第六話 新たな友と仕組まれた罠
あれから華苗さんを通じて、翠さんとも友達になった。
MINEの交換をしてグループ作って、毎日MINEしてる。
遥や楓、梨穂とも毎日してるので、ついにやってしまった。
遥や楓、理穂たちに返信しようとしてたのに、華苗と翠のグループに送信してしまい、恥ずかしい思いをしてしまった。でも、華苗と翠に遥、楓、理穂を文面で紹介したら、翠さんが会いたいと言ってくれたので、来週の水曜日にカラオケボックスで華苗と翠に遥、楓、理穂を誘って集まることになった。
華苗には有坂君は誘わないの?と言われたけど、女の子の集団の中に男一人って気まずいのでは?と思い誘っていなかった。
有坂君には別途お礼しないといけないなとは思ったけど、どうお礼すればいいのか解らない。
なので女性だらけのカラオケボックスに誘って、ハーレム状態をお礼にしようと思い、個別で誘ってみた。
初めて誘ってみたけど、断られはしなかったので安心した。
週明け月曜日、家に帰るとポストに郵便物。郵便物自体は珍しくない。変な広告がいっぱい入ってたりするし。
だけど、その郵便物は見知らぬ会社からで、会社名はアディール事務所とある。
怖いけど中身が何なのか確認する必要がある。
一次審査通過のお知らせ…?
読者モデルのご応募ありがとうございます?
「いや、してないんですけど…」
一次審査の結果、通過しましたのでお知らせいたします。
つきましては2次面接をお行いますので、指定された日にお越しください。
「え?意味わかんないんだけど。どういう事?」
謎は解けないまま、誰にも相談できず。
水曜日にカラオケボックスは楽しかったけど有坂君の事は忘れてた。
後日、有坂君にMINEで聞いたら楽しんだようでよかった。
そして第二次面接の日、私なりに考えて用意した服を身にまとい、出発した。
会場に着いた私は言葉を失う。予想以上に多い…。
とりあえず受付を済ませて、案内された部屋に入ると見知った顔が目に入る。
「楓ちゃん!どうしてここに?というか私、訳解ってないまま来たんだけど。」
「遥ちゃん達も来るから大丈夫だよ?」
「いや、大丈夫ではなくて、なんで私モデル応募されてるの?」
「美容室で雪乃見て、モデルいけるんじゃない?って話になってね。でも一人だけで応募させたら今の状態になるって思ったから、私たち3人も応募したの。」
「え、でも私応募してないよ?」
「応募は遥ちゃんにお願いしてたからね。無事応募できてよかったよ。」
「雪乃、楓ちゃん早いね。」
「梨穂ちゃんも2次面接来たんだ。」
「遥もさっき受付してたから来ると思うよ?。」
みんな揃ったけど、まだ時間があったので話は続いた。
「なんで勝手に応募したの?」
「だって、相談したら?」
「断るに決まってるじゃない。」
「だよねー。」
3人が声を揃えて言った。
「でも、雪乃、気合い入ってる様な気がしますよ?」
「だって、面接でしょ?流石に服装は選ぶよ。」
「そんなこと言って、実は自信あったりして?」
「そう言う3人はどうなの?」
「私は落ちるつもりはあらへんよ?」
「私かて、落ちるつもりはあらしませんよ?」
「私は自信ないなぁ。みんなと違ってスタイルに自信無いし。」
「雪乃はどうなん?自信あり?」
「私は受かるつもりが無いです。」
そんな中、各々の面接官達はモニタ越しに受験者のチェックをしていた。
「ボチボチ良い子はいますね。」
「みんな緊張してるせいか、表情は硬い気がしますね。」
「まぁ、面接10分前ですし、仕方ないでしょ。」
「画面右端の子達は談笑してるみたい、顔見知りなのかな?」
「そろそろ時間よ?」
「じゃぁ行きますかー。」
面接官は各々部屋へ入室した。
面接開始5分前受付順に番号札を渡されている。
番号順に並び番号を呼ばれたら入室、面接となる。
一番先に呼ばれたのは楓だった。
「28番さん3番の面接室へ。」
「はい」
楓は面接室に入った。
だけど、面接室に3分な人も居れば10分以上の人も居る。
楓が出てくる前に私の番が来た。
