翠さんの家に明日お伺いしてもいい?」


「いいですよ~?」


「荷造りのお手伝いもしますのでお邪魔にはなりませんので。」


「雪乃、敬語と砕けた感じが混ざってて違和感がすごいで?」


「仕方ないじゃないですか、まだ練習中なんです。」


「でも、少しずつ砕けた感じが出せる様になったのは良い傾向だと思うよ?」



 こうして一日は更けていく。

 荷造りという事から現実逃避してる人も居るが、それは後日談。


 今日は翠さんの家に行く日だけど、翠さんと予定を合わせて午後3時過ぎに三田駅で待ち合わせ。

 翠さん家で今日はお泊り。運動着とパジャマと明日の服等いろいろ準備して出発。



「雪乃ちゃん、お待たせ~!」


「全然待ってないよ、予定より早いけど急いできたの?」


「待たせてるからね、少しでもってね?」


「翠ちゃん、気にしなくてもいいのに。」


「とりあえずじゃぁ、今日はよろしくお願いします。」



 二人は翠の自宅へ向かった。



「お邪魔しまーす。」


「散らかってるけど、とりあえずお茶出すね。」


「気にしないで良いよ。キッチン周りは終わってそうだね?」


「終わってるよ~。漫画とか雑誌が少しあるのでそれ詰めてる最中。」


「雑貨とかは余りないんだね。ぬいぐるみとか。」


「ぬいぐるみは既に段ボールの中だね。」



 私はレンジを見た。うちのものより大きい。



「翠さんあと数日で終わりそうだね?」


「だから少し余裕あるかなって。」


「少し待ってね。」



 私は三上さんに個チャを送る。



「お疲れ様です。東御です。今、橘翠さんの荷造りのお手伝いに来ています。今日明日にも終わりそうなので、業者さんの手配お願いできますでしょうか?」



「おまたせ。じゃぁ本入れてっちゃうね、翠ちゃんは服をか下着とかお願い。」


「は~い。所で誰にチャットしてたの?」


「あ、三上さん。私は荷造り終わった報告してあるんだけど、翠さんも終わりそうだから、明日業者さんお願いしておこうかと。」


「え?電気ガス水道は?だいじょうぶなの?鍵とかも…?」


「あ、鍵どうなんだろう?急ぐとは言ってたけど。まだ返信来てないから、来たら教えるね。」


「ありがと~、ていうか三上さんとやり取りしてるんだね。」


「うん、私は聞かないと不安でしょうがない人間だから、何かあればすぐチャットで聞いてる。



 ピロロン



「あ、三上さんかな?」


「何だって?」


「業者の件は終わってるって。」


「三上さん質問です。鍵ってどうなってますか?」


「鍵はまだあなた達に渡した1枚とスペアで私が持ってる一枚だけで、まだ出来上がってないみたい。」


「一枚でも出来上がってませんか?電話番号教えて頂ければ、こちらで確認いたしますが?」


「雪乃ちゃんと、翠ちゃんだけなのよね?私の持ってるスペアキー渡すわ。明日どこかのタイミングで会社に来て、渡すわ。」


「私はチャットの内容を翠ちゃんに見せた。」


「本当に色々やり取りしてるんだね。」


「嘘だと思った?」


「嘘だとは思ってなかったけど、ほぼ毎日やり取りしてて驚いたよ~。」


「翠さんが終わったら、残りの4人のお手伝いに行こうと思ったけど、鍵の都合で手伝いは先になりそうだね。」


「私も手伝った方が良い?」


「みんなワンルームだし、私だけでも良いとは思うけど後半はお願いしちゃうかも。」


「因みに後半の理由は?」


「多分全然進んでない可能性と、物が多い可能性で時間がかかってるパターだと思うから。」


「確かに。その可能性もあるけど、全然手をつけてない可能性は無いの?」


「無いと信じたいよね~、実際は有るかもだけど。」


「誰がそうなりそう?予想で。」


「遥は予感するなぁ~。翠ちゃんの予想は?」


「華苗は多分確信犯だと思うよ?」


「え~華苗ちゃんは出来る子だと思ってるんだけどなぁ~。」


「遥さんも出来る子だと思うけど?」


「ジョギング初日。」


「あー忘れてましたね。」



 こうして時間は過ぎ、ジョギングの時間に。

 ジョギング3日目みんな筋肉痛に苦しむ中で、私は89分でゴール。

 遥は84分、楓85分、梨穂85分、華苗87分、翠89分だった。

 明日はいよいよ私と翠の引っ越しの日。期待とドキドキの寮生活が始まる。

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