「34番さん1番の面接室へ。
「はい」
私はノックをして、扉の奥からの声を聴いて入室した。
「どうぞ」
「34番、東御雪乃と申します、本日はよろしくお願いいたします。」
「お掛けになってください。」
「失礼いたします。」
「ではまず、今回応募されたきっかけは?」
「今回の応募は、友達が勝手に応募してしまって、私の意志はそこに無く、通過通知が来たため2次面接に参加させていただきました。
「はいはい、たまに居るんですよね。本人やる気ないのに応募されるの。迷惑なんですよね。」
「はい、私もその通りだと考えております。しかし、一次審査を通過してしまった以上、私自身は覚悟を決めてきております。」
「では、二次面接えお通過しても構わないと、そういうことですか?」
「はい、私の友達もこの面接に来ています。みんな一生懸命にこの面接を受けています。適当な気持ちで応募した訳では無いと知ってしまった以上、私も全力で面接に挑むつもりです。
「お友達も参加してるんだ、因みに名前を聞いても良いかな?」
「水野楓、千堂梨穂、鏑木遥、という名前です。名前順に面接になると思います。」
「因みに面接を終えた子は?」
「28番で、3番の面接室で私の番になっていても面接していました。」
隣のスタッフに耳打ちすると、そのスタッフは面接室を飛び出していった。逆隣にいたスタッフにも耳打ちし、資料を確認しだした。
「少し待っててもらえるかな?」
「はい。」
10分以上待った。
私の入った一番部屋は私の入ってきた扉のほかに左奥にも扉がある。スタッフさんが飛び出していった扉だ。あれからスタッフさんも戻ってこないし。
10分の沈黙、つらいかと思ったけど、私沈黙が当たり前だったことをすっかり忘れてた。
沈黙に耐えかねたのか、面接官が話しかけてくる。
「いや本当にごめんね、お友達同士で来る子って実は珍しいんだよね。2人でとかは良くある話なんだけど、4人ていうのは滅多になくてね。4人は仲が良いのかな?4人で応募するくらいだしね。」
「はい、大変よくして頂いていています。」
ここで左のドアから、知らない人が3人と楓が一緒に入ってきた。
スタッフは慌てて椅子を用意した。私含めて4つ。
楓は私の隣に座り、耳打ちしてきた。
「雪乃、これ一体どういう事?」
「私が友達と面接に来てるって話したら、この状況に。」
「え?いっちゃったの?」
「え?隠すことなの?」
「分からないけど…。」
私の入ってきた扉が開くと、遥と梨穂が入ってきた。
「えーっと、鏑木遥さん、それから千堂梨穂さんですね。お座りください。」
4対4の面接が始まった。
「皆さんは本当にお友達なの?今日会って意気投合してとかではなく?」
「はい。」
そういって立ち上がった私はスマホの写メを面接官に見せた。楓や梨穂、遥も同じように写メを見せた。
「言ってることは嘘じゃないのね。」
「東御さんの話では、東御さんの応募を代理で行ったと聞いてるけど、誰が言い出したこと?」
「実は私たち3人で計画しました。東御さんの書類は遥が出しました。」
「すごく仲は良さそうだけど、長いの?」
「いえ、今年になってです。きっかけは一人の男の子でした。」
10分以上かけて事の顛末を説明した。
「いじめらた経歴を持つ、特殊な環境のお友達なのね。」
「特殊ではありますけど、私たちはめっちゃ仲良しです!雪乃、今回の事怒ってる?」
「何か考えがあっての行動でしょ?困りはしたけど怒ってはいないわ。」
「これが私たちの絆です。」
「東郷さん、この子達の面接お願いしていい?私たちも他の子面接しないとだから。」
「おぅ、任せておけ。」
3人の面接官は席を立ち、部屋を後にした。
「じゃぁ、面接の続きなんだけど。モデルで応募してもらってるんだけど、他の仕事もやってみたいと思ったりしますか?」
「思いつく?」
「地下アイドルとか?」
「女優とか!?」
「いや、女優は無いでしょ。」
「皆さんは女優として育てるには年齢的にきついです。聞いた環境的に演劇や映画にご縁が無かったでしょうし。」
「確かに無いなぁ。」
「アイドルなら可能性はあります。もちろん、うちの上司のOKが出ないいけませんが。」
「アイドルになれるん?!」
「憧れますね。」
「確かに出来るものならチャレンジしたいね?」
「私は歌が得意ではありません。なので3人はアイドル、私はモデルというのが現実的では?」
「東御さんは苦手なのか、下手なのか、嫌いなのか、どれに当てはまります?」
「私は下手です。なので苦手意識もあります。でも聞くのは好きです。」
「ならレッスンでカバーできますね。嫌いと言われたら無理強いできませんし。」
「では、モデルの仕事の話に戻りますが、水着撮影は可能ですか?」
「はい!仕事であれば!」
「私も異存はありません。」
「私も構わへん。」
「私も仕事であるのであれば。」
「TVなどのロケ等が発生する場合があります、その場合は如何ですか?」
その後もいくつか質問を受けたが、4人の返事は同じだった。
面接も終わり、カラオケボックスに。
練習しようという話になって、みんなでスコアを競った。
課題曲をショップで4人で1曲を選び、4人がそれを購入、練習することとなった。
皆の心はアイドルになるという一つの目標に向かっていた。
結果が出るのは2週間後。
各々カラオケボックスに通い、課題曲を練習していた。
楓ちゃんと行ったり、梨穂さんと行ったり、遥さんと行ったり、4人揃ったり、3人だったり。
私は翠さん、華苗さんを誘って練習したりもした。
練習してる理由を伝えたら、凄く羨ましいと言われた。二人も次回募集が会ったら応募してみようよと意気投合していた。私は遥にMINEで応募書類の方法を聞いて二人の応募書類を作成した。二人の写真を数枚用意しなければいけなかったので、練習後はまずショップで着せ替えショーで撮影し、その後翠ちゃんの家に行って写真撮影会を行った。かわいい写真をプリントアウトし、次は華苗の番だけど時間も時間だったので次の日になった。
この日は翠さんと華苗さん、楓ちゃんと集まり、まずはショップで着せ替えで写真を撮りまくった。その後、華苗ちゃんの家に伺い、持ってる服で着せ替えショーかわいい写真をたくさん撮った。プリントアウト候補をグループチャットに上げてプリントアウトした。
遥と梨穂にも事情を説明して、全員で集まって作戦を考えた。ふと有坂君の事が頭をよぎる。
結果が出る二日前、私は有坂君に個チャを送った。
「有坂君、お久しぶりです。今日お暇してませんか?」
ピロロン
有坂君から返信が来た。
「暇だけど、どしたん?東御さんから連絡くれるなんて2回目じゃない?」
「え、みんなからは結構来たりするの?」
「来るよー彼女出来たー?とか、東御さんだいぶ変わったよね?みたいな会話してるよ?」
「私の居ない所で、私の話をするのはやめて頂けないでしょうか?」
「みんな東御さんの事お気に入りだからね、話題になるのも仕方ないよ。」
「ところで今暇なんですか?お茶しませんか?」
「いく、今すぐ向かう!どこに行けばいい?」
「いつものカラオケボックスの前で待ってます。」
「すぐ向かうね。」
直ぐと言いながら30分以上待たされた。
「東御さん、ごめん待った?」
「私が連絡した時、既にここに居ましたので。」
「30分以上じゃん!ごめんね?」
「誘ったのは私なので、ノーカウントです。」
「本当にごめん、これからどこに行くの?」
「え、カラオケボックスの前で待ち合わせして、カラオケボックスに行かない選択肢があるんですか?」
「うん、たまにあるよ?だってポチ公前とか209前とか、わかりやすいじゃん?」
「あー、経験ないので解り兼ねますが、そういう事もあるんですね。じゃぁ受付お願いします。」
「はいはい、了解。」
私たちはいつも通り部屋に入り、注文までを有坂君がやってくれた。
私は、リモコンで課題曲を入れてマイクを持つ。
「え?なに?東御さんカラオケ出来る様になったの?」
「はい、出来る様になりました。今は課題曲を練習中なのでこれから歌います。」
曲が流れはじめ、私は歌い始めた。
有坂君は途中店員さんからドリンクを受け取り、テーブルに置いて私の方を見た。
私は歌い終えて、点数の表示を待った。
「さっきさ、課題曲とか言ってたけど、どういう事?」
私たちがモデルの募集に応募して2次面接を受けた事。4人で同じ曲を歌の練習として課題としていることなど、有坂君が知らないであろう情報を教えてあげた。
「東御さんが面接って、できた?」
「はい、面接マニュアルは読み込んでますので、一通りは出来たと思います。」
「しかもモデルって…受かったらどうするの?」
「もちろんやります。仕事ですし。」
「東御さん、めっちゃ喋れるようになったね。全然言葉に詰まらなくなってるし。」
「そうですね、有坂さんの手腕のお陰です。ありがとうございます。所で、有坂さんも歌いませんか?」
「歌って良いの?」
「私課題曲しか歌いませんから、とても退屈だと思いますよ?それにお礼もしたかったので。それと、有坂さん。
「なに?どうしたの?写メ取らせてもらっていいですか?」
「え?名に突然…良いけど?」
「ありがとうございます。カラオケ終わったら、有坂さんに似合いそうな服探しに行きましょう。」
「え?何どういう事?デートなのかこれ?」
「デートは恋人がするものでしょ?私たちは恋人じゃありません、だからデートではありません。」
「うわ、声に出てた?!はっず!!」
「もしかして私は有坂さんの恋人になってるのですか?了承した記憶がありませんが。」
「なってないよ?大丈夫、思考が言葉に出ただけだからね。」
この後ショッピングで有坂君を着せ返して写メを撮った。
有坂君と別れた後、遥とスタバで合流。華苗さんも合流するとの事だったので華苗さんを待った。
「雪乃、有坂君を着せ替え人形出来るのはきっと雪乃だけだよ。」
「せやな、私たちじゃ口実がないしなぁ?」
とってきた戦利品、有坂君の写メを3人で鑑定しあった。
6人のグルチャにも写メをアップし参加できなかった楓、梨穂、翠にも鑑定してもらった。
ふと梨穂がグルチャでつぶやく。
「有坂君、めっちゃ自然体な気がする。」
「あー言われてみれば、表情柔らかような?」
「私は有坂君と接点があまりないから解らないなぁ。」
「私は普段と変わらないと思いますけど?」
「雪乃はそういうの鈍そうだしね?」
とりあえず、良いものは決まったのでプリントアウトしに行った。
3枚の書類が出来上がった。
次の日、学内で有坂君に個チャを送った。
「有坂君、こんにちわ。今日は大学に来ていますか?」
数分後返信が来る。
ピロロン
「いるよ?昨日に引き続きカラオケのお誘いかな?」
「いえ、食堂に来れますか?お話したいことがあります。」
「いくいく、数分待てて。」
ほどなくして有坂君が現れた。
「席側に立って手を挙げているのが私です。」
有坂君は携帯のメッセを確認した後、私を探している。
手を振ってみた。
ようやく気が付きよってきた。
「広いからなかなか見つからなかった。」
「そう思って手を振ってみました。」
「助かったよー。それで話って何かな?」
「モデルに興味ありますか?」
「え?俺にって事?」
「はい、もしあるなら、明日空けておいてもらえると助かります。」
「モデルかー。興味が無くはないけど、因みに事務所は?」
「アディール事務所で、私たちも応募してる会社です。」
「へぇーそうなんだ。わかった空けとくけど、空けとく理由は?」
「明日、アディール事務所へ行くのでその時に、書類と一緒に本人も連れて行こうかと思いまして。」
「1次審査とかあるんじゃないの?確か書類で。」
「3人ならその日に合否貰えそうじゃありませんか?本人居るから2次面接という流れになれば。というのが私たちの狙いです。」
「うーん、アディール事務所側からしたら迷惑極まりないと思うんだけど。」
「私もそう思うのですが、3人が乗り気で。」
「その3人が来るべきじゃないの?」
「私じゃないと有坂君は言う事聞かないだろうからと。」
有坂君を口説き落とした雪乃は3人に連絡し、いよいよ明日の合否の連絡を待つのであった。




